AKILA's えgo

気まぐれに、ドラムや音楽の気になった事上げとります。

伸びしろがある事を知る

2020-11-25 17:08:00 | スタジオ
最近になって、スネアのコンディションを見つめ直す状態がまた押し寄せてきた。

まァ、信頼における鳴りを持ったヘッドと使っているとは言え、そのヘッドもいうなれば消耗品だからな。
オレもその類でややヘタれた状態になってきている程度が、鳴りとして好みになるものもあるが、やはり新調した際の、ヘッド自体に抵抗のある響きというのは重要だったりする。ソレがスネアのシェルと共鳴して、一層芯のある鳴りを生み出せる事に繋がるからだ。

元々、耐久性の高いヘッドを使用してきているが、ある意味ではテメェのタフさを誇張する点でもあり、上述した理由も相俟っている。
後は、ヘッドの寿命稼ぎってところもあるな。1プライのスネアに対して真っ正直な鳴りの良さも理解できるが、数回使ったらもうチューニングしても安定しなくなってくる。

余程のものでなければ、その都度刷新していく必要に駆られるのは致し方ない事だ。
ソレは、ヘッドのバターサイドだけでなく、スネアサイドにも言える事。

前置きが長くなったが、
そんなワケで今回装着してみようと思ったのが、コイツである。


ASPR(アサプラ)のTE-01S。 

日本のヘッドメーカーの老舗として、この数年で徐々に台頭してきた感のあるASPRだが、周知されている海外のヘッドメーカーと比べると、いかにも日本製らしいというか、パリッとしながらも柔らかい響きを提供する、繊細な叩き方に対して鳴りの効力を発揮する質感が特徴か。
「軽く叩いても、ドラムのシェルが共鳴してちゃんと音が響いてくれる感じの表現」っつーね。

だからバカスカぶっ叩いて、ドラムの音量を出す系には向かないと思われがちだが、そーいうワケでもないんだよな。

上記のTE-01Sは、メーカーでも超高耐久を持つSLシリーズの一つ。
SLシリーズはアラミド繊維という、ものスゲー引張強度を持つ(鉄の約8倍とか)繊維を採用。
本物の皮に近い質感を実現した、叩いた時の優しい反動力を備えながらも、チューニングテンションを上げた際には凶悪なまでに硬質な抵抗力を与えるまでに至る。

実際、オレは現在そのSLシリーズ中の一つである、TE-1Cというモデルを、GRETSCHのRenownシリーズのスネアに装着している。


ASPRのヘッドは各シリーズ毎に、ヘッドの強度が2~3段階ほど存在している。
SLシリーズも例に漏れず、TE-01Cはその中で中間の強度を持つモデル。

オレの性格からして本当は最強度のやつを選んでおかしくなかったが、そうしなかった理由としては、TE-01Cに関しては、「カラー選択が可能になる」から。

現在ASPRのオフィシャルサイトを見てもらえば解るんだが、白(通常カラー)を筆頭に20近くのカラーを選択できるようになっている。
材質的に、マットカラーになるのは了承すべき点だろうが、それでもスネアのヘッドでこれだけカラーが選べるのは魅力的だと思うよ。

オレが使用しているのはGREENで、正直“黒板カラー”である(笑)。
実働させて3年近くになるが、当時と鳴りが衰えたかと言われれば、全く変化はない。
流石にこれだけ使っていればサスティーンに影響は出てくるものの、元々の仕様を考えれば、あってないようなものだから影響は皆無。
個人的にはEVANSのHybrid Snareに匹敵しうるモデル。

また話が逸れてきちまったが、
今回TE-01Sも当然ながら、繊維仕様となっているスネアサイド。
質感も、従来主流となっているフィルムと比べるとサラッとした質感が印象的。
当然、耐久力は通常のフィルムを超えるが、言ってもスネアサイド規格なので、過剰なテンションのかけ過ぎとかは注意すべき。

んでまァ装着したらこんな感じ。


真下からシェル内部を覗く醍醐味を奪われた感がある(笑)。
透明なヘッドを装着する、という概念を持ってしまっているだけに、コレは中々インパクト強いな。

そしてテンション調整ほどほどにして叩いてみたが・・・・・・・・・

マジかよ!?
と思わず笑いが出てしまった。

これまでの状態でも、スネアの存在感は相当出ている(REVENGERで一度使った際に、「スネアの音が強烈過ぎて周囲のリズムが判らなくなる」と顰蹙買ったくらい)と感じていたが、まさかまだボリュームが増すとは思ってもみなかった。

単純に、ヘッドの質量が増すので低音が強調されるようになるんだろうとは予測していたが、高域との分離具合が相当きてる。
だからと言っても極端に乖離しているのではなく、飽くまでも低・中・高域を結ぶ一本線が存在している上で、一回り太いアタックが表出するようになったって感じ。

スネアとしての鋭さを備えた高域と、シェルのサイズが備えた低域が、ひと塊になって出てきた様な雰囲気。
当然、ドラムキット全体で音を聴いていても、全く量感として落ちる気配は無い。

元々そのつもりだったんだが、こりゃあ完全にスタジオ、それも個人練習用のスネアになったな(笑)。
こんなモンライヴで持って行ったら、生音でも迷惑な存在になりかねん。

最早GRETSCHというメーカーの固定観念を覆す鳴りとなってしまったが、それは良いんだよ。
寧ろ、長く使っていけるスネアに仕立て上げれたからね。