エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

今日の桜花 Vol,1

2010年03月30日 | 日記
開花宣言から、かれこれ10日あまり。
いまだ2~3分咲きに止まっている。

それは楽しい出来事であるけれど、寒さに凍える蕾が可哀想でもある。

今日は、昨日よりは暖かいと言えども、風の冷たさは身を切るようである。



午前中は青空が桜花を鮮やかに見せていた。
午後3時以降は、寒さが厳しくなり空もどんよりと曇ってきた。



それでも、桜は綺麗である。
染井吉野の姿形は、いかなる天気にも美しく見せる術をわきまえていると言えるのだ。



東京の北区に染井墓地がある。
その周囲には造園業者が多いのであり、庭師も多く居住していた。
そうした庭師たちの作品が染井吉野という桜である。

染井墓地には、著名な人の墓が多い。

名前を列記してみよう。
  岡倉天心  幣原喜重郎  高村光雲 光太郎 智恵子  二葉亭四迷  宮武外骨
  芥川龍之介  谷崎潤一郎  千葉周作  水原秋桜子
などと枚挙に暇(いとま)が無い。
また、この墓地は水戸徳川家の墓所でもある。



智恵子抄という詩集で有名な高村光太郎・智恵子の墓である。
ここには父であり著名な彫刻家、光雲も眠っている。



芥川龍之介の墓である。
芥川は現在においても私小説の巨大な峰を形作っているのである。

また、もう一つ霊験新たかな墓所がある。
「お岩さん」である。
たたりを恐れてか、今でも映画やドラマ化する場合、スタッフやキャストたちはこの墓所に詣でるのである。

とまれ、染井吉野は咲き始めている。



この咲き初めた桜花を、小鳥が啄(つい)ばんでいる。
蜜の甘さに誘われているのである。





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                     荒野人


スノーフレーク~大待雪草の美しき肢体

2010年03月30日 | 日記
スノーフレークが今を盛りと咲いている。
まるでスズランのように。



学名: Leucojum aestivum 別名:オオマツユキソウ(大待雪草),スズランズイセン(鈴蘭水仙)。
花期は春。
ヒガンバナ科である。





スノーフレーク

            ~その美しき肢体に捧ぐ~


       その艶やかな裳裾は
       天平の妖しくも妖艶な壁画に刻まれた
       女性の一人であるのか
       何かを語りだそうとする唇は
       美しく可憐に開く

       スノーフレ-クは
       裳裾の広がりにも似て
       ぼくを包み込むのだ
       許されるならぼくはその内なる世界に埋没して
       時空を超えたいと希求する

       誰にも与えてはならない
       秘めたるその分泌する甘美な体液を
       ぼくのためだけに
       滲ませるのだ
       時空は誰の手によっても破壊できない
       時空は堅牢たる
       スノーフレークの心象世界であるのだ

       スノーフレークが純潔であるなら
       ぼくは純情でありたいのだ
       時空は一途の道となって
       永劫に続いていく





スノーフレークの花言葉は「純潔」である。
4月16日の誕生花でもある。

ヨーロッパでは1年365日、誕生花がある。
その美しき風習の始めは、ギリシア・ローマの神話時代に遡(さかのぼ)る。
その頃、花や木々は神秘的な力や神からのメッセージを宿すものと考えられていた。
ギリシア・ローマの人達は日々を司る神がいると信じ、その神と花を結び合わせて暦にしたのが誕生花であるのだ。

美しき習いである。





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