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岐阜のとある田舎町・・・
「時計がない」という信じがたい無人駅がある(こまる!名鉄、なんとかしろ!)。
「ちくび」と呼んではならぬ。
「たけはな」じゃ。
ここらあたりで、しはんは生まれたんじゃ。
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巨大アスベスト工場がそびえる、危険な街じゃ・・・
そこに、赤い二両編成の電車が到着。
いつ見てもかっこよいのう・・・
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駅に降り立つ若者ふたり・・・
しはんの甥っ子と姪っ子じゃ。
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見渡すかぎりに稲穂の海原。
なんという美しい景色じゃろうか・・・
まあ、なんにもないわけじゃが。
このかっこいい町の名を、「きつねあな」という。
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しはんの実家は、ここにある。
と、ここで若者ふたりが、おもむろにお宝探し開始じゃ。
それいっ!
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おおっ、さっそくに大金を掘り当てたようじゃぞ!
左様、この者たちは、先頃に亡くなったスエコ・ハンドレッドの遺品整理に駆り出されたわけじゃ。
ちなみに、このコインの束は、一円玉じゃった・・・(がくっ)
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カズコは、タンスからわんさと出てくる着物の仕分けじゃ。
スエコは、買うだけ買って、ただただ寝かしておくのが性癖じゃったらしいのう。
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うむむー・・・高価そうにも見えるが、シミだらけで、売り物にもならぬわえ。
どんどんと部屋が散らかってゆくばかりじゃ。
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ええいっ、もうよいわっ!
捨ててしまえ!
んー、これこそが遺品整理のダイゴミじゃな。
まるで嵐に見舞われた被災地と見まごうばかりじゃ。
・・・いかんいかん、不謹慎じゃった。
ちなみに千葉の被災地には、来週、立ち働きに赴こうと思うておる。
待っておれ、ガレキどもよ。
追随者どもは、これを読んでおけい。
しはんの裏日記・B面「
ボランティアの手引き」
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スエコ、書。
残ったのは、これくらいのものじゃな。
山のように積み上がった日本画の整理は、また次回じゃ。
いつ終わるとも知れぬ戦いが、遺品整理じゃ。
生きておる者どもよ、持ち物は生きておる間に最小限にまで削いでおけい。
東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園