松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

法律相談の中身は

2009-07-19 20:29:15 | 復活奮闘日記
「…それで、つまり櫨という木はアレルギーによるカブレを起こす木なんですね。」

なんとなく櫨について納得したような弁護士さんを前にして、私は焦りました。

櫨は必ずカブレるかというと決してそうではありません。なぜって私自身もカブレた事ないし、カブレない人も多いからです。しかし全くカブレないかというとそれも違います。体質的にかぶれる人間も確かにいます。

「あの、木の勢いがある今の時期とかは、たまにかぶれる人もいますけど…。暗示効果っていうか、『ハゼマケするぞ』と言われると本当にハゼマケしたり…。」

既に額も背中も汗がびっしょりです。そうこうするうちにあと12分。そろそろ本題に入らなければ。

「えっと、あの、とにかく今日の質問は、知り合いが道路際の庭に櫨の木を植えた場合、通りかかった人がハゼマケしたって訴えるかもしれないから植えられないと言うんです。そんな訴えられるなんて事があったら、どう対処していいか…。」

弁護士さんは顔をしかめました。

「まず、ハゼマケしたと訴える側は、確かにハゼマケしたと証明する必要があるでしょうね。」
「はぁ。」
「それには医者の診断書が必要でしょうが、医者にしても何らかの炎症を起こしている症状を見て、仮にそういう…なんでしたかね。」
「ウルシオールです。ウルシオールっていうアレルギー成分が櫨の樹液に入ってるんです。」
「そのウ…アレルギーに弱い体質ということまでは判断できるでしょうが、特定の場所に植えてある特定の櫨の木によってカブレたとまでは断言はできないわけです。」

なるほど。さすがは弁護士さん。鋭い所を突いてきます。

「そんなに毒性があるんですか。櫨って?」
「いや、そんな!大抵は一週間ぐらいで治るんですよ。」
「なんだ。たったの一週間程度。ふむ。」

弁護士さんはもう結論を出したようでした。
「もしこの件で裁判になるとして、訴える側は医師の診断書を取ったり手続きをしてるうちに、一週間はすぐに過ぎちゃいますから、裁判の頃にはもう治ってるんじゃないですか。この程度で裁判になるとは思えませんがね。」

持ち時間まであと5分を残し、私の法律相談は終わりました。

櫨を植えることで訴訟問題になるのかという心配は杞憂のようでした。しかし、櫨のせいでトラブルになるかもしれないという不安要因が消えるわけではないのです。

市役所からの帰り道、雨の中、傘を差しながら「答えはもらったけど、キモチが晴れたわけじゃないんだよな。」と私はつぶやいていました。

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法律相談に行く

2009-07-19 02:44:23 | 復活奮闘日記
先日、私は久留米市役所に行きました。無料の法律相談の日だったので予約していたんです。

エレベータで6Fに降りたらすぐにわかりますと言われていましたが、実際に降りてみたらドアの向こうが真っ暗。ここは使っていないフロアだろうか?と戸惑いながら進むと、奥に普通の職場が広がっていました。省エネのためでしょうが、なんとなく不安になりながら法律相談のフロアへ進みました。

「必ず5分前に来るように」と言われていたので、時間を測って到着したのがジャスト5分前。ちょっと緊張しています。

「ここで待っていて下さい。」と衝立のあるスペースにうながされて座りました。時折、おそらく弁護士さんの響く声が聞こえてきます。聞き耳を立てるつもりはないんですが、気になる気になる。

「だから子供を取り戻すためには…。」「親権は…。」「財産を分割して…。」

私の予約していた時間になりましたが、相談が終わる気配もなく5分が経過。相談者の不安そうな声がボソボソと聞き取れない言葉で続いています。なんか深刻そうです。離婚問題でしょうか。そうか、相談時間は20分と聞いていたけど、引き延ばしてもいいんだな。

結局10分が経過した頃、市の職員が「そろそろ…。」と終了のお知らせをして、それからさらに5分程熱心にやりとりが行われた後、ようやく私の順番となりました。

やや緊張の面持ちで弁護士さんと相対する私。あんな深刻な離婚問題の直後に、私の持ってきた質問にも答えなくちゃいけないなんて、弁護士さんて大変だなという思いがよぎりました。

弁護士さんは割と若い女性で、私の書いた質問用紙を見ながら顔をしかめました。

「櫨?ハゼって、何…ですかね。私よく知らないんですよね。」

私はとっさに時計を見ました。もう2分が過ぎています。自分の時間内に櫨がどういう木なのか、どういう状況なのかを手っ取り早く説明して、なおかつ質問に答えてもらわなくちゃいけません。まあ10分は引き延ばせるみたいですが、とりあえず自己紹介を長々として時間をムダにするのはやめた方が良さそうです。

「櫨というのは、ほら、すぐそこの山本町に櫨並木があって毎年観光客が多く訪れてますけど、その櫨の木で…。」

私は自分の背中に汗が流れていくのがわかりました。

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