縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

型破りな教室(★★★★☆)

2025-02-07 14:58:57 | とある田舎のミニシアター
 夢を諦めてはいけない。自ら可能性を狭めてはいけない。
 その大切さを改めて感じさせてくれた良い映画だった。実話だというのも驚きだ。

 筋としては割とありきたり。落ちこぼればかりの学校に赴任した熱血教師が子どもたちに大きな変化をもたらし、成績を国内トップクラスへと向上させるというもの。これだけ聞くと「あー、よくあるパターンね。」とあまり見る気が起きないかもしれない。
 が、この映画には他と違う面白さがある。

 まずは舞台というかシチュエーション。メキシコ映画であるが、首都のメキシコシティではなく、アメリカ国境近くのマタモロスという町が舞台。麻薬絡みの犯罪が多く、殺人も日常のようだ。
 次に子どもたちの才能。数学の天才がいたり(因みに1から100まで足すといくつになるか瞬時に計算できますか?)、小学校6年生にも拘わらず哲学に目覚める子がいたり(メキシコはカトリックが多いが、その子が市の役人の前で中絶について語るのは面白かった)。また子どもたちの演技がとても自然で良かった。
 そして熱血教師の悩み、人間らしさ。前の学校で挫折を経験したが、自らの理想を追い求めることを諦めない。新しい学校で、指導要領なんか無視し、子どもたち自らが疑問を持ち、考え、答えを探して行く、そんな教育をしたい。教師はただ子どもたちにきっかけを与えるだけ。教師は、そして親や貧しさなどの家庭環境も、子どもたちの可能性を閉ざしてはいけない。
 しかし、熱血教師も自らの行動に自信を持てず悩むことも。そんな彼を上手に導く校長先生が良かった。最初は権威主義の嫌なやつかと思ったが、とってもステキな人物だった。まさに理想の上司である。

 大人になるということは、これはダメ、あれはできないと、自らの可能性を切り捨てて行くことかもしれない。でも中年の熱血教師を見ていると、自分にもまだ出来ることがあるのではと思えた。年齢などは関係ない。この映画は子どもや若者だけでなく、悩める中高年にも見て欲しい映画だ。
 映画館を出た僕は、心なしか、いつもより力強く、しっかりと歩いていた。



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