Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 12/18 月と火星が接近

いよいよあと1ヶ月!

2013-10-29 22:00:00 | ほうき星

「史上最大級の彗星」と噂されてきたアイソン彗星が1ヶ月後に太陽最接近を迎えます。
当初の予測によると、10月末の今頃は6等台の明るさに達して小型双眼鏡でも見えるはずでしたが、
実際は9等程度と約3等級暗い状況で、大彗星に成長するかどうか怪しくなってきてます。
もしかすると太陽に向かう途中で消滅するのではないかと危惧する専門家も出てきました。
光度上昇ペースがこのまま推移するとしても、11月中旬にようやく双眼鏡で見えるレベル、
観望好機となる太陽最接近の5日前で3~4等級程度にしかならず、
超低空にしか見えないことを考えると肉眼で確認するのはまず困難ではないかと予想されます。
ちなみに11月24日の夜明け前におけるシミュレーションは下図のとおり。

ISON_20131124予想.jpg
 (AstroArts社 ステラナビゲータによるシミュレーション ※彗星の下の数字は予想光度)

近くに水星と土星がいるので良い目印になるとは思いますが、高度は3度強とかなり低いです。
とりあえず東南東方向が地平付近まで見える場所でないと観望困難な感じです。
春にやってきて少々ガッカリさせられたパンスターズ彗星よりも条件的には厳しそうですが、
彗星っていうのは水物で、この先どうなるか分かりませんので、
事態が想定外に好転することに期待したいです。


今日の太陽(2013/10/27)

2013-10-27 12:00:00 | 太陽

久々にお天道様を撮ってみました↓

今日の太陽_20131027.jpg

 キヤノンEOS Kiss Digital X + 400mm超望遠レンズ(太陽撮影用減光フィルターND100000使用,擬似カラー処理)

大きめの黒点があって、割と賑やかです。
左下方のごちゃごちゃっとした黒点群(1882群)は大規模な太陽フレアの発生源になっているとか。
これから正面にやってくるので、全世界レベルで電波障害等の影響が出ないか気掛かりです。


13日未明の彗星パパラッチ成果

2013-10-15 20:20:00 | ほうき星

先週末は天気が良かったので、また八ヶ岳東麓に出掛けて星撮りしてました。
改造依頼中の中型赤道儀がまだ戻ってこないので主砲の口径18cm望遠鏡は出番が無く、
再び星空雲台ポラリエ+200mm望遠レンズによるお気楽撮影となりました。
ターゲットは明け方に見られる彗星3つ。どれも9~11等級程度と暗いものばかりですが、
自称「ほうき星パパラッチ」としては逃さず撮りたい獲物だったりします。
月が沈んでから、最初に撮ったのがこちら↓

002p201301.jpg

【エンケ彗星(2P)】
 キヤノンEOS60Da+200mm望遠レンズ,ISO1600,F4,総露出時間16分(1分露出×16),
 星空雲台ポラリエ使用,トリミングあり

コイツは約3.3年で太陽の周りを公転している短周期彗星です。現在の明るさは9等ぐらいでしょうか。
ちなみに、軌道が詳しく分かっている短周期彗星には番号が付けられているんですけど、
1番目に登録されているのが有名な周期約76年のハレー彗星で、
このエンケ彗星は2番目に登録されている由緒ある天体です。
登録符号は番号の後ろにPeriodic(「周期」という意味)の頭文字"P"を付けた"2P"となっています。
ハレー彗星は短周期彗星といっても周期が長いので、一生に1度お目にかかれるかどうかという彗星ですが、
エンケ彗星の周期は3年ちょっとと短く、オリンピック開催よりも高い頻度で太陽に近づきます。
但し、周期の端数0.3年がクセモノで、地球との位置関係上、観測しやすい位置にやってくるのが
大体3公転ごとということになり、実質的には周期10年の彗星とあまり変わらなかったりします。
実際、個人的にこの彗星を狙ったのは2003年11月以来のことで、意外と撮影チャンスは少ないんです。
前置きが長くなりましたが、写真のとおり彗星らしい青緑色のコマが印象的で、
その広がりは東(左)方向に片寄っているのが分かります。
尾はあまり目立たないタイプのようですが、伸びるとすれば西(右)方向のはずで、
コマの広がっている方向は尾と逆になっているのが少し不思議な感じもします。
なお、背景の星が長く伸びているのは、コマ撮りした画像を彗星像に合わせて合成したためで、
それだけ見掛け上のモーションが大きいということになります。

次に狙ったのがこちら↓

2013r101.jpg

【ラヴジョイ彗星(C/2013 R1)】
 キヤノンEOS60Da+200mm望遠レンズ,ISO1600,F4,総露出時間7分(1分露出×7),
 星空雲台ポラリエ使用,トリミングあり

コイツは先月上旬に発見されたばかりの新彗星です。
現在は9等台と暗めですが、12月には約6等まで明るくなり、小型双眼鏡で見えるようになるかもしれません。
これも彗星特有の青緑色を呈しているのが分かりますね。
今は冬の天の川の中にいるため、背景に星がたくさん写っていて賑やかですが、
彗星の見掛け上の動きは少なめで、恒星像はほぼ点になってます。

で、最後のターゲットはやっぱり気になるこの彗星↓

2012s103.jpg

【アイソン彗星(C/2012 S1)】
キヤノンEOS60Da+200mm望遠レンズ,ISO1600,F4,総露出時間9分(1分露出×9),
星空雲台ポラリエ使用,トリミングあり ※下の輝星は火星

さらに拡大したのがこちら↓

2012s103b.jpg

前回の撮影から2週間ほど経過して、尾がそれなりに伸びてきました。
明るさの方は贔屓目に見て10等台中盤ぐらいで、光度上昇ペースはあまり上がってないようです。
それでも揮発性成分の放出量が多くなってきているのか、頭部が少し緑掛かっているのが分かります。
これは今後の大化けに向けた好材料と言えるかもしれません。
依然として火星の傍にいるので、200mm程度の望遠レンズでは構図が合わせやすいです。
今週半ばからはしし座の1等星レグルスも近づき、記念のスリーショットが狙えそうですが、
残念ながら満月近くなので撮影条件はあまり良くないです。
11月最初の週末に小型双眼鏡で楽に見えるようになっていることを祈ります。