最近,夕食を済ませると,2階の仕事場兼父部屋にひとり籠もって約1時間ほど食後の仮眠をとるのが習いとなっている。昼のあいだ,ずっと仕事机に張り付いたままで根を詰めたデスクワークを継続して行っていると,加齢からくる体力の消耗が,筋肉や経絡,各種神経系のみならず,脳髄の奥の方にまで諸々の悪影響を及ぼしてゆくことは如何とも避けがたく,知力は減衰し,気力は萎え,リンパは滞留する。要するに正常な身体活動を維持できない状態になるのであって,仮眠は体力のリフレッシュ,精神のリセット行為なのだ。
ただし,これはあくまで仮眠であるがゆえ,布団を敷いてそのまま寝てしまう訳にもゆかまいから,室内を暗照明にして封筒型シュラフ(小川テント製:フィールド・ドリームDX-Ⅱ)を床に広げ,とりあえずはその中に潜り込む。いわゆるオートキャンプなどに持ってゆく重くて嵩張るタイプのシュラフだが,快適性という点では山行シュラフよりも数段優れている。
短い眠りの間に,よく夢を見る。愉快で楽しい夢はほとんどなく,だいたいが仕事がらみの,何かに追われるような,セカセカした辛気くさい夢ばかりだ。例えば昨日など,地方での現場調査を終えた帰路,夜の最終列車にタッチの差で乗り遅れてしまい,おまけに運の悪いことに,現地でもう一泊するだけの金を持ち合わせておらず,さらに,翌日には別の仕事でまた違う地方へ行く必要があり,はてさてどうしたものかと,人気のない地方駅の暗い改札口の前でひとり途方に暮れてしまった。そんなナサケナイ夢。 また数日前には,山奥の谷間の斜面にへばりつくようにして急崖を慎重に下っている自分がいた。はるか数10m下方を流れる渓流の畔までゆかねばないのだ。足元の岩礫は不安定で覚束なく,一歩一歩が冷や汗ものだった。とその時,私の脇を1匹の猫が転げ落ちるように下っていった。よく見れば,何とミーシャではないか! 手を差し伸べてやることも出来ないまま,一瞬のうちに視界から消え去ってしまった。A la recherche du chat perdu! そんなセツナイ夢。
養老先生によれば,睡眠とは日々蓄積されている脳内エントロピーを御破算にする重要なリフレッシュ作業であり,夢はその作業中における気紛れな副産物であるという。ホントカネ?
ときどき,寝袋のうえに覆い被さるようにして眠りを妨げるものがある。何だ?誰だ?アキラだ!間違いない! そしてその安眠妨害者は,私の耳元で「元気の素,ちょうだ~い」,「DS貸して~」,「パソコン使っていい?」などと,小声で繰り返し囁くのだ。一風変わった目覚まし時計だが,悪い夢でうなされて起きてしまうよりは,ま,数段心地よい目覚めであると白状せざるをえない。恐らくそのうち,父の夢の中にまでアキラは入り込んでくるのだろうな。
てなわけで,本日の仮眠はこれにて終了。
ただし,これはあくまで仮眠であるがゆえ,布団を敷いてそのまま寝てしまう訳にもゆかまいから,室内を暗照明にして封筒型シュラフ(小川テント製:フィールド・ドリームDX-Ⅱ)を床に広げ,とりあえずはその中に潜り込む。いわゆるオートキャンプなどに持ってゆく重くて嵩張るタイプのシュラフだが,快適性という点では山行シュラフよりも数段優れている。
短い眠りの間に,よく夢を見る。愉快で楽しい夢はほとんどなく,だいたいが仕事がらみの,何かに追われるような,セカセカした辛気くさい夢ばかりだ。例えば昨日など,地方での現場調査を終えた帰路,夜の最終列車にタッチの差で乗り遅れてしまい,おまけに運の悪いことに,現地でもう一泊するだけの金を持ち合わせておらず,さらに,翌日には別の仕事でまた違う地方へ行く必要があり,はてさてどうしたものかと,人気のない地方駅の暗い改札口の前でひとり途方に暮れてしまった。そんなナサケナイ夢。 また数日前には,山奥の谷間の斜面にへばりつくようにして急崖を慎重に下っている自分がいた。はるか数10m下方を流れる渓流の畔までゆかねばないのだ。足元の岩礫は不安定で覚束なく,一歩一歩が冷や汗ものだった。とその時,私の脇を1匹の猫が転げ落ちるように下っていった。よく見れば,何とミーシャではないか! 手を差し伸べてやることも出来ないまま,一瞬のうちに視界から消え去ってしまった。A la recherche du chat perdu! そんなセツナイ夢。
養老先生によれば,睡眠とは日々蓄積されている脳内エントロピーを御破算にする重要なリフレッシュ作業であり,夢はその作業中における気紛れな副産物であるという。ホントカネ?
ときどき,寝袋のうえに覆い被さるようにして眠りを妨げるものがある。何だ?誰だ?アキラだ!間違いない! そしてその安眠妨害者は,私の耳元で「元気の素,ちょうだ~い」,「DS貸して~」,「パソコン使っていい?」などと,小声で繰り返し囁くのだ。一風変わった目覚まし時計だが,悪い夢でうなされて起きてしまうよりは,ま,数段心地よい目覚めであると白状せざるをえない。恐らくそのうち,父の夢の中にまでアキラは入り込んでくるのだろうな。
てなわけで,本日の仮眠はこれにて終了。