ISIの上にも30x年

映画を見た時の感想を入れときます

2013/12/15「ゼロ・グラビティ」

2013-12-15 00:00:00 | 日記

 本作は宇宙飛行士が宇宙に取り残される話。
それで連想したのは、まず007は二度死ぬ。
かの作品の冒頭で、宇宙飛行士が敵に命綱を切られ、
宇宙に放り出されるシーンがあり、印象に残った。
なぜなら撃たれたりしたのと違い、この局面で犠牲者はすぐには死なず、
でも手の打ち様はなく、死ぬしかない絶望的状況だからだ。
本作はこの宇宙飛行士を主役に据えた訳。
もう1作連想したのはオープンウォーター。
海に取り残された主人公を描いた作品で、
その実験的な試みは評価すれど、見せ場の弱さがあって、あまり面白くなかった。
本作も同じ設定と言えるが、評判はいいらしい。
海ならたまたま船が通りかかる可能性もあるが、宇宙でそれは無理。
いったいどう見せ場を作り、
どう帰還しようとするのか(失敗するとしても)見てみないとわからないので見た。

ライアン・ストーン博士 科学者(サンドラ・ブロック)
コワルスキー 船長(ジョージ・クルーニ)

 冒頭から宇宙空間。
次第にカメラが寄り、シャトルの周囲で飛行士が作業しているのがわかる。
ストーン博士はアンテナを設置する作業中。
コワルスキー船長はシャトルの周囲をぐるぐる宇宙遊泳し、
誰も聞いてない小話みたいなネタを延々と話している。
このフライトはいやな予感がするとも言うが、これは彼得意のネタらしい。
宇宙遊泳の新記録を樹立したいとも言うが、予定ではそこまで作業は続かない。
そんな中、ヒューストンから連絡が。付近でロシアの古い衛星が爆破されたとの事。
破片が飛来するが、ストーン博士らには影響ないはずだ。
彼女が設置したアンテナはうまく作動せず、いろいろ試すが、
ヒューストンから新たな連絡が入る。
破壊された衛星の破片は、別の衛星を巻き込み、予想外の方向に広がっているのだ。
彼らのシャトルも危険だと、作業中止の命令が出る。
だが、ストーン博士はもう少しやりたいと言って、退避が遅れる。

 ようやく退避しようとした時、無数の破片が飛来。
シャトルを直撃し、ストーン博士はアームにつながったまま振り回される。
コワルスキーはワイヤーを外せと言うが、振り回されててままならない。
ようやくワイヤーをはずすと、反動で飛ばされ、
くるくる回りながら、シャトルから離れてしまう。
彼女の背負ってるジェット噴射する装置は、残り燃料がなくて何ともならない。
通信も途絶えたかに思えたが、不意にコワルスキーに助けられる。
彼がジェット噴射してかけつけたのだ。
何とかストーン博士の体勢を安定させ、シャトルに戻る事に。
同じく宇宙空間にいた飛行士は死亡したらしく、遺体を回収しろと言うコワルスキー。
見ると、何かが貫通したらしく、飛行士の顔半分がなくなり、向こうが見える状態だ。
シャトルも損傷して、使い物にならない。中には別の死体が。
生存者はストーン博士とコワルスキーだけ。地上との交信もできない。
しかも30分すると、次の破片が飛んでくるのだ。
ストーン博士は、自分が退避するのが遅れたからだと、責任を感じる。

 一方コワルスキーは生還するための作戦を考える。
見える場所に、ロシアの基地があるため、そこまでジェット噴射で向かうのだ。
そこにあるソユーズも損傷しており、大気圏突入は無理。
だが、ソユーズでさらに先にある中国の基地まで行けば、地球に帰れると言うのだ。
ストーン博士はソユーズのシュミレーションをした事はあるが、
着陸は苦手だったと言う。
コワルスキーがジェット噴射し、ストーン博士が引っ張られて移動。
道中、家族について聞かれると、
子供がいたが4歳の時鬼ごっこで転んで死んだと言うストーン博士。
博士自身の名前はライアン。親が男の子を欲しがっていたのだ。
彼女は酸素を消費し過ぎて、残りわずか。
コワルスキーはいいニュースと悪いニュースがある時言う。
いいニュースは、ジェット噴射はロシア基地までぎりぎり持ちそうな事。
悪いニュースは、宇宙遊泳の新記録は樹立できないと言う事。
何とかロシア基地に到達するが、ストーン博士のタンクには酸素がもうない。
マスクの中にも酸素が残っていると、何とか持ちこたえている状況だ。
なかなか基地に入れず苦戦していると、反動で2人とも飛ばされる。
ストーン博士の足にケーブルみたいなのがひっかかり、コワルスキーの手をつかむ。
コワルスキーはこのままでは共倒れだと、手を離す。
ストーン博士はすぐ助けに行くと言うが、来るなと言うコワルスキー。

 ストーン博士は酸欠で頭がくらくら。何とかエアロックへたどり着き中へ。
宇宙服を脱いで、コワルスキーに通信するが、応答がない。
出発してからずっと話してたのに、今さら黙り込むって何よ、
毛むくじゃらの男がどうなったか教えてよと言うが、やはり応答はない。
そうしていると、基地内に火災警報が鳴る。
ストーン博士は消火器を持って向かうが、火は広がって効果がない。
やむなくソユーズに乗り込み、基地を離脱する事に。
マニュアルを見ながら操作し、何とか基地を離れるが、
開いてしまったパラシュートが引っ掛かり、進めない。推力を上げてもダメだ。
仕方がないと、再び宇宙服を着て船外へ。
パラシュートを手ではずす作業をするが、そこへ再び無数の破片が。
ストーン博士の背後で、無音で大破する基地。宇宙なんて大嫌いと叫ぶ。
再び宇宙船に戻り、点火するが反応がない。
先ほどじたばたした際に、燃料が空になったのだ。
絶望するストーン博士に、何語かわからない通信が入る。
他国の宇宙船かにも思えたが、犬の鳴き声が聞こえ、地上からだとわかる。
地球はさほど遠くはないのだ。
通じているかわからないが、話しかけるストーン博士。
人間は必ず死ぬけど、私は今日死ぬの。死ぬのがわかっているのってつらい。
続いて、赤ん坊の泣き声が聞こえるように。赤ちゃんがいるのね。
子守唄を聞かせてと言って、自ら酸素を抜いて、静かに眠ろうとする。
娘にもうすぐ会える。静かに寝かせて。

 不意にノックの音がして、外に誰かがいるのに気づくストーン博士。
救助がかけつけたのか?そういう結末か?
その人物は、ストーン博士が宇宙服も着ていないのにエアロックを開け始めた。
空気が漏れたりしないんだっけ?と思っていたが、その人物は宇宙船に入ってきた。
どうやら平気らしい。
そしてマスクをはずすと、何とそれはコワルスキーだった。
えぇーーー!?
これぞハリウッド映画?
地球一周してきたとか?結局、2人で生還する訳?
台無し感が生まれる中、予備タンクを忘れてたと、
宇宙遊泳の新記録を樹立したよと、しれっと言うコワルスキー。
酸素の流出を止め、宇宙船を動かそうとする。
ダメなのよ、燃料がなくて、出来る事はやったと言うストーン博士。
必ず解決策はあるものさと言うコワルスキー。
推進の燃料がなくても、中国基地を月面に見立てて、着陸の操作をすれば良いと言う。
着陸は苦手だと言ったでしょと言うと、
隣にコワルスキーの姿がない事に気づくストーン博士。それは幻覚だったのだ。
だが、幻覚のコワルスキーに励まされたストーン博士は、
もう後ろ向きにはならないと、がぜんやる気を出す。
娘によろしくねとコワルスキーに別れを告げる。

 着陸船を切り離し、着陸用の噴射で中国の基地へ到達。
船外に出たストーン博士は、
消火器をジェット噴射代わりに方向を調整し、エアロックへ到達。宇宙船に乗り込む。
同じソユーズだが、パネルは中国語でわからない。
訓練はしたのだが覚えていないのだ。どれにしようかなと、適当にボタンを押す。
最初は違っていたが、いくつか押すと、正解だった様で、地球に向けて動き出す。
このフライトはいやな予感がすると、コワルスキー流の軽口も飛び出す。
宇宙船は大気圏を突入。探知した地上から通信が入るが、交信は出来ない。
すぐに救助に向かうと言っているが。
宇宙船は着水。ハッチを開けると浸水してきたが、
宇宙服が邪魔になって、なかなか脱出できない。そこで宇宙服を脱いで船外へ。
近くにカエルが泳いでいるから、海ではなく湖らしい。どこの国かはわからない。
意外に近くにあった岸まで泳ぎ、陸に立つストーン博士。
彼女はついに帰ってきたのだ。

 と言うわけで、本作は冒頭から宇宙空間を描写。打上げシーンとかはない。
宇宙空間で作業するサンドラ・ブロックと、
宇宙遊泳の新記録を目指すとか言って話し続けるジョージ・クルーニ。
ロシアの衛星が爆破されるが、これが予想外の影響を及ぼし、サンドラらも危険に。
避難するが間に合わず、大量の破片を受け、シャトルは大破。
サンドラとクルーニ以外は死亡する。
命綱が切れたサンドラは放り出されるが、クルーニが救出。
クルーニは地球へ帰還するための妙案を出すが、そうそううまくは行かず。。。
クルーニも途中降板し、後半はサンドラが一人で奮戦する話になる訳。
実際にあったら、さすがに生還できないだろうとは思うが、
サンドラは絶望したり、奮起したり、やけくそになったりして帰還のために行動する。
やや短めの作品に、派手な見せ場を盛り込み、
死を覚悟していたサンドラが、最終的に生きる事を選ぶ展開はなかなか感動的。
オープンウォーターと同じ話を、面白く見せる事に成功している。
さらに言えば(ここが一番重要)、このサンドラの奮戦ぶりを、
まるで宇宙でロケしたような映像は、もはや驚異としか言い様がない。
これがチープな特撮だったら、作り物と言う印象が前面に出てしまっただろう。
今はこんな映画作れるんだねと感服しました。
なお出演者は2人と思ったら、エンドクレジットで管制官役のエド・ハリスに気付く。
まあ、吹替えで見たからわかんないんだけど、ちょっと洒落がきいてるね。
アポロ13とアルマゲドンでも管制官やってるし。
(アルマゲドンはビリー・ボブか。。)
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2013/12/15「ナチョ・リブレ 覆面の神」

2013-12-15 00:00:00 | 日記
「ナチョ・リブレ 覆面の神」

イグナシオ ナチョ(ジャック・ブラック)
スティーブン ヤセ。ナチョの相棒。元ひったくり
シスター・エンカルナシオン 修道院の先生
チョンチョ 修道院の少年
ラムセス 最強のレスラー
ラモン ラムセスのプロデューサー
呪術師 (プリズンブレイクのアブルッチ)

 修道院で育ったナチョは、大人になって調理係に。
子供たちに満足な料理を与えられない為、
町で出会ったひったくりと組み、レスラーとしてリングへ。
試合には敗れるが、ファイトマネーが意外に高いと知る。
ナチョは子供の頃からレスラーに憧れていたが、シスターはニセの英雄だと否定的。
何度も試合に出る内、勝ちたいと思うように。
修道院の皆にレスラーをしているとばれるが、
試合に勝って子供たちを遠足に連れていくと約束。
バトルロイヤルで勝ち進むが、最後の1人にやられてしまう。
失意のナチョは修道院を出る事にするが、
1位の選手が負傷したため、チャンピオンのラムセスと戦える事に。
試合では苦戦するが、応援に来たシスターに気付いて反撃。
ついに勝利し、子供の遠足が実現するのだった。

 と言うわけで、ちょっとマニアぽいジャック・ブラックが、
今度はプロレスラーに挑戦。彼は修道院出身で、今も食事係として住み込んでいる。
だが、貧しい修道院では子供たちにまともな食事も出せない。
そこで、ひったくりの青年と組んで、レスラーで稼ぐ事に。
意外に高いファイトマネーがもらえるが、
修道院ではプロレスは良くないスポーツとされていたため、
覆面レスラーとして顔を隠す事に。
後は、お約束の展開で、チャンピオンとの対決で勝ったりするが、
決め手はシスターや子供たちが応援してくれたからと言う事か。
ヒロインたるシスターは堅いタイプだが、ちょっとだけジャックに気を許す。
この「ちょっと」の加減が絶妙。
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