
伝承ではロムルスとレムス兄弟に率いられたラテン人がローマを建設したのは紀元前753年頃とされる。
正に、フォロ・ロマーノの整備は紀元前6世紀頃に始まるのである。
フォロ・ロマーノが現在の輪郭になったのは、ガイウス・ユリウス・カエサルによる西側の大改装の結果である。
すでにそれ以前から、フォロ・ロマーノを整然と計画されたものにする努力は行われており、カエサルの計画は、いわはその集大成であった。
その計画は彼の暗殺によって、初代ローマ皇帝アウグストゥスへと引き継がれる。

正に悠久の歴史が、ローマ市内に横たわっているのである。
この遺跡のメイン通りは、カエサルも又凱旋した記憶として残っているであろう。
ぼくの頭の中で、音楽が鳴った。
ショスタコヴィチの第5番第4楽章・アレグロ・ノン・トロップである。
誇らしげに、カエサルが従者を従え戦車上にいる。
勇壮なイメージである。

荒 野人