同じ釉を掛けても、酸化焼成と還元焼成とではまったく発色が違ってくるものもあります。
ごらんの二点は、どちらも貫入の土に辰砂釉を掛けたもの。
左の緑が普段の酸化で、右のまっ赤が還元で焼かれたものです。
横山くんのボトルに、手前が柏木くんの鉢、奥のボウルはしはんの。
酸化はサビ色がつく、還元はサビ色が抜ける、と説明しましたよね(過去記事参照)。
辰砂は銅の成分が入ってる釉なので、酸化焼成では「緑青(ろくしょう)」という銅独特の緑のサビが出ます。
遺跡から発掘される銅剣とか銅鐸とか、みどり色にサビてるでしょ?
それが還元でサビ色を抜くと、赤銅(しゃくどう)の赤が出るわけです。
銅のことを、あかがね、ともいいますよね。
一方、鉄分は青くなります。
まっ白な土の中にも、若干の鉄分が混じってるので、色の違いが出ます。
赤サビが出る酸化ものは、左の作品のように黄味がかってミルク色になり、還元でサビ色を抜くと、右の作品のように青白くなります。
スッキリとシャープな白に、呉須のブルーが際立ちます。
横山くんのサンマ皿と、下のふたつも彼の作。
鉄の青は、研ぎ抜いた刀のような清廉さ。
青いまでに白いのです。
磁器をはじめとした白系も得意な還元、なのでした。
還元ネタ、飽きてきてない?
が、さらにつづきます。
東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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