AKILA's えgo

気まぐれに、ドラムや音楽の気になった事上げとります。

準備はできてる

2022-08-16 00:28:30 | ドラム

福岡ライヴハウスのレジェンドであった、ジェイソンこと華山 明氏がこの世を旅立って一年となる。

何か、時間の間隔が実にあっと言う間の気がする。それだけオレが歳食って時間の経過が短く感じる様になったって事でもあるのか(苦笑)。

生前、ジェイソン氏とは当然の如くドラム談義していて、個人的に色々とプレゼントしたものもあったりする。

オレにとっての最後のプレゼントとなったコイツは、伴侶の方にお願いして、引き取らせてもらう事になった。

Pearlのイアン・ペイス シグネチャースネア。

元々中古として展示されていたものであるが、当時ジェイソン氏がコレを見て「最後にこのスネア手に入れたら、俺の中で憧れのドラマーが使っているスネアを完備できるようになるんやけどね」と口にしていた為、プレゼントとして購入した。

金銭を後から払ってもらうなどしてもらうつもりは無かったが、代わりにその時欲しい音楽のアルバムを一枚、買ってもらった。オレにとっては大事なアルバムの一つとなった。

引き取らせてもらった時も、仕様は購入した時と変わってはいなかった。

スタジオで使ったという事は聞いていたが、以降に色々とパーツ変更とかまでの余裕がもうなかったんだな・・・と今では思う。

そこで、オレなりにこのスネアを新調させてもらった。この辺りは、生前にジェイソン氏と色々と話していた事を思い出したものを、スネアに組み込む事にしている。

ヘッドは両面ともEVANSで、ジェイソン氏が使ってみたいと言っていたヘッドは、打面側に反映。

EC Snare。モデルとしては、リヴァースドット装着仕様は生産されているが、このモデルは生産完了している。

フロストコーティングという半透明コーテッド仕様に、ヘッド裏につけられたスリットが印象的なモデル。
このヘッドは、10+7milという2プライで、タム用と比べると少し厚めに設定されている点が特徴。

中低域が引き締まって出てくれるというのがこのヘッドの性質で、比較的緩めのテンションであれば、「ポン」という中低音の利いた響きを得られる。
反対に、テンションをきつめに設定すると、「コン」という、いかにも硬いという印象を与える響きを提供する。

スリットの影響でそれなりにサスティーンを制御されているので、同メーカーのHydraulicほどあからさまなデッドサウンドではないが、スパッと切り裂く様なピッチの高い音抜けは期待できないモデルではある。
リヴァースドットタイプに関しても、そこはあまり変わらないかな。多少高域がサウンドの芯に追加される感じ程度。

イアン・ペイスのスネアにはマフラーが内蔵されているので、サスティーン制御をそこで操作できるんだが、多分使う必要が無いくらいに、このヘッドのミュート力は強かったりする。

そして、スナッピーも、当時つけられていたものからこちらへ。

PURESOUNDのCustom 24本。

よく、スナッピーに関しては、お互いに20本はちょっと・・・という話をしていた。
音の太さと歯切れの良さのバランスを考慮した場合、オレ達の中では「24本くらいからがスネアに対しての、スナッピーの本領」という見解となっていた。

ただ、本数が多ければ良い、というワケでもないんでね。
オレ個人の好みで言えば、30本というところになるが、ジェイソン氏はその辺りの絶妙加減を狙う事はしないと思ったんで、この本数を装着した。
まァ、PURESOUNDを選択したのは、オレの好みとなるが。

他にも、打面側にTAMAのワッシャーを追加装着させたりしている。

しかし、これらを装着させるのに、えらく時間がかかった。
このスネアって色々とパーツがくっついてるから、それらを外していくのが時間かかるし、そこからまた取り付けるのにも同様の時間をかけなければならない。

多分、普通のスネアの倍以上の時間をかけた感じがする。
正直、ここからまた交換しよう、という気にはとてもなれんな(苦笑)。


言ってみれば、このスネアは遺品の様なもの。
思い出を残すという事であれば、引き渡してもらった仕様のまま手元に置く方が良いのだろう。

ただ、誤解を恐れずに言わせてもらえば、このスネアは、半分はオレのものである。
大事にするというのは、使ってあげるという事だ。
少なくとも、楽器に対しての敬意とは、そうすべきものだとオレは思っている。

意地悪な事を述べれば、元々は所有者のあったスネアである。
であれば、尚の事自分のものとして仕立て上げる事を命題とすべきではないかとも思う。

オレとジェイソン氏とのコラボ、という形で、このスネアに新たな命(音)を吹き込むことが、手元に置かせてもらった側として進むべき姿勢だと思うんだよな。

生涯現役を通した者へ、同じく生涯現役を目指す者からの返答として。

ま、とは言っても、そんな頻繁に使うっていうつもりにはしていない。
オレはオレで、使うべきものというのが確固として存在している。

どこか然るべき場面で、このスネアを披露できるように準備をさせたというのが現状。

そう遠くない時に、このスネアをライヴで使う事になるんじゃないかと思う。

つっても、
このスネアだからと言って、DEEP PURPLEの曲で使うとかではないのは断言する(笑)。



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