平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

サマーリーグと大洗~その2 軸の大切さ

2014-07-08 22:02:21 | Weblog
 日立リヴァーレには2人の佐藤さんがいますが、佐藤姓の由来は藤原不比等の藤原にあります。藤原は分枝が多く一概には言えないのですが、家紋が下り藤と上り藤の二つあり、これが契約の箱の対のケルビムを上から見たデザインであると以前に書きました→藤原氏の家紋、下がり藤の真相。従って、佐藤性が2人というのは対をなす意味でも良いのです。

 しかし、日立リヴァーレのプロフィール写真を昨年今年で並べてみると、セッターの佐藤美弥さんの苦悩ぶりが分かります。佐藤あり紗さんの方は年々、一皮も二皮も剥けている表情なのに、攻撃の要となるセッターが不調ではチームが機能しません。それで、セッターを育てるための監督交代だと思いますが、それが成功するかどうかは佐藤美弥さんの軸にかかっています。

 軸というとフィギュアスケートのジャンプの軸を連想する人が多いと思いますが、バレーボールでも軸はとても大切なはずです。佐藤美弥さんは、この軸が崩れていて、相撲で言う「半身(はんみ)」の状態が多いのです。映像解析による佐藤美弥さんの特徴は…

A. 右足がセンターラインを踏み越す頻度が高い



B. 右足で踏切ジャンプして右足から降りる
C. 上半身を無理に小さくして正中線と重心を崩す

 佐藤美弥さんのサーブは右利きですから、足の軸足は左になるはずです。走り幅跳びを見れば分かりますが、軸足が左なら、左足で踏み切って両足着地がジャンプの基本。佐藤美弥さんの下半身の使い方は、トヨタ車体の藤田セッターのような左利き用なのです。藤田さんも藤原の傍流ですね。

 先に上げたAは、トスを上げる際に両足を開く癖だけでなく、いつもネット際で右足がセンターラインを踏んでいるように、頭と足を結んだ線より腰がアタックライン側に曲がる、セッター特有の弓形(ゆみなり)症状から来ているように思います。この弓形は岡山のセッター宮下遥さんの不調時の癖でもあり、この形になる時はトスがぶれてしまいます。


弓形の宮下遥セッター

 バレーボールで軸といえば、アタッカーの足の使い方が参考になります。本物のアタッカーは、両足が余り開かずに下を向くのです。ボールを打つ手と腰と足が一本の線のように見えるのが理想。これはテニスのサーブでも同じだし、野球の投手のオーバーハンドスローでも同じです。


アタッカーの東原選手

 ところが、急造アタッカーの練習をしていた佐藤あり紗さんの場合は、両足を開いて打つ姿勢が目につきました。足を開く打ち方は、ブロードやクイックの打ち方としては理想で、なぜかといえば、ボールを打つ手がオーバーではなくサイドハンドに近くなるからです。手を下に叩きつけるのではなく、前後方向に速く振るのがクイックの腕の使い方。だから、腕の前後のモーメントに負けないように、両足を開いてカウンターウエイトとしているわけです。


アタッカー練習の佐藤あり紗さん(ブロードではない右ウイングで)
この足の開き方はストレートではなく親指から内に撚るシュート回転に都合が良い


 日本人選手は俗に言う「アヒル座り」の影響で内股が多く、これがセッターにはマイナスとなっています。セッターは地面に根が生えた体勢からトスを上げるのが基本で、この基本の上にジャンピングトスやバックトスが構築されるのだと僕は考えます。むしろガニ股の方が安定する職業がセッター。背が小さい不格好なセッターが活躍する理由の一つです。


内股なので不安定

 でも、世界は背の高い大型セッターの時代です。背が高いことで、相手コートの隙間が何倍もよく見える。ツーアタックも決まりやすい。ブロックでも貢献できる。メリットがデメリットを大幅に上回るから、世界の趨勢が大型セッターを指向しているわけです。

 佐藤美弥さんは、まず左右差の少ない体作りから初めて、無理に体を小さく使う猫背を改善し、慌てないでコートに根が生えたトスからやり直せば、自然にアタッカーとのタイミングも合ってくると思います。久保トレーナーがチームにやらせていた反復運動も、左右差の矯正が目についたし、ウォーミングアップの最初も左右の手でボール投げからと、やはり左右差の矯正に見えました。


綺麗なフォームから左手で投げる佐藤あり紗さん
このあと見事に斎田選手の構えにストライク
本当は左利きでは?


 佐藤美弥さんは体のバランスが崩れたまま無理をしたので、利き足である右足が悲鳴をあげています。軸も安定させて両足着地を心がければ、右足の負担も減って、トスを上げた後の守備への移行も楽になるはずです。新しい監督とコーチと、以前からのトレーナーが選手の体幹を重視しているようなので、数カ月後に結果が見えてくると思います。

 ということで、動画は間に合わないので、最後にNECの192センチの大型選手、ハナさんの豪快なバックトスを紹介して次回に続きます。NHKで放映されたNEC対日立の試合から画像を引用しました。


クロアチア出身のハナさん

動画公開しました

楽しいモップ掛け 佐藤あり紗 藤田夏未 ほか
http://youtu.be/tFpghvgEcyo

    エフライム工房 平御幸
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20 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ふくさんへ (平御幸)
2014-07-10 20:12:29
ふくさん今晩は。

石田選手のモップ掛けは最後にぐうたらになりましたね。モップを引きずるようでは主役になれません。
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Unknown (ふく)
2014-07-10 20:03:18
平先生、動画UPありがとうございます。

モップ掛けの奥義は直角!と大昔思っていました。
石田選手はオルゴールのようです。アタック練習も
身体のバランスが良いように見えました。軸がしっかりしているのでしょうか。
佐藤あり紗選手は捻挫に気を付けてほしいです。

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日立リヴァーレ アタック練習 01 (平御幸)
2014-07-10 18:37:57
動画公開しました。

http://youtu.be/TCLIY3Z2NMQ
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日立リヴァーレ ボールを使ったアップ 公開しました (平御幸)
2014-07-10 14:39:29
http://youtu.be/dKc2ng4FVHg

石田選手が謎の投擲 (*_*)
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モップ掛け動画公開しました (平御幸)
2014-07-09 22:04:28
http://youtu.be/tFpghvgEcyo
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訓さん、ほんとさんへ (平御幸)
2014-07-09 21:34:01
訓さん今晩は。

足が太くても結跏趺坐は出来ません。腹が出ると前屈が出来ないのと同じ理屈です orz

ウォーミングアップのボール投げで、石田選手が謎の投擲をしています。あまりに珍しい投げ方なのでアップする予定です。

ほんとさん今晩は。

試合前の練習からトスを上げ続けるので、セッターは一球入魂ができなくなっているような気がします。野球の投手だって一日に100球が限界。練習時間の短縮と、集中力を切らせない効率的な練習方法が必要に見えました。

姿勢は気に直結しますから、スポーツをしない人にも姿勢は大切ですね。スポーツ選手と芸術家で姿勢が悪いのは問題外。
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Unknown (ほんと)
2014-07-09 21:20:17
先生こんばんは。

セッターが弓形にトスをする姿は器用な動きという間違ったイメージを持っていました。
佐藤美弥選手が攻撃の軸としてもしっかり機能するようになり、来年のプロフィール写真では笑顔が見られればよいなと思います。

「何事も基本は姿勢から」という教えを忘れないようにしたいです。
姿勢の良い人は内面もしっかりしていると思います。
肉体と精神の両面から気を付けるようにしたいと思います。
返信する
Unknown ()
2014-07-09 21:13:20
先生 こんばんは。

学生時代バスケットボール部で左右差をなくす
ということを言われたことがありますが、
バレーボールでも大切なのですね。知りませんでした。

私は足がかたく、結跏趺坐ができません。
心も体も柔らかくなりたいです。
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うずしおさんへ (平御幸)
2014-07-09 17:58:57
うずしおさんこんにちは。

佐藤あり紗さんのスパイクはなかなか迫力がありました。スパイク練習することで守備でもスパイクコースの予想がしやすくなると思います。

先を争ってモップがけしていたのに映ってないとはもったいない orz

台風が来ている間に動画をアップしないと (;・∀・)
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Unknown (うずしお)
2014-07-09 16:51:47
先生こんにちは。
画像と解説がとても分かりやすく、左右差を出さないように意識したいと思いました。
ニコニコの3日目の、試合開始前練習での佐藤あり紗選手のアタックは、横からでしたが、かっこいいと思って見てました。
タイムアウト中は、監督とその周りの選手達で、モップ掛けをしている佐藤美弥選手が、ちらりと映るくらいでしたorz
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かたつむりさんへ (平御幸)
2014-07-09 14:45:24
かたつむりさんこんにちは。

背の低いセッターに不格好が多いのは、背の低さだけをメリットにする後ろ向きの姿勢から来ているのだと思います。

厚木の女神は153センチくらいですが、背中が綺麗に伸びているので窮屈さは全くありません。

弓形の宮下選手の場合、楽々にボールの下に入ってこれです。楽しようとして崩れているのです。

結跏趺坐は誰でも左右差があり、僕でも左足を上にした時は違和感があります。

左の腰痛が持病の時、結跏趺坐のまま横になって腰の運動したら、左は直って右が変になりました。やり過ぎた orz
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Unknown (かたつむり)
2014-07-09 13:39:01
先生、こんにちは。
わかりやすい解説ありがとうございます。

バレーをやっていた時、まさに背の低い不恰好なセッターでしたorz
ボールの下になるべく入るよう教わっていたので間に合わない時に無理やりボールを上げると弓形になっていたと思います。

結跏趺坐は左右足を変えた時で痛さが違うので体全体も含め整えたいと思います。
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Unknown (ひなた)
2014-07-09 09:11:27
先生、コメントありがとうございました。

左が上とされる場合もあると知っていたのに、「左=全部サタンでよくないもの」という思い込みに囚われていました。頭でっかちにならないように気を付けたいです。お手を煩わせてしまい、すみませんでした。
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ひなたさんへ (平御幸)
2014-07-09 08:50:23
ひなたさんおはようございます。

レオナルド・ダ・ヴィンチは左利きのタッチです。

目にも左利きと右利きがありますが、僕の利き目は右側です。人類の80%は左足が軸なのでは。

左=サタンは短絡過ぎます。左官や左大臣など左優先はいくらでもあります。つまらないことに囚われることなかれ。
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ふくさん、スイカさんへ (平御幸)
2014-07-09 08:44:09
ふくさんおはようございます。

放送動画はブルレイで焼いてもらったので静止画像を保存できず、仕方なくカメラで撮りました。ここまで解像度を下げると文句は出ないと思います。

日本人選手は黒い圧着ソックスが多すぎます。アメリカの選手ではほとんどなし。GSSの選手に一人だけ膝当てすらしていない生足選手が居て新鮮でした。

スイカさんおはようございます。

デッサンも姿勢が大切。何事も基本は姿勢からです。

佐藤美弥さんのNEC戦の第2セットだけ分析しましたが、良いトスはほとんどありませんでした。特にパオリーニへの8回は全滅。コマ送りで分析するので大変でした。
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Unknown (ひなた)
2014-07-09 08:27:51
平先生おはようございます。

正しい体の使い方をするのは健康面からも大事ですね。スポーツだけでなく、歩き方・座り方またペンや箸の持ち方でも、正しい姿勢でできるように頑張りたいです。
ところで、利き手や利き足が左なのは聖書学的にはあまりよくない事なんでしょうか?自分は両方左利きなのですが、「左=サタン」なので心配になってしまいました。
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Unknown (スイカ)
2014-07-09 07:04:32
先生、おはようございます。

軸が大切だということがよく分かりました。
サーブも軸がしっかりしていないと、ボールに力がのらず、コントロールもきかないように思います。
佐藤美弥選手は、確かにトスのミスも多いですが、ピタッとアタッカーとかみ合っているときはとても清々しいので、体のバランスを整えて、スランプを乗り越えてほしいです。
宮下選手も全日本で頑張ってほしいです。
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Unknown (ふく)
2014-07-09 02:20:35
平先生、今晩は。

とても判りやすい解説ありがとうございます。
日本の女性は畳の生活様式のため、小さい頃からアヒル座りをすることが多いと思います。バレーの選手も例外ではないのですね。
結跏趺坐は体の歪みにも良さそうと思いました。(試してみました。うまくできませんが)怪我の防止にぜひ取り入れてほしいです。
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hinoko2さんへ (平御幸)
2014-07-09 00:08:29
hinoko2さん今晩は。

日本の指導者が子供に対して、セッターをボールの下に無理矢理入れさせて、体勢を崩した状態からオーバーハンドトスを上げさせる、間違った指導の弊害が見えてくるように思います。

ヨガの結跏趺座や蓮華座と呼ばれる足の組み方で内股は改善されます。アヒル座りで隠れO脚になっている選手は結跏趺坐を取り入れるべきですが、久保トレーナーの指導にも結跏趺坐だけ抜けていました。
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Unknown (hinoko2)
2014-07-08 23:55:35
先生 こんばんは。

佐藤美弥さんの写真を見ると、どれも不安定な体勢でトスを上げているように見えます。
多かれ少なかれ左右差は誰にでもあると思いますが、練習中や日常の動作でも左右差をなくすように心がけると違ってくるかもしれないですね。

体の軸が大切なのは、どんなスポーツにも共通な事ですね。
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