縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

パリの巷を徘徊する(バスク旅行その2)

2017-08-15 21:25:36 | もう一度行きたい
 パリはモンパルナスに宿を取った。シャルル・ド・ゴールとオルリー、どちらの空港へも直通バスが走っているからだ。トランジットで1泊するだけなので交通の便以外は考えなかった。
 それが例のHOP航空のストライキによりパリの滞在が思いのほか長くなってしまったのである。想定外の事態。観光するつもりはなかったのでガイドブックは持っていない。あるのは宿でもらった市内地図のみ・・・。

 そんな中、妻がランチにエッフェル塔そばの“Les Cocottes”(レ・ココット)に行きたいと言い出した。知り合いから、料理が美味しい、最近評判の店だと聞いたらしい。まだ時間が早いから、地下鉄でサンジェルマン=デ=プレまで行き、買い物がてら歩いて行こうと言う。地図を見る限り結構距離がある気がするが、時間つぶしにもなるし二人で歩くことにした。
 妻に店の住所を尋ねると、エッフェル塔とボスケ通りの間あたり、たぶん行けばわかると宣う。相変わらず楽観的なやつだ。住所くらい控えておけよと思いつつも、気を取り直し、唯一頼りの市内地図を見ながら、エッフェル塔方向に歩いた。パリの6区から7区にかけたこの一帯は、落ち着いた雰囲気で、街並みを見て歩くだけで楽しかった。パリにいるんだという実感が湧いて来る。

 ボスケ通りを渡り、この辺かなと二人であたりをキョロキョロ。あっ、ありました、“Les Cocottes”。適当に歩いてもちゃんと着くものだと妙に感心。お店はパリらしくお洒落な店だった。レストランというよりビストロかワイン・バーの趣き。前菜2品とワインを頼んだ。ロブスターのビスクが濃厚で美味しい。それに何と言ってもパンが旨い。わざわざ歩いて来た甲斐があった。

 次にボン・マルシェ(老舗デパート)の別館 = 食品館に行くことにした。泊まったホテルの近くにあり、目を付けていたのである。案の定、こちらも住所がわからない(住所を控えてなかったのは私です、はい)。地下鉄セーヴル・バビロン駅の近くとしか覚えていない。しかし“Les Cocottes”発見で自信(根拠ない?)を付けた二人は、再び地図を片手に歩き出した。
 途中、ボスケ通りの食品専門店“Black Cat Delicatessen”で買い物をし(なんと日本好きのご主人だった)、“Jardin Catherine Labouré”(カタリナ・ラブレの庭園)でトイレをお借りし、そして遂に目指すボン・マルシェを発見。偶然とは、それも続くとは恐ろしい。海外では迷うことの方が多いが、どうも今回の旅は違うようだ(と、願いたい)。

 食品館は、肉、魚、惣菜、お酒、お菓子等々、本当に品揃えが豊富だった。じっくり見ていたいが、飛行機の時間もあるし・・・と思っていたところ、素敵なイートインを見つけてしまった。魚屋さんに併設されたお店。海老と貝の盛り合わせに、きりりと冷えた白ワイン! う~ん、至福の時。
 が、悲しいかな、のんびり余韻に浸っている暇はない。夜遅く着くビアリッツでの夕食にと、ロティサリー・チキンと赤ワインを買い、後ろ髪引かれつつ食品館を後にした。幸いホテルはパリ随一の高層ビル(59階建て)モンパルナス・タワーの目の前にあり、今度も迷うことなくホテルに着いた。

 ホテルで荷物をピックアップし、すぐさまチキンやワインをスーツケースに詰めた。そしてタクシーでオルリー空港へ。なんとオルリー空港へのタクシーは30ユーロの定額料金だったのである(注:パリ左岸からの場合。これに送迎料金 4ユーロが掛かった)。初めはバスで行くつもりだったが、二人で24ユーロ。10ユーロ増の贅沢に負けてしまった。

 ストライキで思いがけず延びたパリでの滞在、行き当たりばったりだったものの、それなりに楽しく過ごすことができた。“バスク旅行”と言いつつ、なかなかバスクに着かず申し訳ないが、次こそバスクです、たぶん・・・。


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