Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 11/20 月と火星が接近

来月~11月に期待できそうな新彗星現る?

2024-09-29 16:12:08 | ほうき星

気になる情報を入手しました。まだ正式な発表はありませんが、新たに発見されたとみられる
彗星が来月末に太陽最接近を迎え、大彗星になる可能性を秘めているとの噂が出てきています。
今話題になっている紫金山・アトラス彗星とは全く別な彗星で、太陽をかすめる彗星群として
知られている「クロイツ群」の大玉である可能性が指摘されていたりします。

クロイツ群彗星の代表的な例は1965年に出現した池谷・関彗星で、最大光度がマイナス10等に
達して白昼に見えた明るい彗星として有名で、太陽最接近時には国立天文台・乗鞍観測所の
太陽観測用コロナグラフで太陽のすぐ傍を通過する際に尾が太陽に巻きつくような勢いの姿
が捉えられ話題になったりしました。

その彗星群は、紀元前にアリストテレスが目撃したとされている巨大彗星が複数に分裂し、
それぞれの分裂核がほぼ同じ軌道上を様々な間隔で周回しており、それらが百数十年~数年
ごとに太陽へ次々と接近して長く尾を引く大彗星として観測されてきた経緯があります。
最近では2011年に現れたラヴジョイ彗星が同群の彗星として、長い尾を持った姿が観測され、
主に南半球の天文ファンを喜ばせました。

分裂核には様々なサイズのものがあって、そのほとんどは太陽の傍まで近づいた際、高熱に
耐え切れずに消滅してしまう小さいものばかりであることがNASAの太陽観測用探査機SOHOの
コロナグラフによる撮影イメージから判明していて、その数は実に4桁の数に達しています。
そのため、地上から観測可能な大玉が現れるのは滅多にありません。

で、いずれの分裂核も概ね同じ軌道要素を持っていると思いきや、大雑把には2系統あると
指摘されているんですけど、太陽への最接近がいつ頃になるかによって、それぞれが天空上
のどこに見えるのかを推定することができます。そこで、星空シミュレーションソフトにて
来月の末頃に近日点を通過すると仮定して現在位置の推算を行ってみたのがこちら。


 AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション

どちらの系統にしても、うみへび座の一角に見えるはずという結果でした。緑色の十字線は
今月28日における実際の観測位置を示しており、クロイツ群彗星が見られる天空上の位置に
かなり近いことが分かります。どちらかと言うと「サブグループⅡ」と呼ばれる系統の方に
近いようで、同グループの代表格が先述の池谷・関彗星なので期待が膨らんでしまいますね。

まだ観測データが集まっていないため信頼度が低めですが、13年ぶりに地上から観測可能な
同群の大きめの彗星で且つ太陽に最接近しても生き残ってくれれば、11月初旬に夜明け前の
東南東の空でこんな風に見えるかもしれません。


 AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション(日時は11/5 4:55)
 ※尾の実長を0.3AU(天文単位)と仮定。マゼンタ色の枠はフルサイズセンサー搭載カメラに
  85mmレンズを組み合わせた場合の画角です。

問題は光度ですが、太陽近傍の灼熱地獄を生き抜けるレベルのサイズであれば、地上からは
2~3等くらいで見えるのではないかと思われます。まぁ、本当にクロイツ群かどうかも含め
捕らぬ狸の皮算用みたいな話ではありますが、ちょっと楽しみではあります。


Sh2-12

2024-09-28 14:58:00 | シャープレス天体アルバム

【Sh2-12】
 赤経:17h35m55s
 赤緯:-32゚35' 38"
 星座:さそり座
 視直径:120'
 他カタログNo.:LBN1116・1117
 ニックネーム:ー
 南中日時(@東京):4月27日03時,6月12日00時,7月27日21時 ※あくまで目安です。


 撮影日時:2024/06/05 23:51
 撮影地:新潟県十日町市
 撮影機材:キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,STARRY NIGHTフィルター使用,
             タカハシEM-200Temma2M赤道儀,ペンシルボーグ+QHY5LⅡM+StellaShot2により恒星ガイド
 撮影条件:ISO1600,露出5分×12コマ
 画像処理:Digital Photo Professionalにて現像,ステライメージVer.8,Photoshop2024にて処理
             トリミングあり
 メモ:さそり座の尻尾付近にある明るい散開星団M6のすぐ西に広がっている散光星雲で、視直径は
    満月の4倍もあります。上の画像でほぼ中央に写っている明るくて密な散開星団NGC6383の中
    にある恒星の発する紫外光に励起されて輝いているHⅡ領域で、東(左)側で少し輝度が高く
    なっていますが、西(右)側にも広がりがあるみたいです。とても淡いので眼視による確認は
    無理と思われ、写真撮影でようやく存在が分かる天体と言えそうですが、背景にある天の川
    の糠星と区別して写すのが難しい印象です。コントラスト良く写すには、電離水素が発する
    Hα輝線に合わせたバンドパスフィルターを用いた方が良さそうです。なお、愛称等は特に
    付いていません。

 星図:


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成


Sh2-126

2024-09-27 10:36:17 | シャープレス天体アルバム

【Sh2-126】
 赤経:22h34m38s
 赤緯:+40゚40' 00"
 星座:とかげ座
 視直径:160'
 他カタログNo.:LBN428・437・442・448など?
 ニックネーム:鷹の爪星雲,とかげ座大星雲(The Great Lacerta Nebula)
 南中日時(@東京):7月12日03時,8月27日00時,10月11日21時 ※あくまで目安です。


 撮影日時:2024/09/14 00:33
 撮影地:静岡県富士宮市
 撮影機材:キヤノンEOS Ra+タカハシFSQ-85EDP+レデューサーCR0.73×,F3.8,StarScapeフィルター使用,
             タカハシEM-200Temma2M赤道儀,ペンシルボーグ+QHY5LⅡM+StellaShot2により恒星ガイド
 撮影条件:ISO1600,露出7分×20コマ
 画像処理:Digital Photo Professionalにて現像,ステライメージVer.8,Photoshop2024にて処理
             トリミングあり
 メモ:とかげ座南部にある巨大な散光星雲です。データ上の視直径は満月の5倍以上になりますが、
    非常に淡いのでコントラスト良く写すのが難しい天体です。大部分がHⅡ領域であるため、
    大口径望遠鏡を用いても眼視での観望はまず困難でしょう。その色合いと形態から日本では
    「鷹の爪星雲」と呼ばれていますが、海外では"The Great Lacerta Nebula"(とかげ座大星雲)
    という単純な呼称が一般的なようです。全体の形はスキージャンプの選手が踏み切り動作を
    完了した姿に近いような気もします。南北方向の広がりが大きいので、フルサイズセンサー
    搭載カメラでは焦点距離300mm程度の光学系を使って縦構図にすると納まりがよいようです。

 星図:


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成


雲間に捉えた紫金山・アトラス彗星(2024/09/26)

2024-09-26 10:25:07 | ほうき星

明け方の超低空に見え始めた紫金山・アトラス彗星を富士山五合目にて撮影しました。


【紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)9/26】
 キヤノンEOS Ra+SAMYANG135mmF2 ED UMC,F2,ISO1600,L41フィルター,
 露出2秒,三脚使用(固定撮影)

空が明るくなっていた上に雲が多い悪条件でしたが、運良く彗星が雲間に入ったところで
何とか撮ることに成功。小さくて分かり難いので、トリミング画像も示しておきます。

しっかり尾を伸ばしている姿が捉えられました。さらに連写した画像を12フレームほど
選んでコンポジットし、等倍トリミングしたのがコレです。

ダストの多い彗星のようで、割と太い尾を棚引かせており、なかなか立派な姿です。
少し前に有名な彗星研究者から、太陽へ接近していく途中で崩壊するだろうとの予測が
出され、ちょっと心配してましたが、今のところ健在のようです。なお、現在の光度は
信頼スジによると約3等と見積もられてます。ちなみに近日点通過日(太陽最接近日)は
明日と計算されており、この調子なら崩壊・消滅は起こりそうにない感じです。

明け方の超低空に見えるのは来週末くらいまでですが、天気が良ければもう1度狙って
みたいところです。本当の見頃は来月中旬に夕方の空へ回ってからになるはずですが、
光度は下がっていく見込みなので、観測するなら早めの時期が望ましいでしょう。


【アーカイブ】八ヶ岳山麓へ初遠征した日(1983/08/13) ー 星景写真撮影編 ー

2024-09-25 15:05:03 | タイムマシンにお願い

昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズの第21弾です。

野辺山高原への初遠征で得られた写真のシリーズもこれが最後です。
流星狙いで4コマ撮ったところで東の空が明るくなるとともに、冬の星座であるオリオン座
が昇ってきていたので、三脚固定のまま短時間露出で地上風景と一緒に狙ったのがコレです。


【昇るオリオン座】
 キヤノンEF+FD50mmF1.4 S.S.C.(Ⅱ),サクラカラー400(ASA/ISO400),絞りF1.4,露出30秒,
 固定撮影(三脚使用),長野県野辺山高原にて

地上の景色まで入れるため縦構図にしましたが、かなり窮屈な感じになってしまいました。
また、30秒露出では長過ぎたことに加え、絞り開放で撮ったせいもあり星像がちょっと歪に
なったのが残念な感じ。まぁ、遠征記念の1枚にはなったかも?
ちなみに友人は貸した赤道儀に広角レンズ付きのカメラを載せて、こんなのを撮ってました。


【朝焼けとオリオン】
 ニコンF+Ai NIKKOR 28mm F2.8,サクラカラー400(ASA/ISO400),絞りF5.6,露出3分,
 タカハシ90S赤道儀にて自動ガイド ※撮影地は上と同じ

絞りの値を大きめにした上にモーター駆動により星を追尾して撮影したため、星像が綺麗な
点像になっていて、画質が非常に良かった印象です。また、画角の広いワイドレンズの使用
で構図的に窮屈な感じがありません。地上風景はモーター駆動で流れてしまってますけど、
許容範囲って気もします。いわゆる「星景写真」という言葉など当時は無かったように思い
ますが、地上風景を取り入れた天体写真を撮るなら広角レンズは必須だなぁって感じました。

で、自分のカメラで最後に撮ったショットはコレでした。


【沈むはくちょう座・こと座】
 ※撮影条件は当記事の1枚目と同じ

はくちょう座とこと座が八ヶ岳に沈もうとしていたところを撮影したのでした。空が白んで
きて天の川はもう薄らとしか写りませんでしたが、星座の形は分かりやすくなりました。
これもイイ記念になった気がします。

ということで、全ショットの撮影に要した時間は2時間ちょっとでした。短かったけど濃密で
充実した時間を過ごすことができたのでした。


【アーカイブ】八ヶ岳山麓へ初遠征した日(1983/08/13) ー 流星撮影編 ー

2024-09-24 07:52:50 | タイムマシンにお願い

昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズの第20弾です。

野辺山高原への初遠征で得られた写真の続きはまだあります。
遠征日はペルセウス座流星群の極大日でしたので、それなりに多くの流れ星が飛んでました。
で、赤道儀架台に載せて撮った画像に1つだけ流星が写り込んでいたのでした。


【カシオペヤ座を流れるペルセウス座群流星】
 キヤノンEF+FD50mmF1.4 S.S.C.(Ⅱ),サクラカラー400(ASA/ISO400),絞りF2.8,露出10分,
 タカハシ90S赤道儀にて自動ガイド,長野県野辺山高原にて

標準レンズにてカシオペヤ座の"W"の星の並びを中央にフレーミングした星座写真を撮って
みたら、その左上方向に小さな流星が写ってくれました。これが人生初撮影の流星写真です。
画像の左寄りに流星群の輻射点(放射点)があり、左下から右上に流れたものと思われます。
撮影中は空を眺めていたはずなんですが、よそ見をしていたのか眼視確認できませんでした。
輻射点から割と近い空域に出現したせいか経路が短いですが、よーく見ると緑色から赤色へ
変化しているのが分かります。
ちなみにこの時、赤道儀に並列搭載していた友人のカメラは、前記事で紹介したとおり望遠
レンズで北アメリカ星雲を狙っていて、記録メモでは撮影時刻も露出時間も全く同じでした。

これを撮った後、別な友人が赤道儀にカメラを載せたいと言うので、自分のカメラを下して
雲台スペースを譲りました。その後は別な通常三脚にカメラを載せて、固定撮影にて流星を
狙うことにしたのでした。時刻は3時を回って、薄明開始間近ということで、撮れるコマ数が
限られている状況の中、ペルセウス座とおうし座の境界付近を狙った1枚で、この日2個目の
流星捕捉に成功します。


【ペルセウス座群流星】
 絞りF1.4,露出5分,固定撮影(三脚使用) ※その他の撮影条件は上と同じ

こちらは固定撮影なので、日周運動による星々の軌跡を流星が貫くイメージになってます。
この流星は肉眼でも確認できましたが、あまり明るくなかったので、写ったかどうか微妙な
感じでした。それでも割としっかり捉えられたのは、絞り開放で撮ったのが奏功したような
気がします。その代償として周辺減光が酷くなったのは致し方ないところかな?
ちなみに画像中央から少し上の星がゴチャゴチャ写ってるところは「すばる」で、右下寄り
の明るい星はおうし座の1等星アルデバランです。

次の1コマはペルセウス座とぎょしゃ座の境界付近を狙い、端っこながらまた小さいのが1つ
捉えられてました。


【ペルセウス座群流星】
 露出10分 ※その他の撮影条件は上と同じ

この流星は最初に捉えたものと同様に輻射点近くに流れたせいか経路が短いですが、これも
緑から赤へ色が変化していったのが分かります。ちなみに右下寄りに写っている明るい星は
ぎょしゃ座の1等星カペラです。
で、流星狙いではもう1コマ撮ったものの残念ながらスカでした。

ということで都合3個の流星が捉えられましたが、火球レベルの明るい流星は写らず仕舞い。
また、1コマに複数個の流星が写ってくれないかなぁーなどと欲張りな考えも抱いてたものの、
さすがにそんな幸運には恵まれませんでした。それでも自己満足に浸るには十分なのでした。
(まだつづくかも?)


今日の太陽(2024/09/23)

2024-09-23 14:51:22 | 太陽

6日ぶりに太陽を撮影。


EOS60Da+EF70-300mm F4-5.6ISⅡUSM(@300mm)+ND10000太陽撮影用フィルター(コレ無しでは危険!) 

前回の撮影時に南半球の東(左)端にあった黒点が自転で中央より西(右)側へ移動した模様。
北半球側で西(右)寄りにある小さな黒点は前回撮影時には見られなかったので、
ここ数日間で新たに発生したもののようです。
全体としては中~小サイズの黒点が数個確認できる程度でした。


今夕の富士山(2024/09/22)

2024-09-22 18:21:33 | 富士山

日没頃になって大きな笠雲のかかった姿が見られました。

<今日のアメダス最高気温
八王子:24.4℃  富士山:8.7℃ 

3連休中日の今日、東京西部は午前中を中心に雨が降り、午後も曇り基調で
日差しはほぼありませんでした。そのせいか、八王子アメダスの最高気温は
24℃台止まりで夏日にならず、久々に1日中エアコンOFFで過ごせそうです。


【アーカイブ】八ヶ岳山麓へ初遠征した日(1983/08/13) ー 星雲星団撮影編 ー

2024-09-22 11:36:00 | タイムマシンにお願い

昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズの第19弾です。

野辺山高原への初遠征で得られた写真の続きになります。
実は赤道儀架台にマッチプレートというアイテムを取付けて、自分のカメラとともに友人の
カメラの2台を並列搭載してました。そちらには望遠レンズが付いており、星雲や星団を少し
クローズアップする画角で狙ってました。自分がシャッターを切ったわけではないですが、
その写真も残っていたので紹介しておきます。まずははくちょう座にあるこの散光星雲。


【北アメリカ星雲】
 ニコンF+NIKKOR 135mm F2.8,サクラカラー400(ASA/ISO400),絞りF2.8,露出10分,
 タカハシ90S赤道儀にて自動ガイド,長野県野辺山高原にて

主題の星雲はフレーム中心から少しズレてしまいましたが、星雲の特徴的な形がよく分かる
一枚でした。当時のサクラカラー400(ネガフィルム)は赤い星雲がよく写ると言われていて、
噂通りのパフォーマンスが確認できる作例となりました。なお、写野は次のとおり。


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成

で、もう1点はコレです。


【h-χ星団】
 ※撮影条件は上と同じ

ペルセウス座にある「二重星団」を狙ったもので。こちらはしっかり中央に捉えてました。
よく見ると上の方に「ハート&ソウル星雲」の赤い光芒がごく淡く確認できます。ちなみに
この星雲がそんな愛称を持ってることは当時知られていなかったと思います。なお、写野は
次のとおり。


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成

こういう写真を目の当たりにして、自分も望遠レンズが欲しくなりました。できればもっと
大写しができる長焦点レンズを入手したいと思ったのでした。
(つづく)


【アーカイブ】八ヶ岳山麓へ初遠征した日(1983/08/13) ー 天の川撮影編 ー

2024-09-21 12:37:22 | タイムマシンにお願い

昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズの第18弾です。

春に隣県へ初遠征しましたが、仲間内では次はもっと暗い場所を目指したいよねーって話を
していて、夏休みに入ったら長野県の小海線沿線へ行ってみようぜ!ということになります。
当時の天文ファンにとって清里~野辺山近辺は天体観測の最適地として大人気だったんで、
是非一度行ってみたいという意見で一致したのでした。で、中学時代にお世話になった理科
の先生も参加してくださることになり、せっかくならペルセウス座流星群の極大夜(8/12-13)
に合わせようということで、野辺山高原にあるバンガローを希望日通りに予約できました。

当日は計5人がクルマ2台に分乗して目的地に向かいました。自分は友人の運転するクルマに
乗ってるだけでしたが、さすがに遠いなぁーって印象でした。何せ春に出掛けた山梨県東部
某所までの距離の3倍以上も離れた遠方ですからね。中央高速を使っても4時間ほど要したと
記憶してます。

現地にはまだ陽が高いうちに到着。肝心の天気は雲が多く、スッキリ晴れるか微妙な状況で、
日没後も空の大部分が雲に覆われていて、仕方なくバンガロー内で待機。夜が更けていって
半ば諦め気分になっていた24時過ぎにようやく奇跡的に晴れ間が広がってくれて、観測予定
場所へ移動して急いで撮影機材をセットアップ。一番撮りたかったさそり座~いて座付近の
天の川は既に西空に沈んでいたので、仕方なく最初に狙ったのはこの星座でした。


【はくちょう座】
 キヤノンEF+FD50mmF1.4 S.S.C.(Ⅱ),サクラカラー400(ASA/ISO400),絞りF2.8,露出15分,
 タカハシ90S赤道儀にて自動ガイド,長野県野辺山高原にて

当時は銀塩フィルムカメラの時代なので写り具合を現地で確認したりはできませんでしたが、
初めて見る天の川の光芒に驚くとともに、これは綺麗に撮れたはずって感触はありました。
結果は北アメリカ星雲などの赤い散光星雲まで捉えられて大満足の1枚になりました。まぁ、
今見ると大したことない写真なんですけどねぇ。ちなみに写野は次のとおりです。


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成

で、もう1ショット撮っていたのがコレです。


【秋の銀河】
 ※撮影条件は上と同じ

とかげ座・ケフェウス座付近の天の川を狙ったものです。ケフェウス座の南部にあるIC1396
という巨大星雲が淡いながらも確認できて、へぇーこんなのまで写ってくれるんだぁーって
現像/プリントが上がってきて吃驚したのでした。なお、写野は次のとおり。


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成

やっぱり天の川の写真は夜空がなるべく暗い場所で撮るべきだなぁーと思ったのでした。
(つづく)