積極的参加型マーケットという「文化」

　「文化の日」の昨日，市立運動公園及び水無川河川敷公園一帯で行われた《市民の日》の催しに家族で出掛けた。正確には，朝8時45分に母が一足先に自転車で出発し（要するに一人きりで思う存分フリーマーケット漁りをしたいがため），タカシとアキラと父の3名は遅れて10時少し前に車で家を出た。その後，現地にて合流という段取りである。

　この《市民の日》は《たばこ祭り》と並ぶ当市における二大イベントで，かなり広い会場の各所に所狭しとばかりに露店や展示物やイベントステージなどなどが林立し，老若男女を問わず人人人の大群集が終日にわたり右往左往することとあいなる。来場者数延べ12万人（推定），市の総人口の約７割方がこのお祭りに集まったものと思われた（あくまで個人的推定ですが）。

　《市民の日》が《たばこ祭り》と決定的に違うところは，水無川に沿ってズラリと並ぶ「お店」の形態が全く異なるという点だ。すなわち，後者はプロのテキ屋さんによる屋台店が川沿いの舗道に100軒以上も延々と連なるのだが，前者は一般市民によるフリーマーケットのお店（これを「私の個店」と称する）が，河川敷の公園に100軒以上もびっしりと連なる。かように両者の性格は異なり，またいずれも玉石混淆ではあるが，どちらも非常に魅力的な店舗展開ではある（特に子供らにとっては）。当然，後者に比べて前者の商品単価は安く，逆にヴァリュー・フォア・プライスは概して高く，そのことは子供の親にとっては非常に好ましい。人混みに呑まれるようにして河川敷の遊歩道をゆっくりと歩いてゆけば，ある店では知った顔の近所のオジサン，オバサンがそれぞれに趣向を凝らした手作り品や古着やガラクタを展示販売していたり，また別の店ではやはり見たことのある子供がいらなくなったオモチャや本などを売りに出していたり，あるいは，仲間同士が少々商売っ気を出して焼きソバや焼き鳥や綿菓子を売っていたりと，実に楽しい“お祭り"プロムナードである（なかにはセミプロのフリー・マーケッターも一部混じっているようだが，それはご愛敬）。多分，マーケットという社会集団の形態，それもみんなでワイワイ楽しくやる積極的参加型マーケットという形態のなかに「文化」ってものの基本があるのだろう。おかげで，タカシやアキラは合計20あまりのお店で飲んだり食べたり買ったり遊んだりして，みな大満足でありました。

　家に帰って父の万歩計を見ると，何と1万5千歩余りをカウントしていた。疲れはしたが，それは心地よい疲れであった。来年はウチもお店を出してみようかなぁ，なんてね。