エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

古民家の歴史は自然との共生である!

2010年11月01日 | ポエム
古民家に見つける事ができるのは、ぼくたちの幼かった日々への追憶である。
そうしてそれは殆どの場合、農村の風景である。

人々が心豊かに暮らしていた時代への回顧であるのだ。

食料自給率だとか、核家族だとか、裁判員裁判だとか・・・。
そうしたカテゴリーとは無縁に生きていたのである。






        古くて暖かくて・・・


      ぼくは
      その小路を潜り抜けて
      ため池を迂回した

      古びた竹が軒下に積んであって
      飴色に光っている
      その竹から
      トカゲが慌てて竹の山に潜った

      この家は古く
      冬は寒いのだ
      この家は古いけれど
      多くの人の気配が沁みこんでいる

      この家はくすんでいるけれど
      いつも新しい生命が生まれた
      ぼくもその一人だったのだ

      悪戯ざかりのぼくと
      優しくて可愛い妹
      叔母の赤ちゃん
      従姉妹の姉たちが
      同じ井戸で水を汲んだ
      丸い卓袱台は
      みんなが
      食事をするステージだった

      この家は古くて
      暖かく
      新しかった

      遠い昔の追憶である






人は、こうした環境の中で輝くのかもしれない。
自給する食物。
自然の循環に身体と生活を任せる。



自然のあらゆる素材を活用する。
無駄なものは無いのだ!という諦観。

竹と薪のアサンブル。
美しい風景である。



お月見も自分の庭で収穫した柿、栗。
裏の畑で収穫したサツマイモ。

米粉で作ったお団子。

買ったものは何一つ無いのである。

一升瓶に挿したススキは裏庭で風にそよいでいた。
竹製の大きめなゴミ取り。
稲刈りの後、脱穀に使うのである。

生活に根ざしたお月見である。






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                     荒野人