Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
2/25夕 西の低空で土星と水星が大接近

スマホで撮った冬の大三角~カノープス(2024/12/02)

2024-12-07 01:00:01 | 遠征日誌

12月初日の夜、東伊豆に出掛けて☆撮りしてました。
日付が変わってからスマホで南天を狙って撮ったのがコレです。


Google Pixel7a 天体撮影モードにて撮影(絞りF1.9/露出16秒×15/感度ISO4221)
三脚使用 Photoshopにて少々レタッチ

写野はこんなエリアでした。


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成

右上にお馴染みのオリオン座が写り、同星座の左上側にある1等星
ベテルギウスと写野左上方のプロキオン(こいぬ座の1等星)と写野
のほぼ中央のシリウス(おおいぬ座の1等星)の3つを結んでできる
「冬の大三角」が確認できるかと思います。また、オリオン座から
真下に辿っていって山のシルエットギリギリのところにはシリウス
に次ぐ明るさのカノープス(りゅうこつ座の1等星)も写ってます。
ちなみに撮影時におけるカノープスの高度は約2度でした。超低空
なので、大気による減光効果により暗めに写ってますが、肉眼でも
しっかり確認できました。この星を見ると長生きできると言われて
ますが、毎年幾度となく見ている自分にはご利益が乏しいかもしれ
ません。なお、個人的にスマホで狙ったのは今回が初めてでした。

ところで主目的は望遠鏡を用いた撮影だったのですが、その撮って
出しレベルの画像を以下に貼っておきます。

いずれも画像処理が思うように進んでおらず、最終的な公開はいつ
になることやら・・・


The Little Dumbbell Nebula

2024-11-14 12:25:00 | 遠征日誌

今月前半の某日に近場へ出掛け、こんな天体を撮ったのでした。


【小亜鈴状星雲 M76】
 ZWO ASI585MC+タカハシμ-180+フラットナーレデューサー,F9.8,
 Gain252,総露出時間50分(5分×10フレーム加算コンポジット),
 タカハシEM-200Temma2M赤道儀,口径25mmガイド鏡にてオートガイド,
 トリミングあり,山梨県大月市にて

ペルセウス座にある惑星状星雲です。こぎつね座にある亜鈴状星雲
M27を小さくしたような形態に見えることから「小亜鈴状星雲」の
愛称が付いています。小口径望遠鏡での観望に適しているとされる
メシエ天体として76番目に登録されていますが、視直径が2'程度と
小さい上に光度が10等台と暗めであるため、メシエカタログ中では
マイナーな天体の1つかもしれません。

写真撮影で存在確認程度のレベルであれば135~300mmの望遠レンズ
でも捉えられますが、形状までしっかり分かるように撮影するには
なるべく長焦点の光学系を使うのが望ましいので、今回は1760mmの
焦点距離の光学系にセンサーサイズの小さいCMOSカメラを取付けて
クローズアップ撮影しました。結果は露出アンダー気味で淡い部分
がハッキリしない写りになりましたが、中心の明るい部分で青緑色
と赤色の混在した姿はそれなりに写ってくれました。ニックネーム
の「小亜鈴状」というのは、おそらくその明るめのエリアのことを
指しているのではないかと思われます。

拙ブログで単独天体としてこれを取り上げるのは初めてですけど、
過去には偶然この近くにやって来たラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
撮った際に、彗星の尾と重なった状態で捉えたことがありました。

次に撮る時は、もっと総露出時間を増やさないとダメだなぁ・・・


NGC7789

2024-09-10 12:50:21 | 遠征日誌

好天に恵まれた先週土曜日の未明にこんな星団を撮りました。


【散開星団 NGC7789】
 キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,STARRY NIGHTフィルター,1.6倍クロップ,
 総露出時間20分(2分×10コマ加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,静岡県東伊豆町にて 

カシオペヤ座西部にある散開星団です。星数は200個以上もある大規模な星団なんですが、
地球から1万3千光年の遥か彼方にあるせいか、あまり明るくは見えない天体です。
それでも視直径は満月のサイズに匹敵し、写真では結構大きく写ってくれます。
ちなみに「天文年鑑」の記載データによると、光度は9.6等、実直径は100光年を超えてます。

暗いせいもあり小型双眼鏡で見ると星雲状にしか見えませんが、口径10cmクラスの望遠鏡を
使って中倍率で見ると星が分解して見えるようになり、口径20cm級になると比較的明るさの
揃った星々が密集する印象的な姿を綺麗に眺められ、非常に見応えがあります。
高校生の頃、所有していた口径13cm反射望遠鏡でこれを初めて見た時は、あまりの美しさに
感動した記憶があり、マイナーな天体でも立派なヤツがあるんだなぁーって思ったものです。

Wikipediaによると、星の並びが薔薇の花弁のように見えることから、海外では "White Rose 
Cluster" と呼ばれているようです。写真でもそういう風に見えなくもないかな?


1等星以上の星9個をスマホで一網打尽!(2024/09/07)

2024-09-08 12:26:01 | 遠征日誌

金曜日の夜、東伊豆まで☆撮り遠征しました。
少し風が強い時間帯もありましたが天気は上々で、一晩中撮影に没頭できました。
画像処理に時間がかかりそうで、成果は追々紹介していくことになりそうです。

さて、まだ日中は暑いですが、明け方にはもう冬の星座たちが昇ってくる季節になっており、
ただでさえ1等星が多い冬の天の川界隈に火星と木星まで加わってゴージャスな感じでした。
それをスマホで撮ってみたのがコレです。


Google Pixel7a 天体撮影モードにて撮影(絞りF1.9/露出16秒×15/感度ISO3965 ) 三脚使用

ぎょしゃ座、おうし座、ふたご座、オリオン座、こいぬ座、おおいぬ座などが写ってます。
なお、中央下方の線状に写っている邪魔なヤツは夜間飛行の航空機の光跡です。
で、写野を星空シミュレーションソフトで確認すると・・・


AstroArts社ステラナビゲータにて作成

左上から時計回りにカペラ・アルデバラン・リゲル・シリウス・プロキオン・ポルックスの
1等星を繋いでできる大きな「冬のダイヤモンド」の中にはベテルギウスもあるので、
7個の1等星が写野内に収まり、今季は火星と木星がふたご座とおうし座の境界辺りにいて、
実に1等星以上の明るさの星が9個も捉えられてます。この写野の広さには驚きました。
でも中央がテカった写りなのが玉に瑕で、Photoshopでそれを軽減してみたのがこちら。

淡い冬の天の川が若干見やすくなったでしょうか。右寄りに写るオリオン座付近には
微かながらバーナードループエンゼルフィッシュ星雲といった赤い大型星雲も確認できます。
左寄りのふたご座の辺りには黄道光も写ってるような気がしますが、光害の影響もありそうで
ちょっと微妙です。もっとキツイ画像処理でも施してみようかなぁ・・・


新月期に夏の天の川を切り撮り(2024/06/05)

2024-06-09 00:01:18 | 遠征日誌

6月5日の夜、紫金山・アトラス彗星を撮った後は南の空に見えていた夏の濃い天の川の中の2エリアを撮影。
まずはさそり座の尻尾付近にある散開星団M6の西側エリアを狙ったのがコレです。


【M6西側付近】

画像左端に写っている星団がM6で、肉眼でも存在確認できるほど大きくて明るい天体です。
星の並びが蝶に似ていることから「バタフライ星団」の愛称が付いてますが、チョウトンボの方が近い気がします。
個人的に初めて双眼鏡で覗いた時は、開いた本を伏せたようなイメージに見えました。
その星団の西に淡いながら大きめの星雲が広がっている天域をフレーミングしたのでした。写野はこんなエリア。


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成

淡い星雲は2つあり、いずれもシャープレスカタログに登録されてます。星屑と星雲との区別が難しい感じ。

その次に狙ったのは、たて座の西部エリアでした。


【たて座西部付近】

画像上部左に写っているのがたて座で最も明るいα星です。と言っても3.8等級なので実際の空では目立ちません。
天の川が割と濃い天域なので、糠星だらけという感じです。写野はこんなエリアでした。


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成

こちらの画像にはシャープレスカタログの登録天体が3つ写ってるんですけど、どれも視直径が数分角程度と小さく、
淡いこともあって明瞭な写りではありません。むしろ暗黒星雲が点在しているのが目に付きますね。

今回撮影した2エリアは、ともにフォトジェニックではないので滅多に狙われることのない天域だと思います。
シャープレス天体撮影コンプリートを目指さなければ、好んで撮ったりはしなかったでしょう。

なお、共通撮影データは次のとおりです。
 キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,STARRY NIGHTフィルター,
 総露出時間60分(5分×12フレーム,σクリップ加算平均コンポジット),
 タカハシEM-200Temma2M赤道儀,口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,
 若干トリミングあり,新潟県十日町市にて


乗鞍高原で撮影したアンタレス付近(2024/05/03)

2024-05-07 00:01:33 | 遠征日誌

今年のGW後半戦がスタートした3日に☆撮り目的で長野県・乗鞍高原へ出撃。
天気は上々で、夜には素晴らしい星空が広がりました。
夜半前から月が昇ってくるまで、このエリアをずーっと撮り続けたのでした。


【アンタレス付近】
 キヤノンEOS Ra+タカハシFSQ-85EDP+レデューサーCR0.73×,F3.8,ISO1600,StarScapeフィルター,
 半自作口径絞りツール使用,総露出時間150分(6分×25コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,長野県松本市にて

さそり座の1等星アンタレス(上の写真で左下寄りに写っているオレンジ色の輝星)の辺りに広がっている星雲群です。
色とりどりの星雲が織り成す極めてカラフルなエリアで、☆撮り屋が一度は狙ってみたいと憧れる天域の1つです。
昨年の夏に入手した短焦点屈折鏡筒を使って、いつか狙わねばと考えていて、ようやくチャンスに恵まれました。
これまではカメラレンズで撮ってきましたが、やはり天体撮影に特化した望遠鏡だと星像がとってもシャープで、
写りが段違いです。露光不足気味で暗黒星雲部分などの描写に若干不満が残りますが、このエリアを撮ってきた中で
パーソナルベストの出来映えになったような気がします。また、高標高地におけるクリアな空にも助けられた感じ。
その代わり明け方は気温が5℃未満まで下がり、厚めのダウンジャケットを着ないと耐えられない状況でした。


Witchy Nebula

2023-10-26 18:08:51 | 遠征日誌

今月中旬の新月期、東伊豆まで☆撮り遠征した際にこんな天体を撮りました。


【魔女の横顔星雲 IC2118】
 キヤノンEOS Ra+タカハシFSQ-85EDP+レデューサーCR0.73×,F3.8,ISO1600,StarScapeフィルター,
 総露出時間100分(5分×20コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,トリミングあり,静岡県東伊豆町某所にて

エリダヌス座にある淡い反射星雲で、ニックネームは欧米での呼称 "Witch Head Nebula" に由来しています。
この星雲を輝かせているのはオリオン座の1等星リゲルで、そのすぐ傍にあります。位置確認用星図は次のとおり。


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成

しかしまぁ、どうしたら魔女に見立てられるのか不思議な感じですが、画像を180度回転すると・・・

星雲の青白くて濃い部分が魔女の右顔っぽく見えなくもないです。名付けた人はオリオン座が逆さまに見える
南半球の人だったりするのかもしれません。個人的には花王のマークを連想してしまいます(向きが左右逆ですが・・・)
なお、非常に淡い星雲であるため大きめの望遠鏡を使っても眼視で魔女の顔をはっきり確認するのは難しいでしょう。


銀河系の内と外の天体が並ぶところ

2023-08-26 18:51:17 | 遠征日誌

西村彗星を再撮影した21日未明にこんなのも撮ってました。


【NGC6946&NGC6939】
 キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,STARRY NIGHTフィルター,
 総露出時間60分(5分×12コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,トリミングあり,静岡県東伊豆町にて

撮影エリアはケフェウス座の一角で、こんなところです。


AstroArts社ステラナビゲータにて作成

銀河系の外にある渦巻銀河(NGC6946)と銀河系内にある散開星団(NGC6946)が並んでいる珍しい天域になります。
WikipediaによるとNGC6946は2250万光年の彼方にあり、NGC6939までの距離は3860光年ということで、
実は奥行方向にかなりの隔たりがあります。そんなに離れているのに見掛けのサイズがほとんど変わらず、
しかも地球からは並んで見えるというのは奇跡的と言えるかもしれません。
ちなみに光度はNGC6946が9.6等、NGC6939が7.8等で、口径20cmの望遠鏡で仲良く並ぶ姿が眼視で確認可能です。
但し、NGC6946の渦巻き構造を確認するにはもっと大口径の望遠鏡が必要でしょう。


久々に撮ったペルセウス座二重星団

2023-08-20 11:30:00 | 遠征日誌

西村彗星を撮影した13日未明にこんなのも撮ってました。


【h-χ星団】
 キヤノンEOS Ra+タカハシFSQ-85EDP+レデューサーCR0.73×,F3.8,ISO800,StarScapeフィルター,
 総露出時間36分(3分×12コマ,σクリップ加算平均コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,静岡県東伊豆町にて

勇者ペルセウスと義母のカシオペヤの星座境界付近にあり、肉眼でも見える大散開星団が2つ並んでいることから、
ペルセウス座二重星団として非常に有名な天体です。17世紀初頭に作成されたバイエル星図では恒星に付される
ギリシャ文字とアルファベットが2つの星団に振り当てられたことで、h-χ(エイチ-カイ)星団とも呼ばれます。
それぞれの星団はNGC天体カタログにも登録されており、東側(写真で左側)の方がNGC884(バイエル星図ではχ)、
西側(写真で右側)の方がNGC869(バイエル星図ではh)になります。ちなみに撮影したのはこんなエリアでした。


AstroArts社ステラナビゲータにて作成

今月13日に極大となったペルセウス座流星群の輻射点(放射点)はこのすぐ近く(深緑色で示した#)にあります。
群流星は輻射点近くに流れると短い経路になりますので、同流星群の活動ピーク時に撮影したら星団と流星の
コラボ写真が撮れたかもしれません。いずれそんなのも狙ってみたいですねぇ。

今回、先月入手した屈折望遠鏡では初撮影ってことになりました。焦点距離300mm程度の撮影光学系でも星の
大集団であることが確認できますが、2009年11月の古い記事で紹介した画像と比べると迫力に欠けるでしょうか。


Barnard's Galaxy

2023-07-13 00:10:00 | 遠征日誌

先月の中旬、新潟県南部まで☆撮り遠征した際に、こんな銀河を撮ってました。


【バーナードの銀河 NGC6822】
 キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,Star Scapeフィルター,
 総露出時間60分(5分×12コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,トリミングあり,新潟県十日町市某所にて

我々のいる銀河系やアンドロメダ銀河などを含む局部銀河群に属する不規則銀河で、いて座北東部にあります。
いて座には天の川の濃い部分があって、銀河系の星間物質に遮られて遠方の銀河はほとんど見えないんですが、
この銀河は比較的近い所にあるため、実体は小さいながらも観測可能となっているようです。
名称は発見者である米国の天文学者に由来します。光度は9等台なので、特に明るいと言うほどではありません。
矮小銀河で恒星数は1000万個程度と少ないながら星形成は活発なことが分かっていて、
天文学的に興味深い天体らしいです。
個人的には初めて狙いましたが、500mm程度の焦点距離では細部が捉えられなかったこともあり、
視直径が満月の半分ほどもある大きめの銀河の割に写りはイマイチでした。