先日,ある所である人から「全身モンベル,ですねぇ... 」と言われた。他ならぬ私の「身なり」についてである。そのとき私は,上着に紺色のゴアテックス・レインジャケット,その下のシャツはラクダ色の長袖ラグビージャージ,ズボンはネズミ色のナイロン耐久撥水性ズボン,さらに手に嵌めていたグローブはやや厚手のMTBグローブであったが,それらのいずれもがMont-Bell製品だった(いや,タマタマ,ですけどネ)。さらに,そのとき乗っていた自転車のフロントバーには,やはりモンベルの防水性ツーリングバッグがしっかりセットされておりました。なお,自転車本体は残念ながらモンベルではなくジャイアントGIANTの廉価MTBでございました(モンベルは自転車は売り出さないんかぃ?)。 ま,見る人が見ると少々,というよりもかなり偏屈的かつ味気ないコーディネイトであるのかも知らんが,こちらとしては取りあえず自分の手持ちの衣類をテキトーに身につけているに過ぎないのでありまして。。。
それにしても,「全身モンベル」なんて,そんな慣用句があるのか? と,家に戻ってからネット検索してみたら,あれま,結構出てくるわ出てくるわ。要するに,そこらの小僧どもが昨今賑々しい中高年ジジババ登山者たちの姿格好を小バカにした言い方らしい。毎度お馴染み,自分以外はみんなバカ,ってメンタリティから発せられた表現なわけだ。はいはい,そりゃワタクシとてアウトドア・ジジィの末席を汚す者として,押しも押されぬ全身モンベルの「痛い」格好でございますよ~,だ。
ちなみに,私が昨今主流の正統的「モンベル・マジョリティ」と些か異なるところは,現在私が所有し日々身につけているモンベルの衣類はいずれもかなり年季の入って草臥れた,すなわち限りなくボロ着に近いモンだというくらいだろうか。いちばん最近に購入したものでも多分10年くらい前,古いものになると20年以上も前に買ったように思う。確認できる最も古いものとしては,灰色の薄手ジャンパーがある。それは私ども家族が当盆地に転居する前,県央の大和市に住んでいた頃のもので,当時,まだ1才かそこらの長男をベビーカーに乗せて引地川沿いの遊歩道をノンビリ散歩しているときのスナップ写真に そのジャンパーを身に付けている私がシッカリと写っているのでありました。それを今でも春・秋のシーズンに時々着ている。表地は薄手のナイロンで,ポリエステル?の裏地が付いている。品名など既にわからなくなっている。ヴィンテージか? いや,単にボロ着に過ぎないとは思うんだけれども,いずれにしろ「持ちがいい」製品であるというのは,今になってみれば大変に有難い。
現在手元にあるもの以外にも,実際には ここ数十年のあいだに[SINCE 1975]かなりの数のモンベル製品を購入し,各地のフィールドワークにおいて,そして日々の暮らしのなかで「着倒した」あげく,それらの少なからぬものを泣く泣く廃棄処分にしてきた。その数は一体どれほどになるだろうか。。。
ああ,「衣」に歴史あり。 (つづく)