縄文時代のカプセルで、ずっときみを待っていたのだ。
縄文時代のカプセル、それは貝塚なのである。

きみを待つ・・・太古からのモノローグ
ぼくはずっとここで横臥していたのだよ
きみの訪れを待ち続けてもう6千年の歳月が
流れ去って
いった
ぼくはまだこれからもきみを待ち続ける
6千年でも6万年でも
待つという行為は
いつだって同じだから
きみが
ぼくの眠りを解くのは
そんなに焦らなくても良いのだよ
ゆっくりゆっくり
きみの温かな感性と
きみの豊かな愛情で
ぼくを静かに揺り起してくれないだろうか
そう
そんなに焦らなくても良いのだから
ぼくは
横臥しつつぼくの周辺に溢れている
貝殻の模様と
それぞれの意匠を数え続ける
それも楽しいものだ
今までだって
そしてこれからだって
そうして時間の過ぎゆく音を聴き続けるのだよ
きみに
抱かれる時が遅れれば遅れるほど
その時に
豊穣の平野に注がれる水のように
奔放になれるから
ぼくはこうして横臥していても
決して苦痛ではないのだよ
むしろ天国を浮遊する言霊のように快楽を享受している
ぼくが生きた時間のそれのように
ぼくはまだこれからもきみを待ち続ける
6千年でも6万年でも
何光年だって
待つという行為は
いつだって同じだから

ぼくはここで生活していたのだった。
集落の仲間とはいつだって穏やかに過ごしていた。
いくつもの季節が過ぎ、海が後退していきぼくたちの集落も移動していった。
縄文海進が終わりを告げると陸地が顔を出し、川が流れ始めた。
人々は集落を川沿いに移動し、やがてぼくのこのカプセルも見捨てられていったのだった。

ぼくが生きていた時代・・・。
腰を屈めて家に入る。
そこには暖かい火が燃えていた。
空気は冷たかったけれどぼくの心はいつも暖かかった。

家の周囲は、絨毯のようにフワフワの枯葉の温床が広がっていたのだよ。
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荒野人
縄文時代のカプセル、それは貝塚なのである。

きみを待つ・・・太古からのモノローグ
ぼくはずっとここで横臥していたのだよ
きみの訪れを待ち続けてもう6千年の歳月が
流れ去って
いった
ぼくはまだこれからもきみを待ち続ける
6千年でも6万年でも
待つという行為は
いつだって同じだから
きみが
ぼくの眠りを解くのは
そんなに焦らなくても良いのだよ
ゆっくりゆっくり
きみの温かな感性と
きみの豊かな愛情で
ぼくを静かに揺り起してくれないだろうか
そう
そんなに焦らなくても良いのだから
ぼくは
横臥しつつぼくの周辺に溢れている
貝殻の模様と
それぞれの意匠を数え続ける
それも楽しいものだ
今までだって
そしてこれからだって
そうして時間の過ぎゆく音を聴き続けるのだよ
きみに
抱かれる時が遅れれば遅れるほど
その時に
豊穣の平野に注がれる水のように
奔放になれるから
ぼくはこうして横臥していても
決して苦痛ではないのだよ
むしろ天国を浮遊する言霊のように快楽を享受している
ぼくが生きた時間のそれのように
ぼくはまだこれからもきみを待ち続ける
6千年でも6万年でも
何光年だって
待つという行為は
いつだって同じだから

ぼくはここで生活していたのだった。
集落の仲間とはいつだって穏やかに過ごしていた。
いくつもの季節が過ぎ、海が後退していきぼくたちの集落も移動していった。
縄文海進が終わりを告げると陸地が顔を出し、川が流れ始めた。
人々は集落を川沿いに移動し、やがてぼくのこのカプセルも見捨てられていったのだった。

ぼくが生きていた時代・・・。
腰を屈めて家に入る。
そこには暖かい火が燃えていた。
空気は冷たかったけれどぼくの心はいつも暖かかった。

家の周囲は、絨毯のようにフワフワの枯葉の温床が広がっていたのだよ。

荒野人