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エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

タイサンボクの花咲けば

2012年06月08日 | ポエム
泰山木の花が咲いている。
宝珠形の蕾もあれば、開いた花、開ききって白い花弁に紙魚が出来てしまった花もある。



言いかえれば「繚乱」状態ではある・・・。
昨日、句会に行く途次「甘い匂い」が漂う三辻があった。

歩道から歩道へ、ヒョイと渡った先にタイサンボクの木があって、甘い匂いはそこから来ている。
見上げると白い花があったのである。







 「気付かせる鼻孔くすぐり泰山木」


 「色白のタイサンボクの花高く」


 「晴れた日や泰山木の花毀れ」






花は、木の高みにあって咲いている。



しかも隠れるようにある。

泰山木・・・。
北米中南部原産の花卉である。
放っておくと木の高さは20メートルにもなる木である。

アメリカ合衆国南部を象徴する花木とされ、ミシシッピ州とルイジアナ州の州花に指定されているのである。
ミシシッピ州は、州内にタイサンボクが多いことから、タイサンボクの州 (Magnolia State) という愛称があるほどである。



何とも不思議な花卉である。
雰囲気は、アジアンである。

花の形と言い、その匂いといいアジアの何処かの街中で咲いていても可笑しくないイメージである。
花言葉は「自然の愛情」「威厳をつける」である。
また「前途洋洋」とする説もあるのだ。



上田五千石という俳人がいた。
彼は、タイサンボクをこう詠んでいる。




 あけぼのや泰山木は蝋の花 五千石




確かに、蠟の花である。
いや、花弁の肌の艶やかさは琺瑯のようでもある。





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  荒 野人