平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

ファ・ゴッドの製作 その2 製作編

2014-05-15 06:57:41 | スピーカー工作
 ファ・ゴッドは板が反りやすい12mm厚シナ合板を使っているので、組み立てには神経を使います。板の厚みも誤差があって完璧に設計図通りは無理なので、どこかに逃げを作る必要があるのですが、今回は不安定にならないように、床と接する底板を優先的に決めました。

 最初に底板を側板に合わせる。次に裏板を側板と底板に接着させるのですが、裏板が計算より長く、天板が1mmほど飛び出てしまいます。そこで、後で作った方は底板の一枚目をカッターで削って薄くしました。

 裏板の次は天板と、それに接着してある、煙突部分の前板に当たる長い板の接着。これは、サブバッフルの位置にも影響をあたえるので、木片のガイドを2カ所に接着。これも、ガイド接着したときはピッタリだったのですが、本接着の時はなぜか前板が少し出っ張ってしまいます。ガイドはピッタリではなく0.5mmほど緩くしたほうが良さそうです。



 次はサブバッフルですが、画像のようにハタガネとクランプで締め付けます。作業するときは、コンクリ板やレンガを縦に並べて隙間を作り、側板の下にクランプが入りやすいようにします。空気室の天板を優先的に位置決めします。下のホーン開口は誤差を吸収するための逃がしでもあるのです。






ガイドの入れ方
今回は板が内側に反っていたので内側にガイド
外に反っていたら外側に接着する



裏板の補強

 端子にケーブルを接着した丸環を嵌めてナットを締めて下準備の完了。画像でわかるように、今回は音道を貫通させたケーブルが紅白で逆で、端子までは交差する形になりました。人間の神経も脳に到達するまでに交差しているので問題無いですが。







 最後に側板を接着し、空気室に吸音材を入れて、バッフルを嵌めてネジ止め。ユニットを取り付けて完成です。




バッフルをネジで固定

 音ですが、ホーンの広がり率を低くして40Hzまで再生させようという設計意図のままに、40Hzがギリギリで再生できます。ただし、その上の50Hz近辺は少し中だるみ。これはスピーカーの特性なのか部屋のせいなのは分かりません。50Hzを豊かにするのなら、ホーンの広がり率を上げて、ホーン長も短くしたほうが良いのです。

 ファ・ゴッドは、55Hzを豊かに再生する小型バックロードホーンの音道を途中でカットし、低域再生限界を下に下げる、広がり率の小さいホーンを途中に加えた構造です。加えた部分が上に出っ張っている部分と考えて間違いではありません。奥行きの特に短いセッティング重視の設計にしては癖も少なく、重低音を欲張らない人には推奨品です。

 モーツァルトのクラリネット協奏曲(シア・キングのバセットクラリネット)は繊細で透明。少しだけ共鳴音がありますが気にならない程度。フルートの名曲は雰囲気がよく出ます。意外に良かったのが、サイモンとガーファンクルのサウンド・オブ・サイレンスと、煙突の出てくるメリー・ポピンズのサントラ。発音がよく聞こえます。

 バッフルは交換式なのでネジ止めですが、交換予定のない人はネジを使わないで接着したほうがルックスは断然良いです。ただし、ネジ隠しにコルクを貼ることが前提なので、コルクを貼った方が高級感が出るかもしれません。

    エフライム工房 平御幸
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ほんと)
2014-05-15 23:27:24
先生こんばんは。

ファ・ゴッドの製作お疲れ様です。

四角い物もなかなか完璧に作れませんが、複雑な形の物は注意点がたくさんあると思いました。
優先順位の決め方やコードの通し方、補強やクランプ・ハタガネの使い方等、いろいろ勉強になります。
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ほんとさんへ (平御幸)
2014-05-15 23:45:18
ほんとさん今晩は。

メーカーにノウハウがあるように、ノウハウの積み重ねが一番大事です。作ってみないと難しさも創意工夫の奥義も分かりません。

僕の場合にはメーカーのようにカットアンドトライが出来ませんから、設計段階でシミュレーションすることで経験値を補っています。
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Unknown (かたつむり)
2014-05-17 01:59:24
先生、こんばんは。

スピーカー制作お疲れ様です。
板の枚数が増えると大変そうです。。。
それを踏まえ最初から逃げをどうするかとか優先順位を今までと変えてみるとか考える事が沢山ですね。
道のりは遠いですorz
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かたつむりさんへ (平御幸)
2014-05-17 05:16:01
かたつむりさん今晩は。

スピーカー設計は、構想とラフスケッチと板取りの順で煮詰めていきます。ラフスケッチの段階で実現可能かどうかわかります。

長岡鉄男氏は漫画家として、製作記事の横にイラストも載せていましたが、やはり絵を描く事の出来る人が良い設計の近道にいると思います。
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