平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

高みの極み

2014-06-16 12:29:25 | Weblog
 サッカーのワールドカップが始まり、日本のレベルの低さが露呈されました。競馬で言えば不良馬場で細かいパスには不向き。前へ前へとパスを出し、両サイドからシンプルに攻めるサッカーが不良馬場での基本。それを良馬場と同じように考えている時点でアウト。

 ゴール前のスペシャリストの香川は、スピードを生かせない馬場では不必要。しかも、決定点となった相手のセンタリングから逃げるチキン。体を張って止めろよ。予選リーグ落ちは仕方ないけど、少しは意地を見せないと底抜けにみっともない。

 日本選手を見ていて一番腹が立つのは、目が死んでいること。強がりの目はしてますが、強がりではなく、本当に厳しい強さを持った目ではありません。日常の厳しさ欠如が感じられる甘ちゃんの目ばかりです。

 試聴会でカラヤン指揮の「ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲」を聴いてもらいましたが、ソロのアンネ・ゾフィー・ムターの回顧によると、カラヤンは良い演奏の後でまた練習させたそうです。いわく、次はもっと良くなると。ムターの前では厳しさを全面に出したカラヤンは、彼女にとってユーモア的ではなかったそうな。

 カラヤンの名盤では、ウィーンフィルを指揮したチャイコフスキーの悲愴も良いですが、最近はカラヤンの不満というか、彼にとっての高みには到達していない無念さのようなものも少し感じています。彼にとって、もっと美しく、もっと優しく、もっと激しく、もっと情熱的にと、オケのメンバーに語りかけているようです。そして、この言葉にならないメッセージこそ、彼の最大の遺産であると思いました。

 もっと高みを…

 そうすれば、生きたまま天に召されるかもしれませんね。

     平御幸(Miyuki.Taira)
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8 コメント

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Unknown (れい)
2014-06-16 15:28:07
先生こんにちは。

才能を少しでも頂いたなら、折角なのだから更に努力して少しづつでも上を目指し続けないと、と思っています。カラヤンも、ムターならもっと出来るようになると考えて厳しく接したのでしょうね。
私もしたいことが沢山で1日の時間が足りない…というより効率をもっと良くしないと、と思っています(^^;
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れいさんへ (平御幸)
2014-06-16 17:25:24
れいさんこんにちは。

諦めるって、本当に努力した人の特権なんですよね。努力しない人は逃げるだけで、これは諦めるとは言いません。

若いのに芸術に飢えてない人を見ると、冷たい滝壺に放り込みたくなります。少しは神経が目覚めるかもしれません。鈍感は犯罪に等しい orz
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Unknown (スイカ)
2014-06-17 07:37:31
先生、おはようございます。
周りを見ても、若い人は目が死んでると思います。
厳しさを持って、若い神経を取り戻したいですm(__)m
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Unknown (ひなた)
2014-06-17 08:34:41
平先生おはようございます。

不景気のせいもあるかもしれませんが、最近は進学も地元国公立志向、就職も一番人気が地方公務員(文系は)だったりして、若者が全体的に内向き傾向な気はします。金持ちになりたいわけではないけどそこそこ稼げて安定してるのが一番…という感じです。80代でもパソコンやケータイについて新しく学んでどんどん使いこなしているお年寄りもいますので、若者が「〇〇だからできない」と言っても全部言い訳だと思います、自分も含め。自分も「こんなのできるわけない」と最初から諦め…でなく逃げるのはやめて、どんどんチャレンジしていきたいです。
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スイカさん、ひなたさんへ (平御幸)
2014-06-17 10:16:33
スイカさんおはようございます。

芸術の神様は、賽の河原の鬼よりも厳しい。しかし、与える祝福は最高のものばかり。積んだ石を崩されて泣くようでは論外です。自分から崩すくらいでないと。

ひなたさんおはようございます。

太宰治が聖諦という表現をしましたね。

若い女の子は男の目を見て品定めするから、目が死んでいるキモオタロリコンではモテるのは難しい。ロリコンでもいいけど、目がギラギラするほど自分を磨けと。渋谷交差点の痴漢のように危ない方でギラギラしてるのは通報でタイ━━━━||Φ|(|゜|∀|゜|)|Φ||━━━━ホ!!。
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Unknown (ほんと)
2014-06-17 12:17:24
先生こんにちは。

自分に厳しくあるということは難しいことだと実感しています。

名古屋の試聴会で、言葉は正確ではないかもしれませんが、厳しいから優しい絵が描ける、優しいだけでは優しい絵は描けない、という先生のお話が心に残っています。
自分に厳しく覚悟のある人が、本物の表現者になれるのだと思いました。
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Unknown (ひなた)
2014-06-17 12:28:52
先生からいただいたコメントについての補足です。リンクを貼るのは初めてなのでうまくいっていなかったらすみません。


【青森県近代文学の名品】
Vol.53 太宰治・書軸「聖諦第一義」

http://www.plib.pref.aomori.lg.jp/top/museum/meihin_53.html

「太宰治の『お伽草紙』」

http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/card307.html
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ほんとさん、ひなたさんへ (平御幸)
2014-06-17 12:55:58
ほんとさんこんにちは。

絵は0.1mmの線で表情が変わることもありますから。厳しくないと、積み重ねの末に全体が崩れてしまいます。

神様にこれでよいかと伺うと、ダメ押しされるのが芸術の世界です。褒められるのは大変です。

ひなたさん

それですね。

「真の上品(じょうぼん)といふのは聖諦の境地さ、ただのあきらめぢや無いぜ、わかるかね、批評なんてうるさいものは無いんだ、無限に許されてゐるんだ、さうしてただ微笑があるだけだ、わかるかね」

この境地に入ることが許される人は少ないようです。
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