今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

クリスマスプディング(恐らくこんなに詳しい手順は少ないと思われる)。※修正済み

2017年09月29日 | スイーツ
意を決してクリスマスプディングを作る事にした。
(ドライフルーツとブランデーが嫌いなのに)

今回、キチンと牛肉専門店で牛の腰周りの脂であるケンネ脂(しかも何故か松坂牛)をGET出来た(←いや~、マジ探したわ)。

これがケンネ脂かぁ~
お店の高齢の人に「何作るの?」って訊かれて、「クリスマスプディング」って言っても解らないだろうし、知らないだろうし、少し恥ずかしがって「い、イギリス料理、です」と言ったら「パイ生地なら、ケンネじゃなきゃダメだよ」って、お、やっぱ知っているんだ!!って。

でも練り込みのパイ生地ではないので、と今更1から否定するのも面倒だったので(牛肉専門店ってあまり来ないので緊張していたし)パイ生地ってことにしておいた。

全体の流れ
多分、ここまで詳細に書いた書物も記事情報も少ない為、長くなるのでザザっと進めていこう(作る時は全体の流れを確認してからの方が良い)。
流れとしては、材料揃え→仕込(刻み→ドバッと水分は後にして2回に分けて混ぜる)→タコ糸と布巾で包む→5時間~8時間蒸す→3ヶ月~1年寝かす→前日にクリームを作る→再度蒸す→フランベしてアツアツから切り分けて食べる。
という流れだ。

材料
材料は様々な古典を読みながら共通しているなるべくトラディショナルなものを択んだ。
・ミックスフルーツ(有機)100g・カレンツ(←南アフリカの小さな星葡萄みたいなもの)100g・干しぶどう(有機)100g・ポストハーベストの使っていない有機檸檬と柑橘類(←有機オレンジがなかったので近いもの)の砂糖漬ドライピール120g・柑橘類の皮をすったモノ(柑橘類はピールを作った時の皮を冷凍しておいた、後日たまに100均でも少量のピール類を売っている事を知る!!)大さじ2・薄皮を剥いたアーモンド75g・リンゴ1個・ニンジン少々・ケンネ脂130gをきざむ・小麦粉170g・生パン粉100g・パン粉70g・三温糖110g・オールスパイスがないので自家製1/2・卵3個・ブランデー100ml・レモン汁100ml・有機オレンジジュース100ml・塩・小さじ1/3・牛乳50cc・3ペンスや6ペンス硬貨(←あれば)・器に塗る用のケンネ脂かバター・好みでブランデーバターか、カンバーランド風ラム酒入りバター食べる時に添える。

仕込み

全部下ごしらえが命だ

有機レーズンや有機ミックスフルーツをブランデーで戻しておく、カレンツなどの

ドライフルーツを1晩漬け込むレシピと、生地を全部入れて全体を1晩寝かすレシピがあったので、少し戻した後に後者の全体に入れて1晩寝かすレシピにした。

食パンを量って

生パン粉を作る

薄皮を剥いたアーモンドを半分に切っておく。

リンゴ・ニンジンは微塵切り

ジャマイカのオールスパイスが無いので、シナモンとナツメグとクローブでなんとなく近いものにする(全部嫌いなスパイスだ・・・ミックススパイスでも可)。

檸檬を用意し

皮は黄色い所をする(これが大変)

大さじ2

汁は皿ではさんで潰し、

鍋にダラーっと(頑張って何度も)

種や実を濾したレモン汁と有機オレンジジュースを混ぜる。計200ml

タカナシから出ているんだな・・・

ブランデー

で、上記にも出てきたケンネ脂を切って

重さを量る

前に造っておいた柑橘類の砂糖漬ドライ・ピールを刻む

卵と牛乳・三温糖・塩、これで全部かな。

揃えるだけで大変・・・もっと簡易Ver.にすれば良かったか。

先ず、フルーツやドライフルーツとケンネ脂など固形物を

全部混ぜる


パン粉・生パン粉・小麦粉・三温糖・塩・オールスパイスなど粉類を混ぜ

かき回し


別のボウルに卵を泡立て

ブランデーとジュース類を入れて混ぜて。


果物のボウルに入れる。

よくこね、

木杓子などでよく混ぜておく。


布巾を濡らして


ボウルにかけて12時間以上冷蔵庫などで寝かせておく。


翌日

アルミホイルと塗る様に取っておいたケンネ脂を用意し、

ロンドンへ行った時の硬貨がポンドしかなかったので(5ペンスと1ポンドかな)

とりあえずアルコール消毒をして

オーブンペーパーや銀紙で包む(←大丈夫かな?とりあえずアルミは3ヶ月ぐらいは大丈夫そう、紙は溶けないかな・・・いろいろ調べたけれどここだけがよく解らん、昔みたいにそのまま入れるのは現代では考えずらい)

容器にケンネ脂や

バターを塗って(迷ったんだ、ここにきてバターかよ?って)


寝かせておいた生地を器の半分ぐらい拡げて


包んだ硬貨を入れて

一応焦げてくっつかないようにバターを塗った。
もう1個も

生地を重ねてならす。


アルミホイルの裏にバターを塗って、


キチンと押し込んでかぶせる

側面を押し付けて(←延々と長々レシピが文章でずっと羅列して書かれていた中の「『かぶせて』側面を~」って一節はこれだったか・・・)

端のアルミホイルは折り曲げて

ここまでで種(?)の完成。

これは蒸しプディングの部類に入るので蒸し作業へ
                        ↓
蒸し

鍋の底においておき、

お湯も沸かしておく。


<包みかた3種類>

古書によると包み方も
①布巾で包む
布巾で包まないやり方
③布巾でアタマだけ包む
があり今回は折角同じ時間を使うので2つ作る事にした。

<①←その①おそらくこれは間違い!!
ホイルがかぶさった生地を布巾で包み

対角線を結んで

縦も結んで

持つところを作る


②大きい布巾が無くて包まない時のやり方

オーブンシートにバターを塗って

乗せて

アルミをホイルをかぶせたものの、側面をタコ糸でしばる(2周してから蝶結びが良いみたい)

十文字に糸をくくって、持ち上げられるのを確認


③多分、これが正式なんだと思うが、プディング・ベイスンというプディング専用の上部に縁が付いた容器だと、作り易いけれど中々、日本の家庭には常備されていない。
ので、、似たような浅いグラタン皿(半分の所に溝が入っていて上半分が広い)・タコ糸・ハンカチで解説。

布巾(今回はハンカチ)かぶせて、側面をタコ糸を巻いて(2周してから蝶結びが良いみたい)

端を上部で結んで、

もう片方の端を結に、持つ所を作る。

プディング・ベイスンあればな・・・

蒸す
布巾を敷いた深い鍋に置き、側面から沸かしておいた湯を注ぐ。
(皿を下に敷いて湯を入れると下にこぼれても大丈夫だろう)。

布巾の方にも注ぐ

半分ぐらいかな(布巾の方が吸って減りが早いので多目)。湯を入れる時は、少し寄せて隙間を作って又戻すと注ぎ易いかも。

最初は強火にしてグツグツさせたら、

弱火にし、

蓋をして

8時間蒸す。(←ハア?、と思うが、6時間~8時間らしいよ・・・8時間確実だし・・・寒い国の寒い時期の文化だよな)

途中湯が蒸発でなくなってきたら、

又、側面から湯や水を足してグツグツさせてから蓋をして弱火(そんなに蒸発はしない↑上記写真)。


8時間後、火を止めて蓋を開け、

取っ手を持って鍋敷きの上に取り出す。

このまま室温になるまで冷ましておく。
(夏場はクーラーの近くか、春秋なら窓際か?とにかく驚くほど冷めないので注意!!)

冷めたら布巾とアルミホイルを取り、

こんな感じか。

こっちは、おお~こんな感じで、少し水滴が入った大丈夫かな?


寝かせ保存
・袋で包んだりする方法「も」ある

らしいが、
新しいアルミホイルをかぶせ(一応タコ糸をやっておいた)、

作成した日付を書いて貼り付け、

冷蔵庫で3ヶ月~1年間寝かす←(これもハア?って思うが、寝かせる事でアルコール分がォ熟成するらしい、カビないのか?)

2つとも。

アルミホイルは勿体無いので、まだ洗って使える、

鍋とか洗い物は意外に少ない。

この後、3ヶ月~1年の寝かせ~再度蒸し~提供まで続く。
              ↓
3ヶ月後に再度蒸し~完成

1年待てなかったので、3ヵ月後恐る恐る、カビが生えていないか?開けてみる(開けなくても良いのだろうけれど自信が無かった)、おおー大丈夫だ。

再度アルミホイルを被せ、凧糸で布巾を被せて側面を縛る(2周してから蝶結びがコツみたい)

プディングベイスンではなく中華のラーメン丼(100均)で結べるか?不安だったが出来た!!出切るじゃーん!!

鍋の底に布巾を敷いて、水かポットの少し冷めたお湯でも少し入れ

プディングを置き、少しずらして鍋とプディングの間に隙間をつくり、お湯を布巾にかからない部分ぐらいまで足す(蒸している途中足りなくなってきたらこの方法で湯を足す)

目で量を測っても良いが、見えヅライ時は菜箸などで深さを確認しても良いだろう。

プディングを鍋の中央に戻し沸騰をしたら弱火にし蓋をして2時間~3時間再度(湯の量を見ながら)蒸し直す。

2~3時間後火を切って、蓋を開けて、火傷をしないようにミトンなどで掴んで鍋式の上にでも取り出す。

封を開け、そのまま直に皿でも良いのだが、うちの皿ではこの後の作業が心配だったので、一応被せていたアルミホイルを皿に拡げた。

ナイフを側面に入れて隙間を作っていく(←水蒸気が多いから以外に簡単に入っていく)。

皿をかぶせて

ひっくり返す(ドキドキ!!)。

おおー、出来ているよっ。


フランベ
この後、練習したフランベの準備に入り(ブランデーを温め過ぎるとバっと燃え上がるのでぬるいな~、ぐらいの温度で)、
火を先に点けて小さくしてから、鍋や容器を持って行く事!!
・自分はぬるく温めた後にチャッカマンを使った←点火する時は弱火から離して

一応、安全の為に下に蓋のアルミホイルを敷いていたので多少こぼれても大丈夫(って下にまな板は危ないよなー、そこまで余裕が無かった!!、燃えるものはどかしておきましょう!!、もしくは銀の大きい皿で)。

明るいと炎の感じが解らないので

炎が伝わり流れていく

この幻想的な光景がクリスマスプディング。

何度かに分け、かけて楽しみ、火が完全に消えたら明かりを点けて、一応、まだ燃えていないか?確認をして。

用意しておいたブランデーバターか、カンバーランド風ラム酒入りバター(カンバーランド・ラム・バター)を、

切り分けたクリスマスプディングに添えて食べる(今回はブランデーバター)。

あれ?コインが出てこないぞ?(ヤバイ、食べたちゃったかな?・・・と思ったら出てきた(銀紙で大きく包んでおいて良かった)。)

 味は、凄まじく複雑な味、表面の色と同じ酔うな味のイメージ(大体、見た目の色と味のイメージが共通しているものは100%確実に美味しいという事が経験上、解っている)、これはちょっと、食べた事も無い美味しさ。そしてブランデーバターと食べるとイギリスっぽい味にグっと変化をするが、これも美味しい。
まるでお肉の様だ、ケンネ脂のチカラか。

冷めるにしたがって、更に熟成と弾力性が増していき、更に美味しくなってくる。
だから熟成させる期間で味が更に良くなってくる事が実感出来る!!
熟成期間も含め時間の流れと五感で楽しめる「凄さ!!」がある。

クリスマスプディングと英国文学
クリスマスプディングの青白い炎が燃える姿を観ていて、先日偶然読み返したディケンズの「クリスマス・キャロル」の雰囲気を思い出した。
子供向けの「不思議の国のアリス」や「ジャックと豆の木」など怖くない作品から~怖い作品まで怪奇小説が多いイギリス文学との「共通項」を感じる事が出来る。
料理とは文化を理解と吸収する事でもある。
※因みに、このクリスマスプディングは清教徒革命の間中、ミンスミートパイと共に製作を禁止されていたという。

オマケ
当然食べきれないので、タッパに入れて冷蔵しておいて、後日500wのレンジで1分半ぐらいチンして

食べたら更に熟成が進んでいて驚いた。

紅茶よりもミルクティーの方がバッティングしなくて、よりイギリス料理っぽい味になると思う。


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