7月24日の「地デジカ大作戦」は1年前イベントであり、全国で展開された。あえて沖縄での様子を各メディアのニュースで拾ってみる。今年3月に総務省が実施した地デジ世帯普及率調査で、沖縄県は全国平均の83.7%に対し65.9%と17.8ポイントも低く、全国最下位にあまんじている。
沖縄の「いちでージーサー」
沖縄の地デジカ大作戦は、那覇市で実施された。イベントには「沖縄県地デ~ジ支援し隊」をはじめ、沖縄県の放送局各局のキャラクターたちも参加し、うちわを配布するなどして地デジ化をアピール。また、舞踊集団がパフォーマンスを披露し、イベントを盛り上げたという。このまま地デジ完全移行の日が近付くと、テレビの購入や工事などが同時期に殺到し、環境整備が遅れる可能性があり、イベントでは早めの地デジ対応を県民に呼び掛けたのは言うまでもない。
イベントとは別に、沖縄県では、県地上デジタル放送受信者支援事業として「地デ~ジ支援し隊」のキャンペーンを張り、市町村役場に相談窓口を設置している。とくに、経済的困難などの理由で地デジ受信が困難な世帯に対する支援が中心で、市町村の公営住宅などを中心にキャラバンを行うなどしている。補助の対象は県在住で世帯全員が市町村民税非課税であること。支援金は地デジテレビ関連機器購入費用のうち最大12,000円(対象経費を超えない額)となる。この支援を受ければ、少なくともデジアナ変換のチューナーが買える。
こうした手厚い支援がこの一年でどこまで浸透するのか、注目したい。実は、地デジの延期論が起きている一つの根拠に県別の普及率が大きすぎるとの意見がある。普及率トップの富山県(88.8%)と沖縄の差は22.9ポイントもある。このまま格差が開けば、日本の地デジ政策を揺るがす火ダネとなりかねない。沖縄県庁のホームページを閲覧すると、情報政策課の地デジ対策のアイコンで「早く地デジにしないと いちでージーサー」とシーサー(沖縄の魔よけ)キャラクターが呼びかけている=写真=。「いちでージーサー」は「一大事だ」の意味だ。
基地問題と同様に、地デジ問題も「沖縄の憂鬱(うつ)」の一つになっているのは想像に難くない。なにしろ、アナログ停波は「予定された災害」なのである。「ナンクルナイサー(なんとかなるさ)」では済まされない事情を沖縄で検証してみた。
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