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イフガオに移出する能登里山マイスター養成プログラム
GIAHSに認定されたものの、現実問題として、能登は過疎・高齢化が進行している。特に、年代別の人口統計を見ても、20代、30代の若者が極端に少ない。能登の魅力や価値を再発見し、若い人たちが能登に住んでみたい、ビジネスを創造したい、そのようなことを学ぶ場として、金沢大学と能登の4市町(輪島市、珠洲市、穴水町、能登町)が連携して「能登里山里海マイスター」育成プログラムに取り組んでいる。
スタートは2007年10月。文部科学省から予算を得て、「能登里山マイスター」養成プログラムを始めた。石川県珠洲市に廃校となった学校施設を借り受け、「能登学舎」として拠点化した。45歳以下の男女を対象とし、里山里海の豊かな自然資源を活かし、能登の地域課題に取り組む人材、自然と共生し持続可能な地域社会モデルを世界に発信する人材など、この地域の次世代のリーダーを育成した。国の助成金が終わる2012年3月までの4年6ヵ月間で、62人の「能登里山マイスター」を輩出した。これがフェーズ1。
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では、どのような人材が活躍しているのか紹介したい。フェーズ1で学んだA氏(七尾市在住)は、企業参入における農業経営の課題について学んだ。勤務する水産加工会社が農業部門に参入、2012年に独立した農業法人会社では統括を担当している。耕作放棄地の再生農地を活用して約26haを経営、現在能登半島で100haを目指している。B氏(珠洲市在住)は、能登地域の製炭業(炭焼き)の希少な担い手で、付加価値の高い茶道用炭の産地化に取り組んでいる。平成22年度地域づくり総務大臣表彰(個人表彰)、若者の地域活動を顕彰する「2011いしかわTOYP大賞(金沢青年会議所)」を受賞するなど地域リーダーとして注目されている。行政マンのC氏(宝達志水町在住)は、オムライスの考案者が町出身者であったことをヒントに「オムライスの郷」構想を課題論文で練り上げ、現在、それを地域振興の目玉として実践している。女性では、Dさん(輪島市在住)がいる。家族で能登に移住したデザイナー。地元住民とともに土地の自然と文化を学ぶ「場」の創出を課題論文とし、修了後は、自らが媒介者となって人と人をつなぐこと、地域を「出会いの場」として創り出すことに貢献している。その仲間は50人余りに広がっている。
ビジネスから地域起こし運動まで、自らが置かれた能登という「場」で新たな取り組みを始める人材が育っている。イフガオでは、「イフガオ里山マイスター養成プログラム」を来年から実施する。地域の自然環境や伝統文化の価値、2000年継がれてきた農業技術の価値を見直し、耕作放棄地が広がったイフガオ棚田に新風を吹き込むことができるのか、身震いするほどの壮大なテーマではある。28日夜、イフガオ州立大学のゲストハウスに到着した。
⇒28日(木)夜・イフガオの天気 あめ