エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

東京大仏

2017年02月12日 | ポエム
東京大物は、板橋区の外れである。
江戸時代には「板橋田圃(いたばしたんぼ)」と称されていた農村である。
幕末には、この地域一帯で幕府群と薩長同盟軍の戦があった。
坂の多い町である。



大仏としては、誠に立派である。
アプローチとして、山門から続く長い階段登ると鎮座する。



暖かく微笑んでおられる。
ぼくは、折に触れ個々を訪なう。
祈りを捧げる。



百円也の線香を買い求め、その煙を浴びる。
厳かな気分に入ってゆく。

墓域は狭いけれど、卒塔婆が多いのが特徴かもしれない。







「卒塔婆や風遣り過ごし春に朽つ」







この卒塔婆のカタカタと鳴る、風の音。
その音に送られて、寺院を去る時・・・。
ぼくは哀しさの中の希望、を見出すのである。



     荒 野人