エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

真青

2012年06月12日 | ポエム
万緑の候がそこまで来ている。
美しい言葉である。

だが「真青」も美しい概念である。
「まっさお」と読んで欲しい。
俳句としては「まさお」と読む。

いま、歩いていると緑が真青である。
その真青の世界にピンクがあったり、生き物が犇めいている。

梅雨が明けたら「万緑を詠おう!」などと思っている。







 「竹林の葉擦れ落ち来る真青かな」


 「若竹の触れる弾ける真青かな」







竹林はいつでも清冽である。
しかも、まだ皮を剥ぎ落としている最中であって、若竹は真っ青である。

思わず俳句ができたのであった。







 「花ウツギ軽やかに在り軽く散り」


 「午後の陽を惜しむかのごとウツギ咲き」







サラサウツギである。
ウツギは漢字で書くと「空木」だ。

花の見た目は「トキワマンサク」に似ている。

ピンクが鮮烈であって、可愛い花である。
花びらがはらはらと散って得もいえぬ風情である。







 「湧水の流れ鮮烈軽鳧の子や」



 「清らかな流れ澄ませる軽鴨の子や」







軽鳧の子、あるいは軽鴨の子と書いて「かるのこ」と読む。
俳句特有の読み方である。

カルガモの子は、夏の季語である。
親の鴨とともに清冽な水をかき分け泳いでいる姿は可愛い。

良く見ると、親は親でも母鴨は子をしっかり見ている。
父鴨は、自分勝手に川面を泳いで遊び回っている。

カルガモの世界でも、父親は母親に子育てを任せきっている・・・。

と・・・散歩中の方に教えて頂いたのであった。
自責の念・・・しきりである。




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  荒 野人