縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

『東京いい店 うまい店 2007-2008年版』発売

2006-11-11 22:07:56 | おいしいもの食べ隊
 社会人になって間もない頃から、もうかれこれ20年近くになるだろうか、いつもこの『東京いい店 うまい店』を買っている。東京のレストラン・ガイドである。この間、3年半程、静岡にいたが、このときも欠かさず買っていた。もっとも、これは2年に1度の本なので、冊数にすると10冊に過ぎないが。
 『いい店 うまい店』は、食にこだわった人間が覆面調査を行っており、数あるレストラン・ガイドの中で一番信頼の置ける本だと思う。僕は他のガイドは買わない。ウェブで飲食店を探すことはあるが、結構当たり外れが多い。その点、『いい店 うまい店』は裏切られることが少ない。

 新しい版が先月の終りに出たので早速買った。一通り、ざっと目を通した。定点観測のごとく、2年毎に見ていると、やはり店の移り変わりというか、大げさにいえば諸行無常を感じてしまう。特に、フレンチ、イタリアン、更にエスニックも含め、海外の料理を出す店の変遷。新勢力の勃興が著しい。この20年で食の国際化は進み、それこそ東京が世界で一番国際色豊かな食事を楽しめる町かもしれない。
 例えばエスニック料理。昔、タイ料理といえば有楽町の『チェンマイ』しか聞かなかったし、ベトナム料理といえば赤坂の『アオザイ』だった。それが今ではアフリカや中東の料理を出す店まである。この本には載っていないが、僕の会社の側にはクロアチア料理を出す店もある。
 又、フレンチやイタリアンでも、本場のシェフの来日や本場で修行をしてきた日本人シェフの帰国によって、新しい店がどんどん増えている。フレンチでは、『マキシム』、『レカン』といった老舗、『コートドール』、『シェ・イノ』など評価の定着した名店は採り上げられなくなったが、それでも載せる店には事欠かない。

 さて、こうした中、動きの少ないジャンルもある。それは何か。古い、少なくとも江戸や明治の昔からある日本の料理である。ただ、すし、そば、天ぷらなどは当てはまらない。名店で修行した料理人が独立し優れた店を出す場合があるからだ。これは日本料理や酒亭も同じだ。
 これに対し、うなぎ、どじょう、ふぐ、すきやきは動きが少ない。まあ、古く、それなりに名の通った店の多い中、新しく店を出す者などいないのだろう。価格を抑えたチェーン店などは出てきているが、この本の対象とする味やサービスのレベルで戦おうとする者はいない。

 中でも“どじょう”の動きは少ないというか、ない。そもそも東京でどじょう料理専門店は5軒しかないらしい。この内の3軒が20年間変わらず載っている気がする。『伊せ喜』、『桔梗屋』、『駒形どぜう』である。これからの季節、どじょうの柳川も良いが、どじょうといえばやっぱり鍋。骨の有無で“丸”なべと“ぬき”なべに分かれるが、わが家は丸なべ。ネギをたっぷり入れ、それに『駒形どぜう』では、これまた たっぷり“ささがきごぼう”を入れる。ごぼうを入れると味が深みを増す。
 明日は久々に『駒形どぜう』に行こうかな。ごぼうの沢山入った丸なべを食べ、日本酒をぐびぐび飲んでいる美男美女(?)のカップルがいたら、それは私達です。見掛けたら声を掛けてください。生活に疲れたおじさん・おばさんの酔っ払いコンビではないので、くれぐれもご注意の程を(本当は・・・・)。