Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 12/18 月と火星が接近

【アーカイブ】初めて重星撮影に挑戦した日(1982/06/12)

2024-06-30 14:30:20 | タイムマシンにお願い

昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズの続き(第15弾)です。

赤道儀にモータードライブ装置(日周運動によって動いていく星を電動追尾するためのアイテム)が付くと
月や惑星以外の星も強拡大で狙ってみたくなり、無謀にも重星(複数の星が接近して見える天体)の撮影に
挑んだのでした。そのターゲットは北斗七星の1つであるこの星。


【アルコルとミザール】
 キヤノンEF+タカハシ13cmパラボラニュートン反射+Or12.5mmアイピース,サクラカラー400(ASA/ISO400),
 F64,露出60秒,タカハシ90S赤道儀使用(電動追尾),トリミングあり,都内某所にて

狙ったのは北斗七星の柄の端から2番目の星であるミザール(右下)で、この星は2等星と4等星の二重星なんですが、
しっかり分離して写りました。これはいわゆる「連星」で、両者間の共通重心を中心に周っている双子星です。
左上の星はアルコルという4等星で、それも写野内に収めるようにフレーミングしたのでした。ちなみにミザールと
アルコルは目の良い人なら裸眼で分離して見える肉眼二重星で、昔は視力検査に使われることもあったらしいです。

露出時間は60秒と長めながら星はほぼ点像になってました。電動追尾していなければ日周運動により完全に流れて
写っていたでしょうから、やはりモータドライブの恩恵が大きいことを確認した1ショットとなりました。
参考までに星図と写野シミュレーションを以下に示しておきます。


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成


今日の太陽(2024/06/29)

2024-06-29 14:50:17 | 太陽

2週間ぶりに太陽を撮影。


EOS60Da+EF70-300mm F4-5.6ISⅡUSM(@300mm)+ND10000太陽撮影用フィルター(コレ無しでは危険!) 

南半球において黒点が多めに散らばっているのが確認できますが、いずれも中~小規模です。
一方、北半球は相変わらず黒点が少なめになってます。


The Logical Song

2024-06-28 13:57:00 | エバーグリーン

エレクトリックピアノがfeatureされた曲を続けます。

エレピと言えばフェンダー・ローズ(Fender Rhodes)が有名ですが、ウーリッツァー(Wurlitzer)というのもあります。
それが使われた曲で個人的に思い出に残ってるのがコレです。

"The Logical Song" (邦題:ロジカル・ソング)というタイトルの曲です。
スーパートランプという英国のグループが1979年にリリースし、全米シングルチャートでは6位まで上がりました。
歌詞の中に形容詞がたくさん出てくるので、当時高校生だった自分は英単語を憶えるのに役立たせてもらいました。

これを収録するアルバム"Breakfast in America"は全米アルバムチャートで同年5月後半から4週連続1位となった後、
2週ほど首位を陥落するも、6月後半には1位に返り咲き、年間アルバムチャートでは5位の大ヒットを記録しました。
ウチにはそのLP盤がまだ手元に残ってます。ジャケットデザインは結構インパクトがありました。

1980年にジャケット部門でグラミー賞を獲得してます。
でっかく写ってる通称「リビーおばさん」は米国の女優さんで、このバンドのメンバーではないんですけど、
アルバムのプロモーション目的で来日し、TV番組にも出演していた記憶があります。


五島プラネタリウム リーフレット No.265(1979年4月)

2024-06-26 08:03:12 | タイムマシンにお願い

シリーズで紹介している五島プラネタリウムのリーフレットの第18弾は1979年4月配布のものです。

この月の話題は「南十字星をたずねて」となってました。4月は南十字星が見頃の時期にあたり、それに合わせて
選定されたテーマだったのでしょう。と言っても日本では沖縄辺りまで行かないと見えないんですけどね。
掲載画像はグアム島で撮影されたケンタウルス座の1等星2つと南十字星を写野に収めた写真になってます。
ちなみに撮影者は第17弾の記事で取り上げた藤井旭さんでした。

2ページ目には南半球の星空についての記述があり、あまり聞き慣れない星座が多く出てきます。じょうぎ(定規)座
などという星座を知ってる人は少ないと思いますが、文具繋がりだと他にコンパス座なんていうのもあるんですよ。
鳥類の名前が付いた星座もいくつかあって、きょしちょう(巨嘴鳥:オオハシっていう鳥のことらしい)座だとか、
ふうちょう(風鳥:極楽鳥っていう別名を持つ鳥らしい)座とか、いずれも主な生息域が南半球にあり、日本人には
ピンと来ない鳥が星座名として採用されてたりします。また、北天には北の指針として便利な北極星がありますが、
南天には南極星と呼ぶべき星はなく、真南の方角を星から知るには複数の星の並びを組み合わせる必要があるとの
説明があります。

3ページ目の「4月の星座」の説明には、3月配布分に続いてこの時期に見やすい「北斗七星」について取り上げ、
その弓なりになった柄の部分のカーブを伸ばしていくと2つの1等星(アルクトゥールスとスピカ)まで辿れるという
「春の大曲線」と、その2星としし座の尻尾に相当する2等星デネボラを結んでできる「春の大三角形」について
紹介しています。


非冷却CMOSカメラASI585MCでの試写【惑星撮影編-1】

2024-06-25 20:47:20 | 撮影機材

CMOSカメラのメインの用途として考えていた惑星撮影を19日の明け方にようやく実行。
撮影ターゲットは土星で、長焦点反射望遠鏡にカメラを取り付け、トライアル撮影してみました。
得られた画像がコレです。


 タカハシμ-180+2.5倍バローレンズ+ADC+ZWO ASI585,UV/IRカットフィルター,合成F値=30,Gain400,
 50ミリ秒/フレーム,1360×768pix.クロップ,タカハシEM-200Temma2M赤道儀にて恒星時追尾,
 2分の動画の720/2400フレームをAS!3にてスタック×8セット,Registax6にてwavelet処理,トリミングあり

PCモニターに映し出された土星像を見たら環が随分と細くなっていて、ちょっと面食らいました。
地球から見る土星環の傾きが小さくなってるんですね。実は来年の春には環を真横から眺めることになって、
ほとんど見えなくなることが分かってます。その理由は環の厚さが数十~数百メートルと薄いせいなんです。
ちなみに環の消失日は2025年3月24日となってますが、太陽に見掛け上近いので消失の確認は困難でしょう。
ということで、この先1年半くらいの期間は見映えがよろしくない土星になってしまうんですが、
土星本体の模様の濃淡などは把握しやすくなるとも言えそうです。

で、肝心のカメラのパフォーマンスですが、気流の状態が良くなかったのか写りがイマイチで評価が困難な感じ。
土星本体に環の影が下側に落ちて暗くなっていたり、逆に土星本体の影で環の右奥側が暗くなったりしてるのは
確認できるものの、本体と環の隙間がハッキリしないなど、解像感の乏しいイメージになってしまいました。
シンチレーションの影響が少ない日にまた試写しないといけませんねぇ。今年の土星観測シーズンはまだ序盤で、
これから撮影チャンスはたくさんあると思うので、好条件の日をじっくり待とうと思います。

ちなみに撮影では初めてカメラメーカー提供のASICapを使ってRaw形式動画(SERファイル)を取得してます。
フレームスタックで使うAS!3はRaw動画ファイルのベイヤー配列を自動認識してくれるのがありがたいですが、
RGBカラー化のファンクションが加わる分、処理時間が少し長めになるような感じでした。

なお、ASIVideoStackというメーカー純正ソフトでスタックするとFits形式画像ファイルが勝手に作られるようで、
それをASIFitsViewというソフトで表示させてみたら、こんな画像でした(トリミングあり)。

土星本体も環も完全に白飛び状態ですが、両サイドに小さな星が1個ずつ写ってるのが確認できます。
調べてみたら、左側の星が第5衛星レア(光度9.7等)、右側の星が第4衛星ディオネ(光度10.4等)でした。
暗い衛星の位置を把握するのに好都合ですが、それ以外に利用価値があるのか分かりません

<追記>
ASIVideoStackで生成されたFits形式画像をASIFitsViewで表示させた後、右クリックで出てくる選択肢から
「ヒストグラム」を選ぶとRGBヒストグラムが表示され、その上の「リセット」のボタンをクリックすると
普通のイメージが現れました。

画像表示時の初期状態が「オート」になっているため白飛び画像が最初に現れたってことのようです。
ヒストグラムを「リセット」してから(×)マーククリックで一旦ヒストグラム表示を消した後、
再び右クリックで表示される選択肢から「名前を付けて保存」を選べば普通のイメージも保存できました。


今朝の富士山(2024/06/24)

2024-06-24 10:08:22 | 富士山

梅雨に入ってるとは思えないほどクッキリ見えてます。

<今日のアメダス最低気温>
八王子:20.0℃  富士山:1.0℃ 

昨日、奄美地方の梅雨明けと東北地方の梅雨入りが発表されました。
今日は九州で大雨となる一方、東海~関東では晴れ間が広がって暑くなる見込みで、
内陸部で猛暑日を記録する所もありそうです。茨城には熱中症警戒アラートが出てます。


非冷却CMOSカメラASI585MCでの試写【ディープスカイ撮影編-7】

2024-06-23 00:08:07 | 撮影機材

6/8(土)の未明にCMOSカメラでこの惑星状星雲も狙ったのでした。


【亜鈴状星雲 M27(こぎつね座)】
 ZWO ASI585MC+タカハシε-180EDC,F2.8,Gain300,STARRY NIGHTフィルター,
 総露出時間40分(2分×20フレーム,σクリップ加算平均コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,静岡県西伊豆町にて

割と有名な星雲で、愛称は特徴的なその形態に由来します。質量が太陽くらいの星の成れの果ての姿とされる
「惑星状星雲」に分類される天体としてはサイズが大きく、満月の視直径の1/4~1/5程度の広がりがあります。
それでも焦点距離500mmの望遠鏡では写野内の占有率が低いですね。そこで等倍トリミングしてみると・・・

そこそこ迫力のあるイメージになりました。周囲に写る恒星の色の出方が弱くて、ちょっと寂しい感じなのは
やはりゲイン上げ過ぎってことでしょうかねぇ。なお、星雲の寒色系の色は以前デジイチで撮ったのと比べて
B(青)が弱く、補色のY(黄)が強い感じの仕上がりの一方、暖色系の色ノリはデジイチよりイイような印象です。
(まだつづいたりして?)


今朝の富士山(2024/06/22)

2024-06-22 07:12:18 | 富士山

今日は綺麗に見えてます。

<今日のアメダス最低気温>
八王子:14.2℃  富士山:0.5℃ 

昨日、関東地方が梅雨入りしたとみられるとの発表がありました。
平年より14日遅れで、観測史上2番目に遅い記録だそうです。
ちなみに梅雨入りの最遅記録は6月22日で、1967年と2007年の2回ありました。
1967年の梅雨明けは7月18日と平年並みだった一方、2007年の梅雨明けは8月1日と遅かったようです。
今年はどうなるでしょうか?


Sh2-4

2024-06-21 00:27:50 | シャープレス天体アルバム

【Sh2-4】
 赤経: 17h19m49s 赤緯:-39゚20' 19"
 星座:さそり座
 視直径:5'
 他カタログNo.:RCW 121
 ニックネーム:-
 南中日時(@東京):4月23日03時,6月8日00時,7月22日21時 ※あくまで目安です。


 撮影日時:2023/06/19 22:56
 撮影地:新潟県魚沼市
 撮影機材:キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,アイダスNBZフィルター使用,
             タカハシEM-200Temma2M赤道儀,ペンシルボーグ+QHY5LⅡM+StellaShot2により恒星ガイド
 撮影条件:ISO3200,露出7分×12コマ
 画像処理:Digital Photo Professionalにて現像,ステライメージVer.8,PhotoshopCS3にて処理
             トリミングあり
 メモ:さそり座南部の尻尾付近にある小さな散光星雲です。以前は惑星状星雲と考えられてきたよう
    ですが、現在はコンパクトなHⅡ領域であることが判明しています。この星雲の北側で大きく
    広がっているSh2-5とともに"Havlen-Moffat 1"という散開星団に伴う輝線星雲で、スピッツァー
    宇宙望遠鏡に搭載の赤外線カメラでは非常に目立つ天体として観測され、大質量星の形成領域
    の1つとして天文学上で興味深い研究対象になっているようです。日本では南中高度が低い上に
    微小なHⅡ領域であるため、アマチュアが持てるレベルの望遠鏡では眼視による確認は難しい
    でしょう。写真撮影でコントラスト良く捉えるのであればHα輝線の波長に合わせたバンドパス
    フィルターを用いるのが望ましいと思われます。なお、愛称などは特に付いていません。

 星図:


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成