遅い夏休みを取ってタイとベトナムに行ってきた。季節はちょうど雨季から乾季への変わり目。バンコクでは毎日スコールに遭ったが、ベトナムで雨は初日の夜だけ。楽しみにしていたハロン湾は、抜けるような青空とは行かなかったが、雨に降られることはなかった。
ハロン湾はハノイから車で3時間半。大小3,000近い島や奇岩のある“海の桂林”と言われる景勝地である。解りやすく言えば“スケールの大きな松島”といったイメージだろうか。もっとも日本三景の松島に比べ世界遺産のハロン湾は、はるかに規模が大きい。そして、より幻想的で、より神秘的である。
この雄大かつ荘厳な景観を前にすると、自然の力の偉大さ、不思議を感じざるを得ない。こんな景色を人工的に作ることなどとてもできない。改めて人間の無力さに気付かされたし、自分はなんてちっぽけな存在なのだろうと思い知らされた。
ところで、あの「松島や ああ松島や 松島や」というのは松尾芭蕉の俳句ではない。江戸時代後期の狂歌師、田原坊の作である。『おくのほそ道』の中に芭蕉が松島で詠んだ句はない。松島の絶景を前にして、芭蕉は句を詠むことができなかった、あるいは敢えて句を詠むべきではないと考えたようだ。
芭蕉先生に倣い、僕もハロン湾の美しさを事細かに説明することはしない。そう、筆舌に尽くしがたい美しさなのだから。まずは写真を見て、そしていつの日か実際に行かれて、ご自身の目でハロン湾の美しさを見ていただきたいと思う。よって、以下ではハロン湾クルーズについてだけお話ししたい。
バイチャイやホンガイなどハロン湾の町に滞在する場合を除き、多くの方はハノイからハロン湾クルーズに参加してハロン湾を訪れる。個人的には、日帰りよりも宿泊のツアーをお勧めしたい。
日帰りは、ハノイを朝の8時過ぎに出て夜の8時過ぎに帰ってくる半日コース。ただ、なんとコースの2/3、8時間はバスである。おまけにトイレ休憩と称した強制的な土産物店での買い物時間も付いている。ハロン湾の見学時間は残り1/3、船上での昼食時間を差し引けば正味3時間強しかない。おそらく皆さんハロン湾には一生に一度しか行かないであろうから、それではあまりに短い。薄暮から夜にかけてのハロン湾(運が良ければ満天の星を楽しむことが出来るかもしれない)、そして日の出。奇岩に囲まれた風景がぼんやりと見え、それはそれは幻想的でロマンチックである。いずれも日帰りでは味わうことができない。
もう一つ、多少の煩わしさを厭わないのであれば、旅行会社のツアーではなく、直接クルーズ会社に予約することをお勧めする。その方がお得である。因みに僕は1泊2日のクルーズを直接クルーズ会社で予約したが、ハノイからの送迎を含め料金は一人US$220.- 。同じ内容を旅行会社で申し込むとUS$349.- である。この差は大きい。実はこの差を知り部屋をスイートに変える贅沢をしてしまったが(一生に一度のことだし・・・)、それでも一人US$304.- と旅行会社を使うより安く済んだ。
ベトナムは今から4月頃までが乾季で晴れた日が多い。さすがに年末年始はもう飛行機に空きはないだろうが、それ以外であればまだ席は取れると思う。ハノイは日本からわずか5、6時間の距離、是非一度は訪れていただきたい。勿論、ハロン湾で一句詠むか、あるいはハロン湾の絶景に言葉を失うか、それは貴方次第である。
ハロン湾はハノイから車で3時間半。大小3,000近い島や奇岩のある“海の桂林”と言われる景勝地である。解りやすく言えば“スケールの大きな松島”といったイメージだろうか。もっとも日本三景の松島に比べ世界遺産のハロン湾は、はるかに規模が大きい。そして、より幻想的で、より神秘的である。
この雄大かつ荘厳な景観を前にすると、自然の力の偉大さ、不思議を感じざるを得ない。こんな景色を人工的に作ることなどとてもできない。改めて人間の無力さに気付かされたし、自分はなんてちっぽけな存在なのだろうと思い知らされた。
ところで、あの「松島や ああ松島や 松島や」というのは松尾芭蕉の俳句ではない。江戸時代後期の狂歌師、田原坊の作である。『おくのほそ道』の中に芭蕉が松島で詠んだ句はない。松島の絶景を前にして、芭蕉は句を詠むことができなかった、あるいは敢えて句を詠むべきではないと考えたようだ。
芭蕉先生に倣い、僕もハロン湾の美しさを事細かに説明することはしない。そう、筆舌に尽くしがたい美しさなのだから。まずは写真を見て、そしていつの日か実際に行かれて、ご自身の目でハロン湾の美しさを見ていただきたいと思う。よって、以下ではハロン湾クルーズについてだけお話ししたい。
バイチャイやホンガイなどハロン湾の町に滞在する場合を除き、多くの方はハノイからハロン湾クルーズに参加してハロン湾を訪れる。個人的には、日帰りよりも宿泊のツアーをお勧めしたい。
日帰りは、ハノイを朝の8時過ぎに出て夜の8時過ぎに帰ってくる半日コース。ただ、なんとコースの2/3、8時間はバスである。おまけにトイレ休憩と称した強制的な土産物店での買い物時間も付いている。ハロン湾の見学時間は残り1/3、船上での昼食時間を差し引けば正味3時間強しかない。おそらく皆さんハロン湾には一生に一度しか行かないであろうから、それではあまりに短い。薄暮から夜にかけてのハロン湾(運が良ければ満天の星を楽しむことが出来るかもしれない)、そして日の出。奇岩に囲まれた風景がぼんやりと見え、それはそれは幻想的でロマンチックである。いずれも日帰りでは味わうことができない。
もう一つ、多少の煩わしさを厭わないのであれば、旅行会社のツアーではなく、直接クルーズ会社に予約することをお勧めする。その方がお得である。因みに僕は1泊2日のクルーズを直接クルーズ会社で予約したが、ハノイからの送迎を含め料金は一人US$220.- 。同じ内容を旅行会社で申し込むとUS$349.- である。この差は大きい。実はこの差を知り部屋をスイートに変える贅沢をしてしまったが(一生に一度のことだし・・・)、それでも一人US$304.- と旅行会社を使うより安く済んだ。
ベトナムは今から4月頃までが乾季で晴れた日が多い。さすがに年末年始はもう飛行機に空きはないだろうが、それ以外であればまだ席は取れると思う。ハノイは日本からわずか5、6時間の距離、是非一度は訪れていただきたい。勿論、ハロン湾で一句詠むか、あるいはハロン湾の絶景に言葉を失うか、それは貴方次第である。