エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

曼珠沙華に・・・

2014年09月25日 | ポエム
巾着田の曼珠沙華は、見事である。



花の場所が限定的である分、艶やかさが際立つのかもしれない。



高麗川を渡る「あいあい箸」の袂の斜面である。
白花曼珠沙華が多い場所の一つである。



従って、ぼくのような「俄(にわか)カメラマン」が多いのである。







「白々と彼岸の花の茎青く」







白い花は、赤の絨毯の中で咲くのであるから極めて目立つ存在である。
翻って、もの悲しさのシンボルでもある。
こうして群生する曼珠沙華を見ていると「嗚呼、女は偉大である」と嘆息しきりである。



原始、女性は太陽であった・・・。
とする「平塚らいてぅ女史」の言葉は、至言であると思うのだ。

一方、曼珠沙華は毒を持った植物である。
モグラ対策で畦道に植えたとある。
納得である。



      荒 野人

曼珠沙華の終わり

2014年09月24日 | ポエム
思いつきである。
ほんの、ささやかな思いつきであった。

池袋に出、レッドアロー号に身を任せた。
因みに、レッドアロー号は西武線の特急である。



高麗の巾着田に曼珠沙華を見に出かけたのである。



見頃の終わりを迎えようとする、巾着田であった。



林を巻き込むように、およそ5百万本の曼珠沙華が群生する。



素晴らしい、見頃の終わりであった。
巾着田・・・誠に上手いネーミングである。

高麗川の蛇行が、巾着の形をしていることから命名された。
昭和40年代に整地したところ、9月頃一斉に曼珠沙華が咲き揃ったという。
清流高麗川の増水によって、上流から球根が流されてきたらしいと云うのだ。







「曼珠沙華人の歩みと風を受く」







明日また、報告したいのだけれど・・・。
写真が多くて、お見せできないポイントが多すぎる。

見頃の終わりは、おそらく後3日は猶予をくれている。
出かけてみてはいかがだろうか。



       荒 野人

さらば夏の光よ!

2014年09月23日 | ポエム
さらば・・・と言っても良かろう。
とにかく、朝晩は寒いくらい涼しい。



猛々しかった林は、柔らかな光に包まれている。
秋の林は、穏やかに抱きすくめるように静かになった。



散歩の途次、カフェでマンゴー・ミルフィーユを頂いた。
アイスコーヒーを一緒に頂いた。
ちょうど三時のお茶の時間であった。

オープンなテラスに座って、オリーブの葉陰でゆったりとしたのであった、
マンゴーの少し癖のある奄美が口中に広がって、幸せな気分になった。







「秋の日のオリーブ葉裏増す白さ」







オリーブの実は熟れつつあり、青さの中に丸やかさが加味されて来ている
葉裏の白さが目立ち、葉を透過する光はあくまでも穏やかであった。



見上げたら、雲は充分に光を吸って秋の到来を告げていたのであった。
「さらば、夏の光よ!」
そう云わざるを得ないほど、爽やかであった。



     荒 野人

おみなえし

2014年09月22日 | ポエム
女郎花と書く。
風に、なよなよと吹かれる風情を見て古人はそう命名したのだろうか?
「おみなめし」とも云う。



翻って「おとこえし」という白い花もある。
女郎花は黄色であるけれど、オトコエシは白花なのである。
オトコエシの開花期は、女郎花よりも少し早めで8月初めとある。

従って、ついぞオトコエシを目にする事ができない。
女郎花に気づく頃、オトコエシは花期を終ってしまっているのだ。
今年もその伝に洩れず、見損なってしまった。
誠に残念である。



花の終わった「おとこえし」である。
けれど、咲く場所をしっかりと確認したので来年は心して見に出掛けようと思っている。







「女郎花気配を告げず道を縫う」







今日は,昨日に続いて爽やかな秋晴れの様相である。
南出は台風の影響が出ている。

関東には、24日或は25日が接近日だという。
何事も無く「やり過ごせたら」良いのだが・・・。



       荒 野人

さわぎきょう

2014年09月21日 | ポエム
沢桔梗である。

水辺に咲く、小紫の可憐な花。
一本の細い茎に、花序を下から開く。
誰もが一度は目にしている花だ。



花言葉は・・・。
「高貴」「特異な才能」「繊細」「敵意」である。



この花のそばには、ガマノホワタが風を従える。
周りの植物が風の吹くままに揺れるのに・・・
ガマノホワタは、ゆっくりと抗うかの如く揺れるのだ。







「沢桔梗だれ隔てなく風の吹く」







もう、そろそろ花が終わる。
風はすっかり立った。

ぼくは、生きている。
都会の風だろうが、山麓の風だろうが、風は誰の上にも吹く。
問題は、その風が何を運ぶかだ。

ぼくの上に吹く風は、詩心であって欲しい。

そうそう、沢桔梗は毒のある植物である。
綺麗な花には毒がある・・・。

それは本当だ。




       荒 野人