エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

白梅

2017年02月02日 | ポエム
梅は咲いたか・・・
昔から良く耳にする「端唄」である。
桜はまだかいな・・・と続く。



三味線の音がまた、芸妓のこえに響くのである。
座敷芸の極みでもある。

白梅が開き、やがて紅梅が開き出す。
日本人の感性・・・と云うより漢字表記の表現感性と云うべきであろうか。
その優れて鋭さが伺える言葉がある。



梅は「綻ぶ」と云い、桜は「咲く」と云う。
ほころぶ・・・なんと云う美しい表現だろうか。
古人の植物に寄せる愛情が、迸り出ているような表現ではないか、







「ほころんでいるのは白き梅ばかり」







紅梅は華やかであるけれど、白梅は実に楚としている。
具象化する場合は、紅梅が不可欠だけれど・・・。
白梅なくして紅梅はあり得ない、のである。

暫くは、美しい世である。



     荒 野人