格闘の顛末記
大・マダラ(めす)を確保
シーズンを迎えて、このところ真ダラの入荷が多い。懇意な仲卸の社長からお奨めの
真ダラがあった。エラが鮮紅だ! しかし9.4kgはいかにも大きい。家族二人では、
さすがに食べきるめどが立たないので、どこにどうお頒けするかを考える。考えている
内に売れてしまうかも知れず、ともかく魚だけは確保した。
解体・初体験
こんな大きなタラはさばいたことがない。大きいだけではない。ヌルヌルとしてとらえ
どころのない代物。そのまま持ち帰っても始末に困るので、店の片隅を借りて頭、胴体・
内臓に解体して持ち帰ることにした。
用途別に身わけ
大ダラは、4軒ほどに分けてもまだまだあり余る。
昆布じめ用・ちり鍋用・粕漬け用・フライ用・から揚げ用・煮つけ用に切り分ける。
それでも巨大な頭、中落ち、巨大な卵が残った。頭は茹でて身を取り出し、中落ちは焼いて
から身を剥ぎ取った。これが何と640gあった。切り身になおせば5~6切れに相当する。
擂り鉢でよく身をほぐし、鍋にかけてそぼろを作った。
巨大で真っ黒
巨大な卵は900gもある。真っ黒な外套幕に包まれている。タラコにするのはスケソウ
ダラの卵でおなじみだが、真ダラの卵は全くの異物といってよい。茹でても皮が硬くゴム質
状。真っ黒な瓜が2本、腹に入っているようだ。ところが魚卵の一粒は真にこまかく0.2
mmほど。皮を取り除き、酒に醤油・砂糖を少々加えて炒ることにした。
たらふく
タラと格闘する一日となった。
これで、当分たんぱく質には困らないが、来る日も来る日、たらふく食べることになるか。
その顛末や如何に。