平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

ヴェトナムの新しい伝統音楽

2009-05-02 02:00:34 | 芸術
 古代史の中にも登場する、フランスの国営放送オコラ(Ocora)から出ていた『ヴェトナムの新しい伝統音楽』は、LP時代にオーディオ評論家の長岡鉄男氏によって絶賛され、今でもプレミアで取引が為される名盤です。これを、格安で出ていたのに手に入れられなかったのは以前に書いた通りです。

 ところが、僕はカセットテープに最後の1分間だけ録音してあったのです。正確に言うと、弟からLP盤を録音したテープを貰い、うっかりして別の曲を上書きしてしまい、1分だけ消去されずに残っていたのです。これを是非とも紹介したくて、100円で落札したヤマハのカセットデッキK-750を修理していたのです。

 カセットデッキの故障の大半は、走行系のゴムベルト(キャプスタンベルト)の劣化にあります。硫黄や紫外線と反応しますから、道路際に放置すると数年で溶けますが、使っていると劣化が遅いのです。このベルトはメーカーの在庫切れが多く、今回は自作することにしました。修理は、ここのサイトを参考にしました。

 ゴムベルトの材料は堅めのゴムですから、普通のゴムでは伸びすぎてしまいます。秋葉原の千石電商では時々入荷するのですが、最初から溶けていたのでサイズが分かりません。一本三百円もしますから、何本も購入して当たりを見つけるのは大変です。それで自作となったのですが、100円ショップで平輪ゴムと、裁縫用のゴムと、自転車のゴム部品を買って試してみました。この中で、自転車のリム用という黒い平ゴムが使えたのです。

 リム用のゴムは適当な長さに切って、缶やビンに巻き付けて輪ゴムにします。この時、接着する面(糊代)を5ミリ~8ミリほど両端に取り、この部分は紙ヤスリやカッターなどで薄くしておきます。貼り合わせた時に平になるようにします。接着剤はパンク修理キットのトルエン系を用い、接着したらペンチなどで強く押さえておきます。また、貼り合わせ前に、マニキュアを溶かす除光液で接着面を溶かしておくのも良い方法です。これで、100円ショップで手に入る材料だけでゴムベルトの完成です。

 今回の機種は径65ミリではワウ・フラッター(音揺れ)が酷く、径70ミリで良い結果が出ました。あまりキツキツにしないのがコツのようです。メーカー純正ではないし、他にも劣化している部分がある割には上出来だったと思います。クラシックのフルートを聴かなかったら我慢できる範囲です。

 さて、せっかく修理したにもかかわらず、ライン出力では再生されません。カセットデッキとしては珍しく着いているスピーカー出力とヘッドフォン出力では再生できますから、ここからパソコンのライン入力に取り入れます。具体的には、CDを焼くB's Recorder GOLD8のダイレクトカット機能で録音します。

 LP→MCカートリッジ→プリアンプ→ノーマルテープ(TDK AD DOLBY Off)→30年前のカセットデッキ→ヘッドフォン出力→パソコン入力 という経路ですから、音の劣化は想像できると思います。しかし、この音を聴いて下さい→右クリックで新しいタブを開く。とても、信じられない高音質です。さすがはフランスの国営企業が、親方日の丸(トリコロール)で好き勝手にやった趣味の結晶です。この音に対する感性は日本人エンジニアでは無理ですね。

 僕はCD盤の『ヴェトナムの新しい伝統音楽(外盤はNew Traditional Music)』がどうしても欲しくて、カナダや大阪や伊勢の方にまで監視(予約)してもらっています。でも廃盤ですからなかなか出ないですね。むしろヨーロッパの方があるのかもしれませんね。という事で、中古ショップやオークションなどで見かけられた方は、是非とも代理で購入して下さい。とは言っても、定価の二倍程度までしか予算はありませんが、見つけられた方はご連絡お願いします。

 なお、アマゾンの中古などでも画像を出さずに別のCDを売りつけようという業者がいます。あくまでも画像で確認して下さい。この印象的なジャケット↓をどうぞお忘れ無く。

   

 参考 http://www.amazon.co.jp/Improvisations-Tran-Van-Khe-Quan/dp/B00000HZQ9/ref=pd_rhf_p_t_2

     エフライム工房 平御幸
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アンプ(SE9060)修理

2009-05-01 05:14:38 | アンプ製作と修理
 以前に紹介した自作のアンプですが、モックアップ(仮組)の状態で音出しをしているので、ちゃんとしたケースに収めたいと思いました。それで手っ取り早く、ケースとヒートシンク(放熱器)と電源がしっかりしていて、しかも壊れているジャンク品を物色していたのです。完動品だといらないパーツを捨てるのに忍びないからです。

 折良く、オークションにテクニクス(現パナソニック)の古いSE9060(通称60A)というジャンク扱いのパワーアンプが千円で出ていました。完動品なら五千円は値が付くと思いますが、一般人ではない業者臭い人がジャンクとするのは、訳ありの場合が多いのです。

 どういう訳か競り合う人がいなかったので、僕が1100円で購入できました。到着した物を点検すると右チャンネルから音が出ません。これがジャンクの理由だったようです。しかし分解清掃をしながら詳細に点検し直すと、このアンプはスピーカー出力端子が通常とは異なっていることに気が付きました。通常は左右にLとRなのですが、このアンプは上下にLとRなのです。入力端子と同じ並びを採用していたのです。

 これに気が付いた僕は、スピーカーのLとRを左右から上下に繋ぎ直してみました。予想通り、壊れていたと思っていた右チャンネルからも音が出ました。業者は知識がなかったので、僕と同じように間違った配線をして音が出ないと判断したのでしょう。4千円は損をしましたね。写真で分かるように、外側のヒートシンクは土埃を被って汚いですが、中は比較的綺麗です。円筒形の電解コンデンサーが膨らんでいないので、余り使われていなかったと分かります。15年くらいは放置されていたのでしょう。

 

 ということで、分解するはずのアンプは完動品だったので、予定を変更して保存することにしました。それでも、ヒートシンクやトランスを外して清掃したので、届いた時に比べて見違えるように綺麗になりました。

 

 さて、このアンプの音ですが、古い時代のトランジスターアンプの性格というか、ややハスキーで気だるい雰囲気を醸し、それでいて低音はちゃんと出るという、なかなか面白い音作りをしています。弟子の所から帰ってきた小型バックロードホーン(パソコン用スピーカーユニット再利用)は低音が全く出ないのですが、このアンプでは低音感が違って聞こえます。さすがは左右独立6電源の威力です。

 僕は自作ではトランジスターを使わないFET派ですが、バイポーラトランジスターは三次歪み(加えた信号の奇数倍の高調波)が出るので、作曲法では禁断とされる13度上(完全5度+1オクターブ)の和音成分が乗るらしいです→こちらのサイト。市販のアンプはNFBという回路技術でこの歪みを取り除いていますが、基本的に和音に難があるのは否めません。対して、FETアンプの方は真空管と同じく二次歪み(加えた信号の偶数倍の高調波)が出るので、これは楽器の倍音成分と同じ働きをします。良くできたFETアンプは空間の広がりやエコー成分が豊富だというのは、基本的に倍音成分を創出するからかもしれません。

 という訳で、次回は100円で落札したヤマハのカセットデッキの修理報告です。何と、ドロドロに溶けていたゴムベルトを自作して修理に成功しました。このベルトの作り方(100円で出来る)などを報告します。

     エフライム工房 平御幸
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