自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆東京五輪と8Kテレビ

2013年09月08日 | ⇒メディア時評
 東京オリンピックとパラリンピックは1964年の大会以来56年ぶりとなる。夏季大会を2回以上開催するのは、アテネ(1896、2004)、パリ(1900、1924)、ロサンゼルス(1932、1984)、ロンドン(1908、1948、2012)に次いで5都市目、アジアでは初めてとなる。

 1964年大会からこれまでは紆余曲折だった。1988年の招致で名乗りを上げた名古屋がソウルに、2008年の招致で名乗りを上げた大阪は北京に、2016年の招致でも東京はリオデジャネイロにそれぞれ敗れた。それだけに、今回の「東京」の決定は朗報だ。東京オリンピックのステージでは、「安心、安全、確実な五輪」だけでなく、「震災からの復興」「障がい者スポーツの祭典」「コンパクトな五輪」「エコなスポーツの祭典」などを世界にアピールしてほしいものだ。

 小学生のときに視聴した「東京オリンピック」は鮮明だった。というのも、1953年に始まったテレビ放送で、それまで白黒だった画面がオリンピックを契機に一気にカラー化が進んだのだ。それだけでなく、スロービデオなどの導入でスポーツを見せる画面上の工夫もされた。また、静止衛星による衛星中継も初めて行われた。長野の冬季オリンピックでは、ハイビジョン放送としてハンディ型カメラが登場した。オリンピックとテレビの技術革新は無縁ではない。それでは、これからのオリンピックのテレビの存在価値はなんだろうか。ひょっとして、「4K」「8K」かもしれない。

 では、「4K」あるいは「4K放送」とは何か。現在、日本を含め、世界のテレビ放送はデジタルとなり、基本はハイビジョン放送だ。画質が鮮明で、テレビの薄型化と相まってテレビは大型化している。ハイビジョンであっても、画面が大型化すると、たとえば50インチ以上になると、画質の粗さを感じるようになる。ハイビジョンは縦横がそれぞれ1920ドット、1080ドットとなっている。1920を大ざっぱに2K(Kは1000の単位)と呼ぶ。これをもっと繊細な表示にしたものが「4K」。3840×2160ドットの画素数で、ハイビジョンの縦横が2倍のレベルとなる。縦2倍、横2倍となるので、ハイビジョンの4倍のデータとなる。

 「スーパーハイビジョン」。NHKが技術開発を進める画質はなんと「8K」だ。7680×4320で、7680を大ざっぱに「8K」と称している。これらの技術革新が進むにはタイミングもよい。「4K」「8K」の次世代放送は、2014年のブラジルW杯、2016年のリオオリンピック、2018年の韓国・平昌冬季オリンピックと続き、2020年の東京へと向かう。2年ごとの国際的なスポーツ大会が完成度の高い次世代放送をもたらすだろう。2020年の東京リンピックが決定した。どのような映像で、テレビは視聴者を楽しませてくれるのか。

⇒8日(日)朝・金沢の天気   あめ
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