先月(10月)5日に投開票が実施された金沢市長選で前市長の山野之義氏(52)が自民・公明推薦の候補に大差をつけて当選したことの考察をこのブログで紹介した。その金沢市長選が昨日23日告示され、現職の山野氏のほかに立候補の届け出がなく、無投票で3選が決まった。山野氏は8月に1期目の途中で辞職し、先月の出直し選で再選された。公職選挙法の規定で任期は辞職前と同じ12月9日までのため、任期は次が2期目となる。何ともややこしい。
さて、山野氏は、競輪の場外車券売り場の誘致をめぐって業者と不透明なやり取りをしていたとの批判を受けて辞職した。しかし、支援者らに経緯の説明を重ねていくなかで、「市民の審判を仰ぐ」と10月の出直し選への立候補を決意したのだった。フタを開けると、9万票以上の得票で自民・公明が推す候補らを寄せ付けず圧勝、再選された。しかし、議会は車券場問題を追及するため、山野氏や業者を招致して経緯の説明を求めてきた。10月下旬には、地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委員会)が設置された。12月中に山野氏を証人喚問することも決まっている。
ここで話はさらにややこしくなる。12月2日公示される衆院選石川1区に出馬する馳浩氏(自民)の選対本部顧問に山野氏が就任するというのだ。馳氏は、山野氏が8月に引責辞職した原因となった競輪場外車券売り場問題の新たな事実を自民党の会合で示し、政治問題化し、「山野下ろし」へと誘導した。10月の市長選では、自民・公明推薦の候補を支援し、選挙戦を通じて山野氏が出馬したことに、激しく批判する発言を繰り返していた。しかし、馳氏側は選対本部顧問の就任を山野氏に依頼した。10月の市長選で対立した関係から一転して、圧勝した山野氏との和解をアピールすることで、市長選のしこりが自らの選挙に及ぶことを抑える意図が見える。いわば、市長選の「ノーサイド」を演出したのである。
地元メディアはこう報じている。「20日に市内で開かれた選対の準備会合後、本部長を務める中村勲石川県議が明らかにした。顧問は他に県関係の参院議員3人。中村氏によると、19日に山野氏に近い紐野義昭県議、高村佳伸金沢市議が顧問就任を要請、山野氏は二つ返事で引き受けた」(北陸中日新聞)と。つまり、山野氏は顧問を引き受けて損をすることはない。わだかまりを拭い去る、よいチャンスと状況を読んだのかもしれない。有権者には、すっきりと理解できない、すんなりとは腑に落ちない、両者の政治行動ではある。
写真説明:金沢市長選の候補者ポスター掲示板。山野氏の無投票当選だった。
⇒24日(祝)夜の金沢の天気 あめ
さて、山野氏は、競輪の場外車券売り場の誘致をめぐって業者と不透明なやり取りをしていたとの批判を受けて辞職した。しかし、支援者らに経緯の説明を重ねていくなかで、「市民の審判を仰ぐ」と10月の出直し選への立候補を決意したのだった。フタを開けると、9万票以上の得票で自民・公明が推す候補らを寄せ付けず圧勝、再選された。しかし、議会は車券場問題を追及するため、山野氏や業者を招致して経緯の説明を求めてきた。10月下旬には、地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委員会)が設置された。12月中に山野氏を証人喚問することも決まっている。
ここで話はさらにややこしくなる。12月2日公示される衆院選石川1区に出馬する馳浩氏(自民)の選対本部顧問に山野氏が就任するというのだ。馳氏は、山野氏が8月に引責辞職した原因となった競輪場外車券売り場問題の新たな事実を自民党の会合で示し、政治問題化し、「山野下ろし」へと誘導した。10月の市長選では、自民・公明推薦の候補を支援し、選挙戦を通じて山野氏が出馬したことに、激しく批判する発言を繰り返していた。しかし、馳氏側は選対本部顧問の就任を山野氏に依頼した。10月の市長選で対立した関係から一転して、圧勝した山野氏との和解をアピールすることで、市長選のしこりが自らの選挙に及ぶことを抑える意図が見える。いわば、市長選の「ノーサイド」を演出したのである。
地元メディアはこう報じている。「20日に市内で開かれた選対の準備会合後、本部長を務める中村勲石川県議が明らかにした。顧問は他に県関係の参院議員3人。中村氏によると、19日に山野氏に近い紐野義昭県議、高村佳伸金沢市議が顧問就任を要請、山野氏は二つ返事で引き受けた」(北陸中日新聞)と。つまり、山野氏は顧問を引き受けて損をすることはない。わだかまりを拭い去る、よいチャンスと状況を読んだのかもしれない。有権者には、すっきりと理解できない、すんなりとは腑に落ちない、両者の政治行動ではある。
写真説明:金沢市長選の候補者ポスター掲示板。山野氏の無投票当選だった。
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