今年は金環日食や金星の太陽面通過などがあり、天文現象の当たり年と言われましたね。
その反動か、来年は国内において好条件で見られる月食や日食がなく、
天文イベントが少なくて寂しい年になりそう・・・
と思っていたら、肉眼で見えるほど明るくなる可能性の高い新彗星が来ることが分り、
ちょっと楽しみになってきました。しかも、なんと2つです。
その一つがパンスターズ彗星。発見されたのは昨年の6月と、随分前のことです。
今は火星より遠くにあって、光度は約11等級と暗いですが、太陽に向かって進んでおり、
来年3月中旬には日没後の西空に0等級の明るさで輝き、尾も長く伸びる可能性があります。
3/13夕刻の予想図がこちら↓
Astroarts社「ステラナビゲータ」によるシミュレーション
(四角枠はAPS-Cサイズの撮像素子搭載一眼レフデジカメ+焦点距離50mmレンズの画角)
低空に位置するため、西の視界が良好な所で見る必要があります。
明るいダストの尾が伸びれば、「ほうき星」らしい姿が楽しめるかもしれません。
もう一つはアイソン彗星。発見は1ヶ月ほど前と、つい最近のことです。
地球からは相当離れた所に見つかったのですが、太陽にかなり接近する軌道を辿っており、
その上、比較的大型の彗星のようなので、最盛期には太陽のそばで満月級の光度に達し、
史上最も明るい彗星になるかもしれないとの予想もあります。
なお、こちらは見頃を迎えるのが来年11月以降ですので、1年以上も先になります。
太陽最接近前の11月23日明け方の予想図がこちら↓
Astroarts社「ステラナビゲータ」によるシミュレーション
(四角枠はAPS-Cサイズの撮像素子搭載一眼レフデジカメ+焦点距離50mmレンズの画角)
この時期は尾が直線的に伸びるようです。
太陽最接近後の12月6日明け方の予想図がこちら↓
Astroarts社「ステラナビゲータ」によるシミュレーション
(四角枠はAPS-Cサイズの撮像素子搭載一眼レフデジカメ+焦点距離20mmレンズの画角)
イオンの尾は左上方に真っ直ぐ伸びるのはごく自然なんですが、
問題はダストの尾で、本当にこんな恰好になったら面白過ぎです。
まあ、彗星の明るさや振舞いは結構気まぐれで、予想外のショボイ姿に終わったり、
途中で消滅してしまうこともあるので、過度な期待はしない方がいいかもしれません。
ともあれ、来年はこの2つの天体が注目されることは間違いないでしょう。