平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

捨てることの大切さ

2014-04-04 19:55:21 | Weblog
 僕が知っている鬱病の人には、意外な共通点があります。それは持ち家に住んでいること。精神科の先生なら色々なケースに遭遇されるかもしれませんが、患者さんが借家なのか持ち家なのかまでチェックしているとは思えません。このへんに見落としがあるのではないか…。

 鬱病の原因は母親のプレッシャーにある。僕が確信を持つ理由に、鬱病独特の精神の殻が、幼児期のナルシシズムと直結しているということが上げられます。未来の母親の精神が安定している場合、生まれてくる前の胎児は、羊水の中で幸福なナルシシズムに浸っています。胎内的ナルシシズムと僕は命名しましたが、良い夢の中で目覚める前に似ています。

 しかし、母親の精神状態が悪い場合、胎児にもたらされるはずのナルシシズムは破壊され、悪夢の中で逃げ惑うのに似た不安の中に置かれます。このような胎児は生まれてくることを怖れ、生まれてからも自分を守るための殻を厚くしていきます。幼児期から成長期にかけて、この殻の厚みが限度を超えると光が届かなくなり、自分の殻の重みで潰れる鬱病が発症する。

 このようなメカニズムから、妊娠時の母親の精神状態が問われるわけですが、生まれた子を育てる過程でも、子供にプレッシャーをかけたり、逆に良い母親になろうと自分にプレッシャーをかけ過ぎたりして、結果的に子供の殻を厚くする方向へ導いてしまう。芸大の引き篭もり同級生の家は両親とも教師でした。

 定期的にテレビで話題になるゴミ屋敷は、捨てなければならない思い出を捨てられない人の病気が外に現れたものです。思い出を数え上げれば良いのでカウンセリングは楽のはず。でも、鬱病の人が強固に築き上げた対外的ナルシシズムの殻は厚く、他人が実力行使で割ることも出来ません。唯一の方法は、母親がプレッシャーを捨てて、あるいは自分をプレッシャーから解放して、精神的に自由になることです。

 そうすれば、鬱病の分厚い殻は割れるのではなく、酸に浸けた卵の殻が溶けるように消えて行くはずです。そこで最初の命題。持ち家と鬱病の関係。

 持ち家というのは、ヤドカリの貝殻のようなもので、自分を守るための砦ともなりますが、逆に言えば常に、家から束縛されるので牢獄ともなります。この不自由さがあるので、家を捨てて、あるいは家を失ってホームレスを経験すると、自由な天幕の下でなくては生活できない人も出てきます。

 定住の家を持たないロマ(ジプシー)、ベドウィン、イヌイット、それから多くの遊牧民族など、彼らの中に鬱病という近代病があるのだろうか。体験談として鬱病は贅沢病だと論じている元患者さんがいますが、結局は自由を失った生活が根本原因。自分に対するプレッシャーだろうが子供に対するプレッシャーだろうが、自由を失った瞬間に愛は消え去る。愛の三原則、「相手に関心を持つ、相手を自由にする、そのための自己犠牲」に照らすと、自由を失うことが愛の正反対にあると理解できると思います。

 自分の自由を束縛しているものは可能な限り捨て去る。家や家族を捨ててイエスに従った弟子。武士としての地位も家名も捨てて出家した歌人・西行。ここまで行かなくても、家の中からいらないものを放り出すことは必要です。僕は、東急ハンズ丸ごとや工場丸ごと欲しいので、絶対に鬱にはなりませんね。やりたいことが多すぎて、たまに引きこもらないと体が持たないかも。

 ということで、精神の地獄に堕ちた者が取る行動。

1. 憂さ晴らし→弱者や社会に復讐する
2. 地獄へ巻き添え→無差別殺人
3. 愚痴を言う→非建設的
4. 悪い仲間とつるむ→集団ナルシシズム
5. 平気で嘘を言う→神の目の軽視
6. 偽善→神を利用して人を欺く
7. 天につばを吐く→傲慢
8. 搾取→地位と権力の乱用
9. 言い訳→自分と他人への誤魔化し
10.努力の放棄→占いや開運グッズに走る
11.自己否定→自分から逃げる
12.偶像崇拝→タレントや政治家や有名人を崇める
13.中途半端→何一つ達成や完成をしない

 価値観を共有するために集まるのは良いけど、ナルシシズムを満たすために集まるのはダメなんですね。何かを作る人は、その精神の結実が形となる。出来上がりを見れば精神がわかるし、上達することで精神が奥深くなる。作ろうとしない者はスタートラインに立つことすら恐れているのです。もう少しで桜花賞ですが、スタートラインに辿り着くだけでも凄いことですね。

    エフライム工房 平御幸
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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (うずしお)
2014-04-04 22:27:36
先生こんばんは。
自由をなくしたら鬱になると分かりました、、、
自由を束縛しているものを捨て去れるように、
気を付けたいと思いました。
10番からを考えてみました・・orz
先生の以前のブログの、悪魔のゲマトリアを拝見しました。
責任から逃れる→無責任
相手に関心を持たない→無関心
人のものを盗む→強盗
何でも反対したりする→背く
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Unknown (gan_chan)
2014-04-04 22:32:07
先生、こんばんは。
興味深い説をありがとうございます。
鬱病のかつての友人は母親から虐待を受けたと言っていましたし、二人の知人男性は働き盛りで家を建てた後に自殺を図ったという共通点があったので、なるほどと思いました。

精神の地獄に堕ちた者の行動は、批判する、でしょうか。先の元友人はとにかく批判が多かったので…
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Unknown (つむぎ)
2014-04-04 23:58:06
先生こんばんは。
図星だらけで鬱になりそうです(笑)

「そうやって、一生言い訳しながら生きていくのか?」
という、ある小説の台詞があります。刺さりました。
口に出さないようにしていても、行動に出ていれば同じですよね。
正しい方に行動します。

因みに10番以降はわかりません><
「有名病」というのが思い浮かんだくらいです。
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うずしおさん、gan_chanさんへ (平御幸)
2014-04-05 00:06:34
うずしおさん今晩は。

今回の空白はクイズではなくて、良いカキコがあればそれで埋めていこうという魂胆です。前回に出たのと似たのは採用されません。

gan_chanさん今晩は。

役所広司と草刈民代の『Shall we ダンス?』のサブストーリーは、郊外にマイホームを買ってから帰宅が遅くなるサラリーマンがダンスの美人先生との精神的浮気をするというものでした。

これは旦那のプレッシャーの方ですが、戦後焼け野原世代に共通のものかもしれません。これがヒントになりました。

僕の仮説は、精神医学の専門家が臨床例を積み重ねることで、もっと踏み込んだ精神構造の解き明かしが期待できます。柔軟な考えの出来る若いドクターなら出来ると思いますね。
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つむぎさんへ (平御幸)
2014-04-05 00:17:49
つむぎさん今晩は。

また風邪気味 orz

有名病とは、有名人を特別視することでしょうか?それなら→偶像崇拝でランク入り出来ますね。

宴会要員でも神の宴席に連なっていれば堕ちることはありません。神に招かれなくなったら危険信号。素直な一つ返事が大切です。
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Unknown (つむぎ)
2014-04-05 00:37:52
私が使った「有名病」は、すぐ有名人に夢中になったり、有名人と繋がりがある事を自慢するタイプのことでした。
改めて問われて、「有名になりたい(持て囃されたい)」というのもあると思いました。

花冷えですからね。お身体お大事に^^
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Unknown (ほんと)
2014-04-05 00:41:40
先生こんばんは。

家や家族を捨てるというのは難しいことで、余程の覚悟がないとできないことだと思いました。

精神の地獄に堕ちた者が取る行動ですが、物を溜め込むや引きこもり以外で考えてみました。
・束縛する
・何かの依存症になる
・騒音をたてる、やかましい
・過食や拒食
・潔癖症
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つむぎさん、ほんとさんへ (平御幸)
2014-04-05 01:11:09
つむぎさん

それなら虎の威を借る狐の範疇ですね。他人の褌で相撲を取るのも同じ。

ほんとさん今晩は。

割れ鍋に綴じ蓋の共生関係というのがあります。どちらも病気で、お互いに依存して関係が成り立つ。精神の地獄にいる男女でも共生関係は珍しくありません。

家族との絆があれば捨てることは出来ませんが、病人同士の共生関係なら捨てたほうが良い場合がありそうです。

家に放火したり家族を殺す前に、家族から離れてみることで解決を模索する。家出の動機は結構切羽詰まっているのだと思います。本人たちは気がつかないだけで。
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Unknown (かたつむり)
2014-04-05 01:22:02
先生、こんばんは。

自分の中に「~しなければならない」という強迫観念がある事に気づき、小さい頃に母からのプレッシャーがあった事を思い出しました。
自由を束縛しているものを捨て、自分をプレッシャーから解放するよう心がけたいと思います。

精神の地獄に堕ちた者の行動は、自分で考える事を放棄するが浮かびました。
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かたつむりさんへ (平御幸)
2014-04-05 01:51:59
かたつむりさん今晩は。

子供のことを考える母親が、子供の成長阻害の原因となる。教育熱心な母親ほどこれを受け入れられない。

子供の手を引っ張って歩いていて、子供を道連れに階段から落ちる親子の話があります。手を離すという選択肢がない不自由さの悲劇です。

自由自在は人類の理想で神の領域。子育て失敗のルーツはアダムとカインですから、自由を与えるリスクもその時から。それでも支配ではなく自由が大切なのです。

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