エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

雨の一日・・・梅と沈丁花

2010年03月06日 | 日記
今日は一日中雨が降り続いた。
暖かい雨である。

あの凍えた氷雨ではない!と言える。



雨に濡れそぼった「はこべ」である。
春の七草でもある。
草も緑を取り戻してきた。

紅梅が、雨水を滴らせているのである。



蕾が紅く艶(なまめ)かしいのである。
そして花開く。



「梅一輪 一輪ほどの 美しさ哉」
桜は群舞こそが華やかであるけれど、梅は一輪でも香り立つとの例えである。
まさにその通りである。

この時期は、紅梅が匂い立っている。
紅梅に負けない匂いを放っているのは沈丁花である。

梅は「香り」といってよいけれど、沈丁花は「匂い」なのである。



紅い沈丁花である。



白い沈丁花である。
どちらも甘く切ないほどの匂いを放擲(ほうてき)している。

その匂いを身体中に満たしていくと、母の思い出に重なっていく。

母の胸の豊かな温かさ。
母の湯上りの匂いと重なっていくのである。

初春は、美しく切ない季節でもある。




にほんブログ村 シニア日記ブログ 団塊の世代へにほんブログ村
                     荒野人


月の幻影に心躍る

2010年03月06日 | 日記
今日は土曜日である。
夜来の雨が続いていて、昨日と変わって肌寒い気候である。

過日、萩原朔太郎の「月に吠える」を評価した。
ぼくの好きな詩人の一人である。

天候不順が続いている。
従って、綺麗な月を望めずにいるけれど瞬間顔を覗かせる月がいる。




            月


       空に空いた穴が
       星であるとするなら
       月は出窓と言うべきか

       下弦であろうが
       上弦であろうが

       月は
       そこから何を覗こうとするのか
       覗くものが
       おどろおどろしいとしても
       実在する
       弦
       である

       その孤から
       実在と言う現象を
       絞り出す

       それは自我の
       覚醒である




にほんブログ村 シニア日記ブログ 団塊の世代へにほんブログ村
                     荒野人