エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

月下美人

2012年07月10日 | ポエム
月下美人は夏の季語である。
誠にたけた花である。
かてて加えて、夜花開くという妖しくも憂いを秘めた花である。



月下美人は食用に供される。
例えば、開花中の花、開花後のしぼんだ花ともに食用にでき、咲いている花は焼酎につけると保存できる。
台湾ではスープの具として使われるのである。



あるひと夜、ぼくは咲いているだろうとの予測を付け、出かけたのである。
二輪が見事に咲いていたのだ。
しかも、誰も見に来ていない。

こんな見事な花なのに「勿体ない」ではないか。



ぼくは懐中電灯で花を照らしつつ写真を撮りまくった。







 「月下美人の周りを圧する薄暮かな」


 「蕊ながなが絡めとらるる月下美人」







花言葉は「はかない美」「はかない恋」「繊細」「快楽」「ただ一度だけ会いたくて」「強い意志」である。
なんだか悲しいような、恋慕の強さだけが強調されている花言葉である。






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  荒 野人