禍はどうやら西の空からやってくるようだ。中国大陸から飛んでくる黄砂、そして最近話題の微小粒子状物質「PM2・5」、そして鳥インフルエンザ。さらに、北朝鮮のミサイルだ。金沢市の老舗料亭「大友楼」の「七種(ななくさ)粥」の行事を思い出した。
大友楼ではセリ(野ぜり)、ナズナ(バチグサ、ペンペン草)、五行=御行(ハハコグサ)、ハコベラ(あきしらげ)、仏の座(オオバコ)、すず菜(蕪)、スズシロ(大根)の七草を台所の七つ道具でたたく。面白いのはその口上だ。「ナンナン、、七草、なずな、唐土の鳥が日本の土地に渡らぬ先にかち合せてボートボトー」と。つまり、旧暦正月6日の晩から7日の朝にかけて唐の国(中国)から海を渡って日本へ悪い病気の種を抱えた鳥が飛んで来て、空から悪疫のもとを降らすというので、この鳥が我家の上に来ない様にとの願いが込められている。「平安時代からの行事とされる」と、加賀藩主の御膳所を代々勤めた大友家の7代目の大友佐俊さんは言う。
ちなみに、「かち合せてボートボト」と言うのは、金沢の方言で「鳥同士を鉢合わせでドンドンと落とせ」という意味だ。禍や病魔をもたらす「唐土の鳥」とは、昔から西の空からもたらされる、と考えられてきた。
北朝鮮からのミサイル発射の警戒感が高まる中、大学などの機関にお達しが文部科学省からあった。
1. 万が一、落下物らしき物を発見した場合には、決して近寄らず、警察・消防に連絡すること
2. 万が一、各機関において、落下物等による被害があった場合には、本件連絡先の被害状況連絡先に情報提供すること
1. If you find anything that is possibly a part of the missile, do not go near it, and report to the police and/or fire department
2. If there is any damage at the institution caused by the missile, such as falling missile parts, share the information with the contact office for damage situation
まさか本当の撃ってこないだろうとの思いはあるものの、日常の微妙な緊張感が醸成されている。「ナンナン、、七草、なずな、唐土の鳥が日本の土地に渡らぬ先にかち合せてボートボトー」。口ずさみたくなる。
⇒11日(木)朝・金沢の天気 くもり