松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

和ろうそく芯ものがたり その6

2007-09-03 21:40:55 | 和ろうそく芯ものがたり
芯巻き職人Mさんは、15才から専門で芯を巻き始め
もう60年以上になります。
芯巻きの作業自体は単純ですが、
それだけに巻き手の熟練度によって、
出来上がりに相当な差が出てきてしまいます。

芯を取り扱う芯屋は、芯巻き職人の中でも
Mさんの作る芯を、非常に高く評価しています。

Mさんの芯がどうして優れているのかというと…。

和ろうそくは、芯が蝋を吸い上げることで燃焼します。
つまり、よりたくさんの蝋を吸い上げることができる芯が
良質な芯であるということです。
そのためには、より堅くしっかりと巻かなくてはなりません。
芯屋は質の高い芯ができるよう、
職人達に非常に細かく、また厳しく指導してきました。

初心者はどうしても力加減がわからず、
緩くなってしまうので、巻き方にスキマがあったり
デコボコしたりしてしまいます。
そうなると上に載せる蝋の量が変わってくることになり、
燃焼にも影響が出てしまうわけです。



60年巻いてきたMさんの指には、
イグサを押さえる部分の骨が突き出ています。
これぞ芯巻き職人の指ですね。



スムーズで堅い芯は、
たくさんのイグサがみっちりと巻かれ
蝋を吸い取る気マンマンに見えます。

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4 コメント

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凄いですね。 (candle)
2007-09-03 23:55:24
私は、愛知県岡崎市で和ろうそくを造っております。
ついついこちらへたどり着きました。
久留米と言うと切っても切れないつながりがあります。耳納北麓地区の櫨並木。
「日本一の和ろうそく」を造らせていただきました。

この作成した芯はどうされているのですか?近所に和ろうそくを製造している方がみえるのですか?
また、いろいろと教えていただきたいと思います。

http://www.sun-inet.or.jp/~candle/
返信する
いらっしゃいませ (elster)
2007-09-04 00:42:48
candleさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
「日本一の和ろうそく」見ました!素晴らしいですね。あんなに大きなろうそくを作るのは、本当に大変だったんでしょうね。ずっと以前、実物を見たこともあります。久留米市の櫨並木と深いご縁のある方に来ていただいて、とても光栄です。
芯のことですが、近所に和ろうそくを作っている人はいません。芯巻きのみです。芯屋さんは、全国各地に散らばっている、こうした芯巻き職人に委託して生産しているそうです。ただ、ろうそく職人自身が芯を巻く方もいらっしゃるようですね。
返信する
Unknown (candle)
2007-09-05 00:32:46
そうでしたか。芯巻きのお仕事は、奈良近辺で行なわれていると思い込んでいました。

ちなみに私どもでは、内職の形で10名くらいの方々にまいてもらっています。

今後とも宜しくお願い致します。

和ろうそくを支えていただいて、心より感謝申し上げます。
返信する
Unknown (elster)
2007-09-05 10:13:20
10名も内職の方がいらっしゃるとは。和ろうそく店は歴史のあるお店が多いのですが、磯部和ろうそく店は、なかでも非常に大きくて由緒のあるお店なんですね。家康公生誕の地でもあるし、ぜひ一度お訪ねしたい所です。和ろうそくに関しては、櫨と一番重要な関係にありますから、今後も取り上げていく予定ですので、どうぞよろしくお願いします。
返信する

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