縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

“ベターハーフ”の本当の意味は?

2015-12-14 22:25:22 | 最近思うこと
 クリスマスが近いことだし、たまにはロマンチックな話を。

 ベターハーフ(better half)の語源というか由来をご存知ですか。
 これは僕が勝手に信じ込んでいるのですが、それはプラトンの『饗宴』ではないかと思います。ソクラテスが宴の席で居合わせた詩人や医師らと愛について語ったときの話です。

 その中でアリストパーネスという詩人がこんな話をしました。

 むかしむかし、人間は今の形ではなく、二つの体がくっついた、つまり二人一組だったのです。その組み合わせは、男と女、男と男、女と女の3通り。ところが、知恵を持ち、力を持った人間は次第に生意気になり、神様に反抗するようになりました。怒った神様は、人間の力を削ぐため、人間を二つに分け、今の形にしたというのです。
 そのため人間は、かつての片割れ、もう半分を求め、常に一緒にいたいと想うようになりました。それが愛です。男と女のペアであったものは異性を、男と男、女と女のペアは各々同性を好きになる。これは古代ギリシアの話なので同性愛もタブーではありません(ご関心のある方は、『欧米の首脳がソチの開会式を欠席する理由』(2014/ 2/ 3)をご覧ください)。

 僕が『饗宴』を読んだのは純粋な高校生の頃。「そうか、人は完全な姿を取り戻すために恋をする。自分探しというか、もう半分の自分をずっと探し求める。それが愛なんだ。」などと思ったことを覚えています。
 同時に「完全になるためのもう半分、自分のより良いもう半分だから better half なのか。」と妙に納得したことを覚えています。

 このアリストパーネスの話は後でソクラテスに論破されてしまうのですが、不思議と記憶に残っていました。肝心のソクラテスの話はすぐ忘れて、もとい、初めからよく理解できなかった気がしますが・・・。
 
 しかし、改めて英和辞典をみると、better half の原義は「自分の存在の大半を占めるほど親しい人」とあります。そう better には「より良い」のほか「より多い」との意味もあるのです。もっともこの場合も、“もう半分・片割れ”ではないものの、それだけ大切な人であることに変わりはありません。

 最後に、これは俗説ですが、betterを「より多い」の方で解釈し、better half を“半分以上お金を取る人”とする説もあります。つまり、自分が稼いだお金の大半を取る人 = 妻、というものです。確かに better half は通常妻を指す言葉です。妻が夫を better half というのは稀です。

 とすると、最後のが一番説得力ある気がしますが、みなさんはどう思いますか?
 (あれ、なんだかな~、全然ロマンチックな話じゃないな。)