平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

異次元のマリア・エステル・グスマン

2011-05-21 22:55:54 | 芸術
 コンサートに行ってきました。やはり異次元の天才ギタリストでした。

 ギターとは思えない音。時にはリュートのように、時には東南アジアの弦楽器のように、多彩に変化する音色。しかし、そのような技巧は彼女の本質ではなく、あくまでも音楽に豊かさを加える余裕です。

 演奏前だけではなく、演奏中にも調律を変え、納得が行かなければ演奏を中断にして楽屋裏でチューニング。この厳しさから奏でられる音は極限まで柔らかく、そして音楽に深みを与えています。僕は彼女のシャコンヌを「アダムとイブの時代から存在するようだ」と評したことがありますが、真の芸術だけが醸し出す、時間を超越した空間が出現します。

 今日はバッハのBWV1034が良かったけど、アンコールで弾いた『アルハンブラ宮殿の思い出』も最高でした。日本で出した『タレガ賛歌』に収録されているものは、宮殿のイスラム式モザイクに池の光が当たる光景だとしたら、今回のはそれに木漏れ日や風によるさざ波が作る、光の乱反射が加わった光景を連想させる出来栄えです。絵画にたとえるならモネの傑作しかありません。

 彼女の演奏は、余りにも繊細で柔らかいために、既製の録音機では収録は無理だと感じました。マイクやマイクアンプの設計から始めて、超高感度で歪のない収録システムを開発する必要があります。CDには1/10も音が入っていないと思います。最後に、彼女の代表作『エモシオン』にサインしてもらってホルホルでした。

 なお、明日はオークスなのでマルセリーナからハブルバブル、グルヴェイグなど、ディープの子供に注目です。穴だと、母がセンスオブアートのアカンサスかな。

      エフライム工房 平御幸
コメント (2)
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