昨日、今日とちょっと文化の香りのする時間を過ごした。昨日はフラメンコ(妻の友人が通うフラメンコ・スクールの発表会)、今日はオーケストラの演奏会(チャイコフスキー・プログラム)である。この演奏を聴きながら、ふと思い出したのがウィーンでの1日だった。
ウィーンには大学の卒業旅行で行った。3週間の旅行があっという間に残り1週間になったときだ。若いとはいえバックパックの貧乏旅行はさすがに体にこたえる。いつもは日本でいえば民宿に毛が生えたような安宿に泊まっていたのだが、ウィーンではちょっと贅沢をしてホテルに泊まり体を休めようと思った。民宿がビジネスホテルに変わった程度なのだが、それでも僕にとっては贅沢だった。
で、何をしたかというと、久々にちゃんとお湯のでるシャワー(これが贅沢!)を使い、そしてベッドで、昼間だった気がするが、ぐっすり寝た。そんなわけでウィーンの名所と言われる所は何も見ていない。
ウィーンでしたのは、唯一、オペラを見に行ったこと。たまたま当日のオペラのチケットが取れたので、国立歌劇場で『ファウスト』を見た。あとはオペラに行くのにデパートでワイシャツとネクタイを買ったくらいだ。『ファウスト』は本を読んだことがあるので筋は知っている。グノーは『ファウスト』の前半をオペラにしたようだ。
国立歌劇場は壁にバルコニー状に座席が並んでいる馬蹄型のクラッシクなホールである。僕は2階中央やや左のバルコニーの席からオペラを見た。まるでタイム・スリップし、自分が王侯貴族にでもなったかのような錯覚に陥る。
さて、オペラに行って驚いたことが三つ。一つはオペラの構成というか演出の凄さ。オペラを生で見るのは初めてだったが、出演者の動きが細部まで計算されているのには驚かされた。例えば、皆が飲んで騒いでいるシーン、主人公から離れた舞台の隅にいる人物まできちんと演技している。手を抜かない、きっちりした仕事振りだ。もっともこれは2点めに関係するのかもしれないが。
この2点めというのはウィーンの芸術に関する層の厚さである。ウィーンの有名な劇場は国立歌劇場とフォルクス・オーパーの二つだが、この二つの劇場で日替わりで様々な演目が行われていた。それこそ昨日はフラメンコ、今日はクラシックのコンサート、明日はオペラ、しあさっては・・・・、といったようにプログラムに重複がなく、多くのジャンルの催しが行われていた。日本にこれだけの演目を日替わりでこなせる人材はいるのだろうかと思った。
そして最後の点はウィーンの人々の生活の豊かさである。オペラは平日の夜だったが、随分盛況だった。皆、着飾って来ている。仕事を早く終えたのだろうか、男性の姿も多い。
ふと、真の豊かさとは何か、考えさせられた。経済力では日本の方がオーストリアよりも圧倒的に上である。だが、どちらの生活が真に豊かなのであろう。仕事を終え、好きなオペラを着飾って聴きに行く人々。おまけに、日本ではオペラなど高くて手が出ないが、オーストリアでは貧乏学生にも手の届く値段である。
オペラの帰り道、日本は豊かな国なのだろうか、僕の就職後はどんな生活になるのだろうか、と考えながらホテルへと急いだ。
ウィーンには大学の卒業旅行で行った。3週間の旅行があっという間に残り1週間になったときだ。若いとはいえバックパックの貧乏旅行はさすがに体にこたえる。いつもは日本でいえば民宿に毛が生えたような安宿に泊まっていたのだが、ウィーンではちょっと贅沢をしてホテルに泊まり体を休めようと思った。民宿がビジネスホテルに変わった程度なのだが、それでも僕にとっては贅沢だった。
で、何をしたかというと、久々にちゃんとお湯のでるシャワー(これが贅沢!)を使い、そしてベッドで、昼間だった気がするが、ぐっすり寝た。そんなわけでウィーンの名所と言われる所は何も見ていない。
ウィーンでしたのは、唯一、オペラを見に行ったこと。たまたま当日のオペラのチケットが取れたので、国立歌劇場で『ファウスト』を見た。あとはオペラに行くのにデパートでワイシャツとネクタイを買ったくらいだ。『ファウスト』は本を読んだことがあるので筋は知っている。グノーは『ファウスト』の前半をオペラにしたようだ。
国立歌劇場は壁にバルコニー状に座席が並んでいる馬蹄型のクラッシクなホールである。僕は2階中央やや左のバルコニーの席からオペラを見た。まるでタイム・スリップし、自分が王侯貴族にでもなったかのような錯覚に陥る。
さて、オペラに行って驚いたことが三つ。一つはオペラの構成というか演出の凄さ。オペラを生で見るのは初めてだったが、出演者の動きが細部まで計算されているのには驚かされた。例えば、皆が飲んで騒いでいるシーン、主人公から離れた舞台の隅にいる人物まできちんと演技している。手を抜かない、きっちりした仕事振りだ。もっともこれは2点めに関係するのかもしれないが。
この2点めというのはウィーンの芸術に関する層の厚さである。ウィーンの有名な劇場は国立歌劇場とフォルクス・オーパーの二つだが、この二つの劇場で日替わりで様々な演目が行われていた。それこそ昨日はフラメンコ、今日はクラシックのコンサート、明日はオペラ、しあさっては・・・・、といったようにプログラムに重複がなく、多くのジャンルの催しが行われていた。日本にこれだけの演目を日替わりでこなせる人材はいるのだろうかと思った。
そして最後の点はウィーンの人々の生活の豊かさである。オペラは平日の夜だったが、随分盛況だった。皆、着飾って来ている。仕事を早く終えたのだろうか、男性の姿も多い。
ふと、真の豊かさとは何か、考えさせられた。経済力では日本の方がオーストリアよりも圧倒的に上である。だが、どちらの生活が真に豊かなのであろう。仕事を終え、好きなオペラを着飾って聴きに行く人々。おまけに、日本ではオペラなど高くて手が出ないが、オーストリアでは貧乏学生にも手の届く値段である。
オペラの帰り道、日本は豊かな国なのだろうか、僕の就職後はどんな生活になるのだろうか、と考えながらホテルへと急いだ。
自宅から20分くらいのところに話題の「蝶々夫人」のオペラが催されたからです。
一番前の中央の席が取れ、指揮をする佐渡裕さんの横顔が見え(2メートルも離れていませんでした。)、夢のようでした。
オケボックスの中で演奏する人たちも、最後のスタンディング・オーベィションのときは主だった演奏者はしっかり見えました。
すごく素敵でした。もちろん舞台も素晴らしかったです。
でも、やはり、特等席でも12000円は安くないなあと思いましたよ。
もう少し安ければとおもいました。
夢見たいな良い席でしたが。
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