この13日が桜桃忌であった。
太宰治が逝ってから64年が経った。

ぼくの若かった精神に多大な影響を残した作家である。
ぼくが生れた日から3日目に彼は玉川上水に入水して逝った。
太宰忌の日、ぼくは東村山の北山公園で花菖蒲を愛でていたのである。
いま、改めて太宰忌を詠んだ。
太宰の作品や伝聞を、脳裏に浮かべつつ詠んだのである。
桜桃忌10句である。
破綻している句があったら、御容赦いただきたい。
そもそも太宰自身が無頼派なのだから・・・。

「太宰忌の暮れなずむ陽の赤さかな」
「太宰忌の風恥らいて小気味良し」
「人の世の煩わしさや桜桃忌」
「太宰忌や俯いたまま歩きけり」
「海峡や昼でも昏き桜桃忌」
「太宰忌は二三日前の記憶かな」
「太宰忌の俄かの雨や濡れそぼり」
「人を待つ待たせる辛さ桜桃忌」
「太宰忌や放屁したるも楽しかり」
「富士仰ぎ何を重ねる桜桃忌」

太宰治の代表作は「走れメロス」「津軽」「お伽草紙」「斜陽」「人間失格」「駆込訴え」などである。
ぼくには太宰治とともに脳裏に刻まれた作家がいる。
田中英光である。
彼は太宰を師と仰ぎ弟子入りする。

最後は太宰の墓前で自哉して果てるのである。
だがしかし、代表作「オリンポスの果実」で彼は今でも生きている。
彼はボート選手としてオリンピックに出場しているアスリートであった。

ぼくは田中英光を思うと滂沱として涙が流れる。

青森にある太宰の生家「斜陽館」である。
かつては旅館として営業していたけれど、今は太宰記念館となっている。
ダダイズムの聖地である。

今夜桜桃(サクランボ)を食べた。
太宰の退廃の味がした。
田中の涙の味がした。
少し悲しかった。
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荒 野人
太宰治が逝ってから64年が経った。

ぼくの若かった精神に多大な影響を残した作家である。
ぼくが生れた日から3日目に彼は玉川上水に入水して逝った。
太宰忌の日、ぼくは東村山の北山公園で花菖蒲を愛でていたのである。
いま、改めて太宰忌を詠んだ。
太宰の作品や伝聞を、脳裏に浮かべつつ詠んだのである。
桜桃忌10句である。
破綻している句があったら、御容赦いただきたい。
そもそも太宰自身が無頼派なのだから・・・。

「太宰忌の暮れなずむ陽の赤さかな」
「太宰忌の風恥らいて小気味良し」
「人の世の煩わしさや桜桃忌」
「太宰忌や俯いたまま歩きけり」
「海峡や昼でも昏き桜桃忌」
「太宰忌は二三日前の記憶かな」
「太宰忌の俄かの雨や濡れそぼり」
「人を待つ待たせる辛さ桜桃忌」
「太宰忌や放屁したるも楽しかり」
「富士仰ぎ何を重ねる桜桃忌」

太宰治の代表作は「走れメロス」「津軽」「お伽草紙」「斜陽」「人間失格」「駆込訴え」などである。
ぼくには太宰治とともに脳裏に刻まれた作家がいる。
田中英光である。
彼は太宰を師と仰ぎ弟子入りする。

最後は太宰の墓前で自哉して果てるのである。
だがしかし、代表作「オリンポスの果実」で彼は今でも生きている。
彼はボート選手としてオリンピックに出場しているアスリートであった。

ぼくは田中英光を思うと滂沱として涙が流れる。

青森にある太宰の生家「斜陽館」である。
かつては旅館として営業していたけれど、今は太宰記念館となっている。
ダダイズムの聖地である。

今夜桜桃(サクランボ)を食べた。
太宰の退廃の味がした。
田中の涙の味がした。
少し悲しかった。

荒 野人