自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★断捨離、リセット、値上げ 「年賀状離れ」が進む

2023年12月20日 | ⇒ニュース走査

   最近、ネットやメディアなどで「人間関係リセット症候群」という言葉がよく使われている。スマホのSNSで人と人が気軽につながれるようになった一方で、こうした人間関係に疲れてしまい、リセットして関係を断つことを指す。「症候群」と言っても、病気ではなく、人間が陥りやすい心理状態を表した造語のようだ。

   表現としてふさわしくないかもしれないが、断捨離という言葉もある。不要な物を処分するだけでなく、物にとらわれずに生きていこうとする考え方だ。断捨離がちょっとしたブームになったことがあり、これまで交わしていた年賀状を「新年から止めます」と葉書をもらったことが何度かあった。確かに、何年も会っておらず、顔を忘れかけている人と年賀状だけでつながることに、どのような意味があるだろうかと考えると、この際、リセットしよう思うことは自然な流れかもしれない。SNSで人間関係の煩わしさを感じて断捨離しても、これも自然な流れだろう。 

   話は変わる。年賀状離れが進むかもしれない。総務省は18日、来年秋に定形郵便物の封書について、25㌘以下の84円、50㌘以下の94円をそれぞれ110円に値上げし、重量区分を1区分に統合する。また、通常葉書は現状の63円から85円に引き上げる方針を示した(総務省公式サイト「郵便法施行規則の一部を改正する省令案説明資料」より)。ネットやSNSの普及で需要が減少し、人件費や燃料費の高騰などが追い打ちをかけ、日本郵便の令和4年度の郵便事業が民営化以降初めて赤字となったことを受けての値上げの案。

   値上げが来年秋となれば、影響を受けるのは令和7年の年賀状ではないだろうか。日本郵便は、令和6年用の年賀はがき発行枚数を14億4000万枚と発表。令和5年は16億4000万枚だったので、1年間で2億枚減少したことになる。値上げで年賀状離れにもますます拍車がかかりそうだ。

⇒20日(水)夜・金沢の天気     あられ

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☆北朝鮮のICBMの狙い アメリカ全土を射程に

2023年12月18日 | ⇒ニュース走査

   昨夜に弾道ミサイルを日本海に発射した北朝鮮がけさもICBM級の弾道ミサイルを発射した。防衛省はきょう午前8時24分ごろ、北朝鮮からICBM(大陸間弾道ミサイル)級のミサイル1発が発射され、北海道の奥尻島の北西およそ250㌔の日本のEEZ外の日本海に9時37分ごろ落下したとみられると発表した。飛行距離は1000㌔ほど、最高高度は6000㌔超でおよそ73分間飛行したと分析されている。

   北朝鮮は7月12日にもICBMを1発発射している。このときも74分間飛翔し、北海道の奥尻島の西方250㌔の日本海のEEZ外に落下。飛翔距離は1000㌔、最高高度は6000㌔を超えると推定されている。(※写真は、2022年3月24日に北朝鮮が打ち上げたICBM「火星17型」=同月25日付・労働新聞Web版)

   今回の軌道は高い角度で打ち上げて飛距離を抑える、いわゆる「ロフテッド軌道」と呼ばれる。これを通常の軌道で発射すれば、搭載する弾頭の重さなどによっては飛行距離が1万5000㌔を超えてアメリカ全土が射程に入る(※図は防衛省公式サイト「北朝鮮による核・弾道ミサイル開発について」より)。このことは当然アメリカも意識しているに違いない。

   以下は自身の憶測だ。北朝鮮はロシアと連携し、ICBMを打ち上げることでアメリカの意識をウクライナから朝鮮半島へとそらすことを画策しているのではないだろうか。ロシアとすれば、クラスター爆弾を供与するなどウクライナへのアメリカの肩入れがハードルになっている。そこで、アメリカに北朝鮮を注目させる。朝鮮戦争の再開を目論んでいるかもしれない。さらに、中国による台湾への軍事侵攻を仕掛けさせて、アメリカを巻き込ませる。そのようなシナリオをロシアが描いていても不思議ではない。

   このところ、ロシア・中国・北朝鮮の首脳外交が活発化している。プーチン大統領と習国家主席が北京で首脳会談(10月18日)、金総書記とプーチン大統領によるロシアでの首脳会談(9月13日)が開かれている。首脳会談では当然、3国間での安全保障についても語り合ったことだろうと想像して勝手にシナリオを描いた次第。

⇒18日(月)午後・金沢の天気  くもり時々あめ

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★日本海を狙い撃ち JPCZ寒波と弾道ミサイル

2023年12月17日 | ⇒ニュース走査

   きょう金沢では初雪が降った。自宅の庭先でもうっすらと雪がつもった=写真=。午後の気温は8度、夕方は5度だった。おととい15日は22度で生暖かい空気が漂っていた。このところの寒暖差のせいか、体調が今一つさえない。熱はないが、くしゃみや鼻水が出る。あす18日にかけて北陸や北日本の日本海側を中心に、猛ふぶきや大雪など荒れた天気との予報が出ている。

   日本海を直撃する寒波が「JPCZ」(日本海寒帯気団収束帯)。この影響で日本海から活発な雪雲が断続的に流れ込み、局地的に降雪量が多くなるおそれがあると気象庁が発表している(15日付)。シベリアから寒気団が日本海に向かって流れてくる際に朝鮮半島北部の白頭山によって、いったん二分されるが、その風下で再び合流し、雪雲が発達しやすい収束帯(ライン)となって北陸地方などになだれ込んでくる。2021年1月にJPCZが若狭湾付近に停滞して大雪が降り続き、福井県の北陸自動車でおよそ1600台が2日間動けなくなったことが連日ニュースとなったことがある。今回は新潟県で70㌢、北陸で40㌢と予想されている。

   そして、防衛省は先ほど午後10時40分の速報で、「北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されました」と報じた。日経新聞Web版(17日付)によると、韓国軍合同参謀本部は、北朝鮮が同日午後10時38分ごろ平壌周辺から日本海に向けて短距離弾道ミサイル1発を発射したと発表した。

   北朝鮮が弾道ミサイル発射するのは9月13日以来ではないだろうか。このときも2発の弾道ミサイルが半島の西岸付近から日本海に発射され、落下した場所は日本のEEZの外側だった。それ以降、北朝鮮は人工衛星に専念し、11月22日に軍事偵察衛星「万里鏡1号」を打ち上げた。打ち上げは再び弾道ミサイルに戻ったのだろうか。

⇒17日(日)夜・金沢の天気   あめ時々ゆき

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☆冬の北陸「冬眠しているはず」のクマが住宅地に出没

2023年12月16日 | ⇒ニュース走査

   師走も後半に入り、クマは冬眠に入っているものと考えがちだが、そうではないらしい。きょう午前、金沢市に隣接する白山市の住宅地で70代の女性が住宅敷地内でクマと遭遇し襲われ、顔面や左腕を負傷した。午後にも高齢の男性と60代の女性が襲われ、合せて3人がけがを負ったと地元メディア各社が伝えている。夕方、3人を襲ったクマは駆除されたものの、別のクマが隠れている可能性があり、引き続き警察や猟友会などが周辺を捜索している。

   現場は山中ではなく、いわゆる田園地帯の住宅街で、近くに鉄道や幹線道路が走る。クマの行動域は25㌔から100㌔がテリトリーとされているが、ドングリなどのエサが不作のときのはさらに行動範囲を拡大することで知られる。石川県生活環境部自然環境課がことし8月中旬から9月上旬にかけて実施した「ツキノワグマのエサ資源調査」によると、ブナの実は金沢市は「豊作」「並作」だが、周辺の白山市地域では「凶作」や「大凶作」のところもある。冬眠時期にもかかわらず、エサを求めてクマが徘徊しているのだろうか。

   ことし1月から県に寄せられたクマの目撃・痕跡情報は309件、冬眠時期に入った今月も目撃情報が15件におよんでいる。懸念されるのは人身事故だけでない。UNEP(国連環境計画)がまとめた報告書に「ズーノーシス(zoonosis)」という言葉が出てくる。新型コロナウイルスの発生源として論議を呼んでいるコウモリなど動物由来で人にも伝染する感染病を総称してズーノーシス(人畜共通伝染病)と呼ぶ。欧米を中心に感染が懸念されている天然痘に似た感染症「サル痘」、エボラ出血熱や中東呼吸器症候群(MERS)、HIVなどこれまで人間が罹ってきた感染症はズーノーシスに含まれる。

   ズーノーシスに感染したクマなどの野生動物が今回の人身事故のように人里や住宅街に頻繁に入ってくることで、日本でも「ズーノーシス」が起きるのではないか。新たな感染症がもたらされるかもしれない。

   話は冒頭に戻る。自身事故を起こしたクマは冬眠しないのか、あるいは冬眠を一時中断したのか。「クマは冬眠する」という概念は吹き飛んだのではないか。

⇒16日(土)夜・金沢の天気    あめ

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★栄光の背番号「17」 内閣支持率ガタ落ち17%

2023年12月15日 | ⇒ニュース走査

   きょうは午前中から暖かい空気が漂っていた。夕方、金沢の山沿いの道路を車で通ると、街路に設置されている気温計が22度だった。時間は午後4時15分ごろ。冬の北陸でしかも12月中旬に22度は異様な気温だ。今後、ガラリと空気が入れ替わるようだ。金沢地方気象台は、17日から北陸地方に強い寒波が流れ込み、雪になると予報を出している。この寒波は24日のクリスマスごろまで居座るようだ。

   ニュースも寒暖な話題。TVメディア各社は日本時間できょう午前8時から、大リーグのドジャースと10年契約を結んだ大谷翔平選手が記者会見に臨んだ様子を生中継で報じていた。背番号「17」の真新しいユニフォーム姿を着て、「勝つことが今の僕にとっていちばん大事なことだと思うし、優勝に欠かせなかったと言われる存在になれるよう全力で頑張りたい」とワールドシリーズ優勝への決意を語っていた。新聞メディア各社はきょうの夕刊トップで報じている=写真=。

   寒々しいニュースは、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題。NHKニュースWeb版によると、安倍派の所属議員の複数の秘書が東京地検特捜部の任意の事情聴取に対し「派閥側からのキックバックは現金で受け取り、政治資金収支報告書に記載しないよう指示された」と説明していることが分かった。東京地検特捜部は、キックバックされた金額が多い議員を中心に任意の事情聴取を要請していて、不透明な資金の流れの実態解明を本格化させる。

   時事通信Web版(14日付)によると、12月の世論調査(11-12日実施)で岸田内閣の支持率は前月比4.2ポイント減の17.1%となり、2012年12月に自民党が政権復帰後の調査で最低を更新した。世論調査で内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」とよく言われる。それにしても、17%に落ち込むとは。寒々しい。

⇒15日(金)夜・金沢の天気    くもり

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★「酒蔵の科学者」農口尚彦杜氏の仕事の流儀

2023年12月13日 | ⇒ニュース走査

   どぶろくに続いて日本酒の話。けさの石川県の地元紙によると、能登杜氏の農口尚彦氏が文化活動で優れた功績を上げた人や団体に贈られる文化庁長官表彰に選ばれたとの記事が掲載されている。御年まもなく91歳、16歳から酒蔵に入った杜氏の超ベテランだ。

   小松市の里山にある酒蔵「農口尚彦研究所」をこれまで何度か訪れたことがあり、直近では去年12月。高齢ながら酒蔵の中をきびきびと動く姿やその腕の太さを見れば、いかに屈強な仕事人であるかが理解できる。そして、杜氏の部屋を訪れると、自らしたためた酒造りに関するノートが山のように積まれている。まるで研究室のようで、「酒蔵の科学者」だ。そして、農口杜氏の酒造り意欲はまったく衰えてはいない。この言葉から理解できる。「ブルゴーニュワインのロマネ・コンティをイメージして造っている」

   農口杜氏の酒造りは日本酒ファンからは「酒造りの神様」、地元石川では「能登杜氏の四天王」と尊敬される。「山廃(やまはい)仕込み」を復活させた「現代の名工」でもある。その神業はNHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」(2010年3月)でも紹介された。それでもなお、ロマネ・コンティをイメージして酒を造ると意欲を燃やしている。その心を尋ねると、「のど越しのキレと含み香、果実味がある軽やかな酒。そんな酒は和食はもとより洋食に合う。食中酒やね」。農口杜氏の山廃仕込み無濾過生原酒は銀座、パリ、ニューヨークなど世界中にファンがいて、22ヵ国に輸出されている。

   農口氏と初めて会ったのは2009年。自身が金沢大学で教員をしていたときで、担当していた地域学の講義科目「いしかわ新情報書府学」の非常勤講師として酒造りをテーマに講義をお願いした。それから3年連続で講義をいただいた。毎回自ら醸造した酒を持参され、講義の終わりには学生にテイスティングしてもらい、学生たちの感想に熱心に耳を傾けていた=写真=。

   農口氏自身はまったくの下戸(げこ)で飲めない。その分、飲む人の話をよく聴く。日本酒通だけでなく、学生や女性、そして海外から訪れた人からの客観的な評価に率直に耳を傾ける。それをノートにまとめ、「研究室」に積んでいる。時代感覚を意識した酒造り、世界で求められる味わいの探究、農口杜氏の仕事の流儀は果てしない。

⇒13日(水)午前・金沢の天気     はれ

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★寒々しいニュースあれこれ・・政治資金問題を一喝した人

2023年12月11日 | ⇒ニュース走査

   きのう、おとといと気温は20度まで上がり暖かさを感じたが、きょうは一転して寒々しく、最高気温は12度の予想だ。金沢の2週間予報は、15日に再び気温が上がり22度に、そして17日からは雪マークが連日並ぶ。春に向かう「三寒四温」とは逆に、「四寒三温」で本格的な冬に向っている。

   政治も寒々しい。連日、メディア各社が「安倍派五人衆」を報じている。自民党「清和政策研究会」の政治資金パーティーをめぐる問題で、松野官房長官、西村経産大臣、萩生田党政調会長、高木党国会対策委員長、世耕党参院幹事長の5人の名前が上がっている。岸田総理は役職を交代させる意向を固め、近く内閣改造・党役員人事に踏み切るようだ(10日付・朝日新聞ニュースWeb版)。

   久しぶりに元気のいいおばさんの声を聞いた。田中真紀子氏。田中角栄元総理の長女で衆院議員を6期、外務大臣などを務めた。名言がある。もう四半世紀前のことだが、自民党総裁選に立候補した小渕恵三氏を「凡人」、梶山静六氏を「軍人」、小泉純一郎氏を「変人」と評して話題となった。その真紀子氏が8日に国会内で記者会見し、松野官房長官が「差し控える」と釈明を繰り返していることに言及。「差し控えるというのは、やましいから答えられないんでしょ」「国民はばかじゃない。差し控えてはいけない。だったら、議員になるのを差し控えた方がいい。そんな、すっとぼけた言葉の使い方をしたら、だめだ」と一喝した。   

   詐欺がグローバル化している。水戸市で開催されていたG7広島サミット関連会合「内務・安全担当相会合」=写真=の最終日の10日、共同声明を採択した。NHKニュースWeb版(10日付)でその内容をチェックすると、主要な項目の1つとなったのが、国境を越えて行われる組織的な詐欺への対策だった。イギリスでは組織的な詐欺の年間の被害額が日本の特殊詐欺の去年1年間の被害額の11倍にあたる4100億円余りにのぼるほか、アメリカではインドなどでの「コールセンター」を拠点にした詐欺で、年間1400億円余りの被害が出ているという。

   今後さらに生成AIの技術が詐欺などの犯罪に悪用される可能性があることを各国が認識した上で、情報共有と捜査機関の対応能力の強化を行う。また、経済安全保障の観点から政府機関や企業から先端技術や情報が流出するのを防ぐための連携強化を共同声明に盛り込んだ。犯罪のグローバル化とテクノロジー化の対応が急務になっている。

⇒11日(月)午前・金沢の天気    くもり

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☆「大谷翔平」で沸いたこの1年 締めは「7億㌦契約」

2023年12月10日 | ⇒ニュース走査

   ことし1年のニュースは何かとプロ野球大リーグの大谷翔平選手で盛り上がった。その締めは「ドジャーズと10年で7億㌦の契約」というビッグニュースだ。

   CNNニュースWeb版は「Two-time AL MVP Shohei Ohtani agrees to historic deal with Los Angeles Dodgers」(意訳:ア・リーグMVPに2度輝いた大谷翔平がロサンゼルス・ドジャースとの歴史的な契約に合意)の見出しで=写真・上=、また、ニューヨークタイムズWeb版も「Shohei Ohtani, most coveted free agent in baseball history, to sign $700 million contract with Dodgers」(意訳:野球史上最も切望されたフリーエージェントの大谷翔平がドジャースと7億㌦の契約を結ぶ)と最大級の賛辞で取り上げている=写真・下=。

   大リーグ6年目の大谷選手は今シーズン、バッターとしてホームラン44本を打ってホームラン王のタイトルを獲得し、ピッチャーとしても10勝をあげ、「二桁勝利、二桁ホームラン」を達成。大リーグで史上初となる2年連続での快挙だった。シーズンMVPも、史上初となる2回目の満票での受賞。MVPは全米野球記者協会に所属する記者30人の投票によって選ばれ、2021年に続いて記者全員が1位票を入れた。これも、ニュースで大きく取り上げられ、NHKなどは「速報」で報じていた。

   ことし2023年という年は大谷選手が春から大活躍した。3月22日、WBC決勝戦「日本対アメリカ」戦。9回表で大谷投手はマイク・トラウト外野手を空振り三振で仕留め、日本優勝を決めた。この決勝戦はテレビ朝日が中継(放送枠・午前8時25分-午後0時8分)、平均世帯視聴率が42.4%(関東地区)という驚異的な数字だった。視聴率とともに大谷選手の人気もさらに高まった瞬間だった。

   名実ともに大リーグトップのスター選手となった大谷選手。フォロワーが625万人もいるインスタグラムで「野球人生最後の日までドジャースのためだけでなく野球界のために努力し続けたいと思う」と投稿している。さて、来期はどのような活躍を見せてくれるのか。

⇒10日(日)午前・金沢の天気    はれ 

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★「能登かき」は生育不良、「かきまつり」中止の衝撃

2023年12月08日 | ⇒ニュース走査

   ちょっと日本海の魚介類の様子が変だ。能登半島の穴水湾はカキの養殖が盛んで、例年2月には「雪中ジャンボかきまつり」が開催されている。自身も家族で何度もカキを食べに行ったことがある。地元メディアによると、カキの生育不良のため例年並みの数量を確保するのが難しいとして、来年予定していた「かきまつり」は中止となった(7日付・北國新聞)。

   かきまつりは、毎年2月10日と11日に町営の広場で延長400㍍の炭火焼きコーナーにコンロを並べ、採れたてのカキを焼いて味わう=写真=。例年数万人が訪れる町の一大イベントだ。それが開催中止となった。

   報道によると、カキの殻が例年の出荷サイズになっておらず、先月下旬から主催者の町観光物産協会と生産者の間でかきまつりの開催をめぐって協議してきた。まつりで用意する8万個余りのカキが確保できないと判断し、中止を決めた。猛暑などで半分ほどのカキが死滅しているという。コロナ禍で中止はあったものの、生育不良による中止は1988年にかきまつりが始まって以来初めてのこと。

   能登半島の養殖カキは「能登かき」と呼ばれブランドになっている。里山の栄養分が川を伝って流れ、湾に注ぎこむ。その栄養分が植物プランクトンや海藻を育み、海域の食物連鎖へと広がり、カキもよく育つとされる。とくに、里山の腐葉土に蓄えられた栄養分「フルボ酸鉄」が豊富にあるとされる。

   ところが、ことしは夏から秋にかけての猛暑がたたり、石川県水産総合センターの9月時点の調査で、湾全体の深度10㍍の水温は過去5年の平均と比較して2.6度高くなった。海水温が高い影響で死滅するカキが激増した。さらに、もう一つの原因として指摘されているのが、クロダイによる「食害」だ。2年ほど前から湾内でクロダイが増え始め、カキの稚貝をクロダイが食べることが問題となっていた。クロダイは釣り人に人気で、「遊漁船業」を営む業者が稚魚を放流している。

   能登の名物のカキをめぐる問題は複雑だ。優先順位としてはまず、少々の海水の高温に耐える、高温耐性の種苗生産の準備が必要ではないだろうか。能登のカキ養殖の再生を願う。

⇒8日(金)夜・金沢の天気     はれ

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★季節外れの「黄砂」、的外れの「政治資金」

2023年12月06日 | ⇒ニュース走査

   あす7日は西日本と沖縄などの広い範囲に黄砂が飛来する見込みで、9日には北日本にも黄砂が飛来するとの予想が出ている。北海道に流れ込んだ後、東北や北陸にも黄砂が飛来するようだ(6日付・日本気象協会「tenki.jp」)=黄砂予報図=。

   日本から3千kmも離れた中国北部のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠を低気圧が通過することで黄砂が発生し、偏西風に乗って日本にやってくる。植物が砂漠の地表を覆わない2月から5月にかけて黄砂が発生するといわれてきたが、中国北部で乾燥化が一段と進んでいるのか、「季節外れ」の黄砂が頻繁になっている。

   黄砂は何かと悪者扱いされがちだが、黄砂にはミネラル成分が含まれていて、それが日本海に落ちて植物プランクトンの発生を促し、それを動物プランクトンが食べ、さらに魚が食べる食物連鎖が生まれて日本海の漁業資源は保たれているとの研究もある。

   話は変わる。メディア各社の報道によると、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について、岸田総理は政府与党連絡会議で、「各政策グループの活動に国民から疑念を持たれていることは遺憾だ。政治の信頼を回復するため、党としても強い危機感を持って、この問題に一致結束して対応していく」と述べた(6日付・NHKニュースWeb版)。

   その後、岸田総理は麻生副総裁や茂木幹事長、それに世耕参議院幹事長ら党幹部7人と会談し、対応を協議。会談のあとの記者会見で茂木幹事長は「パーティーなどの自粛が根本的な解決だとは思っていないが、二度と問題が起こらないための対応策がとられるまでは自粛をする」と説明した。また、政治資金規正法を改正する必要性についは、「現行法に問題があるのか、現行法が守られていないことに問題があるのかによっても対応策は変わってくる。いずれにしても透明性を高めることが極めて重要だ」と述べた(同)。

   このニュースで率直な印象は「的外れ」だ。自民党の派閥のパーティーは自粛するとの幹事長の話だが、その前にやるべきことは金がどう還流しているのか、実態をつまびらかにすべきだろう。まずは、説明責任を果たすべきだ。

⇒6日(水)夜・金沢の天気   くもり

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