重原水鳥「お飾り妻アナベルの趣味三昧の日々 -初夜の前に愛することはないって言われた?"前"なだけマシじゃない-」と谷川俊太郎原作飯野和好絵「おならうた」読了。
「お飾り妻-」私はあまり読んでいないのですが、お飾り妻ものに白い結婚というのがあります。「結婚から三年間一度も体の関係がなければ白い結婚であることを認める」という国の法律で最終的に夫との縁がきれるというもの。実際あるのかどうかわかりませんが、この手のはドロドロが多いのよね。愛憎劇はあまり読まないので、どちらかというとお飾り妻のはずだったのに溺愛される系が好きです。これは別に好きな人がいる侯爵と結婚したドロシアが、初夜だけ勤めた旦那さんから放置されるお話。しかも王都の劇場では白い結婚物が流行。劇を見ながらアナベルはみじめな気持ちになります。前に言ってくれるだけいいじゃないと。しかも同じ話の焼き直しが多かったのにどんどん派生が出て色んなパターンが出て来ます。ははは、新文芸の世界じゃないの。結婚前の友人が商家に嫁いで色々面倒を見てくれています。観劇や美術鑑賞や。そのうちアナベルは家に飾る絵を買うように。いつの間にか彼女は先見の明があるということになっていたみたいで。アナベルが楽しそうにしているのが良いです。絵の趣味や花瓶の趣味が好みです。
「おならうた」谷川さんの軽快な詩が飯野さんの独特な絵で描かれます。いもくってぶ、くりくってぼ…てな感じです。飯野さんの絵はホラーにでもできそうな癖のある絵ですが、谷川さんの詩がおかしいので良い感じに笑えます。あるいてび、すかしてへ。すかしては日本舞踊の先生が踊りながらこっそりって感じで、あるいてはおじいさんが夏祭りで孫の手をひきながらこいています。孫ははしょった浴衣でヨーヨーを振り回しながら微妙な顔をしているし、おじいさんは片方の手に金魚がつまったビニールを3袋も持っています。匂わないはずの金魚達まで暴れています。いずれもお尻のあたりに黄色い気体が漂っているのでまるわかりです。袋の中で暴れている金魚がかわいい。真っ赤な金魚で見えるだけでも7匹もいます。おじいさんすくうのが上手いのね。
最新の画像[もっと見る]
- リト@葉っぱ切り絵展 1 2日前
- リト@葉っぱ切り絵展 2 2日前
- リト@葉っぱ切り絵展 3 2日前
- リト@葉っぱ切り絵展 4 2日前
- リト@葉っぱ切り絵展 5 2日前
- 特別展 東郷青児 美の変奏曲 4日前
- 今朝の朝ごはん 4週間前
- メリークリスマス! 1 4週間前
- メリークリスマス! 2 4週間前
- 丹波篠山城跡 1 1ヶ月前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます