以下の出来事は内容が少々アカラサマなだけに当ページに記していいものかどうか若干躊躇する気持ちも多分にあるのだが,ええぃ,思い切って書いておくとしよう。子供にとって,悲しく辛い出来事もひとつの貴重な経験であり,その経験は,本人のみならず親にとっても明日への糧として生かしてゆく必要があると思われるゆえ。
実は本日,学校からの帰り道にタカシは“ウンチをオモラシ”してしまった。予定なら3時前には家に帰ってくるはずが3時を過ぎてもなかなか帰らないので少し心配していると,3時20分頃になってやっと,大声で泣きながら家に戻ってきた。そして,途中でウンチが出ちゃったよー,と声を震わせて泣きながら話し,さらにヒックヒックと泣き続けるばかりであった。見ればズボンにはウンチがべったり,手のひらにも,そして上着の方までにも点々と付着している。当然,その匂いも全身から強烈に発散されている。取り急ぎ,母が風呂場に連れていって衣服を全部脱がせ,全身を丹念によーく洗い流した。
ひと段落ついた後で改めてタカシから話を聞いてみれば,帰り道,東田原神社の近くでオトモダチと別れたあたりからオナカの具合が悪くなって何やら我慢できなくなり,そのすぐ後,突然に気がつかないうちにオモラシしてしまったらしい。どうやら下痢気味であったようだ。
説明しておくと,タカシの通う小学校から我が家まではタカシの足で徒歩約40~45分,そのうち東田原神社はほぼ中間点付近に位置する。つまり,オモラシしてから家まで約20分の長い長い道のりを,ウンチべったり状態で泣きながら歩いてきたことになる。それはタカシ自身にとって非常に悲しく辛く心細い体験であったと思う。恐らくミジメとかカッコワルイとかいう感情を抱く余裕すらなかったのではないだろうか。
もともとタカシは大変にシャイな子である。他人に話しかけたり,何かを尋ねたり,ましてや見知らぬヨソの人に何かをお願いしたりすることなど,とても出来ない子である。さらにタカシは不器用で応用のきかない,生活力に欠ける子である。とっさに道端の繁みや畑の隅などで用を足すことなど,とても考えつく子ではない。それゆえに,ひとり泣きながら,ただひたすらに家を目指すしかなかったのだろう。その姿を想像するだに,不遜な例えであるかも知れぬが,少し前に美智子皇后が講演で語っていた“子供の悲しみ”,そんな不易流行の思いを改めて強く感じずにはいられない。でんでん虫の悲しみ,大事な1マルクを失くした子の悲しみ,それはまるで世界が足元から崩れ落ちるような悲しみだったろうか。
多分,泣きながら家路を急ぐその途中でタカシを見知っている何人かの人とすれ違ったのではないかと思うが,本人は周囲の景色やすれ違う人などまったく目にも入らず,ただただ一目散に夢中で歩いていたのだろう。それでも,ドラッグ・ストアの前あたりで知らないオジサンに「急いで家に帰りなさいね」と声を掛けられたそうだ。その優しいオジサンに親として心から感謝したい。
その夜,父は学校から家までのルート地図を紙に書いてタカシに見せた。そうして,途中途中に主要ポイントをチェックして示しながら,「もし今度,途中でしたくなったら,あんまり我慢していないで,ここかここか,それともここかここあたりで,するんだよ」と,今後の対応策について細かいシミュレーション指導を行った。当人はウンウンと,なかば上の空で聞いていたようだったが。ま,立ち直りが早いのはタカシの取り柄でありますが,それにしても大丈夫かなぁ。
実は本日,学校からの帰り道にタカシは“ウンチをオモラシ”してしまった。予定なら3時前には家に帰ってくるはずが3時を過ぎてもなかなか帰らないので少し心配していると,3時20分頃になってやっと,大声で泣きながら家に戻ってきた。そして,途中でウンチが出ちゃったよー,と声を震わせて泣きながら話し,さらにヒックヒックと泣き続けるばかりであった。見ればズボンにはウンチがべったり,手のひらにも,そして上着の方までにも点々と付着している。当然,その匂いも全身から強烈に発散されている。取り急ぎ,母が風呂場に連れていって衣服を全部脱がせ,全身を丹念によーく洗い流した。
ひと段落ついた後で改めてタカシから話を聞いてみれば,帰り道,東田原神社の近くでオトモダチと別れたあたりからオナカの具合が悪くなって何やら我慢できなくなり,そのすぐ後,突然に気がつかないうちにオモラシしてしまったらしい。どうやら下痢気味であったようだ。
説明しておくと,タカシの通う小学校から我が家まではタカシの足で徒歩約40~45分,そのうち東田原神社はほぼ中間点付近に位置する。つまり,オモラシしてから家まで約20分の長い長い道のりを,ウンチべったり状態で泣きながら歩いてきたことになる。それはタカシ自身にとって非常に悲しく辛く心細い体験であったと思う。恐らくミジメとかカッコワルイとかいう感情を抱く余裕すらなかったのではないだろうか。
もともとタカシは大変にシャイな子である。他人に話しかけたり,何かを尋ねたり,ましてや見知らぬヨソの人に何かをお願いしたりすることなど,とても出来ない子である。さらにタカシは不器用で応用のきかない,生活力に欠ける子である。とっさに道端の繁みや畑の隅などで用を足すことなど,とても考えつく子ではない。それゆえに,ひとり泣きながら,ただひたすらに家を目指すしかなかったのだろう。その姿を想像するだに,不遜な例えであるかも知れぬが,少し前に美智子皇后が講演で語っていた“子供の悲しみ”,そんな不易流行の思いを改めて強く感じずにはいられない。でんでん虫の悲しみ,大事な1マルクを失くした子の悲しみ,それはまるで世界が足元から崩れ落ちるような悲しみだったろうか。
多分,泣きながら家路を急ぐその途中でタカシを見知っている何人かの人とすれ違ったのではないかと思うが,本人は周囲の景色やすれ違う人などまったく目にも入らず,ただただ一目散に夢中で歩いていたのだろう。それでも,ドラッグ・ストアの前あたりで知らないオジサンに「急いで家に帰りなさいね」と声を掛けられたそうだ。その優しいオジサンに親として心から感謝したい。
その夜,父は学校から家までのルート地図を紙に書いてタカシに見せた。そうして,途中途中に主要ポイントをチェックして示しながら,「もし今度,途中でしたくなったら,あんまり我慢していないで,ここかここか,それともここかここあたりで,するんだよ」と,今後の対応策について細かいシミュレーション指導を行った。当人はウンウンと,なかば上の空で聞いていたようだったが。ま,立ち直りが早いのはタカシの取り柄でありますが,それにしても大丈夫かなぁ。