25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

恥じ

2019年04月06日 | 社会・経済・政治
 技能実習生という枠で外国人労働者を日本で働かせる制度は即刻やり直しの体制を整えた方がよいと思う。これは一種の奴隷制のようなものだ。将来日本を恨む人が増えるかもしれない。名テレ「正義の味方」ではこのことを話し合っていた。
 
 僕にも外国人労働者のビザ取得の問題で、「奇妙な実態」をみたことがある。
 大阪にレストランを作った時、バリのうちのスタッフを日本で働いてもらうことにした。コックには在留許可証も労働ビザも発行されるのである。
 いろいろな書類が必要になるわけで、その中に航空チケットがある。あるいはコックとしてのキャリア証明書も必要だ。ぼくは代理人を雇わず、自分で手続きをした。
 ビザを発行してくれるのかわからないから、飛行機チケットが買えない。チケットがないと書類不揃いになる。
 入国管理局の天下り団体「国際経済交流協会」のようなものがあり、そこの会員になればビザの発行日も飛行機チケットの購入日の目安も教えてくれる。そんなことは全く知らなかった。ただ正規に手続きしただけだった。
 正規の入国管理局ではそんなことはしてくれない。ぼくは結局粘って、時間的な余裕も考えて管理局の課長を待ち伏せまでして、法律に準じて早急に進めてもらうようお願いしたことがある。管理局事務所で、大きな声を出したこともある。キャリアにパーティーシェフと書いていたのをこれはシェフではない、とイチャモンをつけられたこともあった。シェフとパーティーシェフがどう違うのか自分らで調べてみろよ、と言いたかったが、こちらで区別の説明を準備し、むしろパーティーシェフの方がキャリアとしては経験が高い、ということで説得した。
 この時、官僚というのは巧妙に、合法的に組織を作り、本筋から外れた場合の受け入れ先を作っていることを知った。これは賄賂ではないのだ。
 バリ島でちょっとした賄賂はあった。ミルク代の足しになるくらいのものだ。日本とて昔はあったのだろうが、賄賂そのものを高度に合法化したのが日本である。

 話を戻すが、技能実習生制度は早く止める方がよい、
恥ずかしいほどのこの制度の目的が美辞麗句で書かれている。ベトナムにお互いの国の研修中施設を作り、仲介ブローカーもなんらかの形で国が関わり、管理ができるものでなければならない。
 技術も教えず、原発の汚染作業をさせられたり、穴掘りをさせられるだけでどんな技能がつくというのか。
 現実の下層で生きる人々のことを今の政権はわからないのだと思う。ぼくはこれは「恥」だと思う。